『AIR偽小説第二百二十三弾』

懲りずに第二百二十三弾です。
順番、というものはちょっと悩んだりします。
本当に、ちょっと、ですけどね。
誰をどう出そうが変わらないってーのにねー。
組み合わせ次第では地獄っぽいのですが(展開的に)


『4行小説』

★観鈴
「にはは、特別ゲストさんで観鈴ちんが司会」
「テーマは自己紹介……えっと、神尾観鈴です」
「特技はトランプ。お料理も色々できます」
「それから、海辺で遊ぶのが好き」

香里「……で、あたしがアシスタントってわけね」
観鈴「にはは、よろしく」
香里「はあ……まぁいいわ。美凪の時じゃなくって」
香里「で、自己紹介だっけ」
観鈴「早速お願い」
香里「あのね。どうせだったら特別ゲストを招いてからしたらどうよ。そういう目的でしょ、これって」
観鈴「あ、そかそか。香里さん頭いい」
香里「つーか当初のサボり狙いを忘れてどうすんのよ……」
観鈴「それでは、ゲストさんいらっしゃいませーっ」
??「……」
観鈴「一ノ瀬ことみちゃん、にはは」
ことみ「……」
観鈴「わっ、そんな、隠れてないで出てきてほしいな」
香里「いきなり泣き出しそうなんだけど」
ことみ「……いじめる?」
香里「は?」
ことみ「……いじめっ子?」
香里「あんた、いきなり喧嘩売ってんの?」
ことみ「……いじめる? いじめる?」
香里「……」
観鈴「わ、いじめないいじめない」
観鈴「いじめないから、こっちに来て自己紹介してほしいな」
ことみ「……いじめない?」
観鈴「うん、にはは」
ことみ「……」
観鈴「やっと来てくれた」
香里「まだ半信半疑って顔してるけどね」
ことみ「……」
観鈴「それじゃあ香里さんの自己紹介から」
香里「あー、はいはい」

★香里
「美坂香里よ」
「不本意にこんな所によく連れてこられて参ってるわ」
「現状を打破しようとする人がいたら是非言って頂戴」
「応援してあげるわ」

観鈴「が、がお……」
香里「何よ、そんなに不満?」
観鈴「半分投げやり……」
香里「なんですって?」
ことみ「やっぱりいじめっ子……」
香里「……」
香里「もうそれでいいからさっさとやりなさいよ」
ことみ「??」
香里「はてなマーク浮かべてないで。あたしが四行で自己紹介したでしょ?」
ことみ「……」
ことみ「……あっ」
ことみ「ことみ」
ことみ「ひらがなみっつで、ことみ」
ことみ「呼ぶときは、ことみちゃん」
香里「って、いきなり五行すんなっ!」
観鈴「にはは、積極的」
香里「笑ってる場合なわけ?」
観鈴「えっとねことみちゃん。四行はね」
観鈴「さっきの香里さんみたいな形で四行するの」
ことみ「……」
ことみ「……(こくこく)」
香里「分かったみたいね」
ことみ「……いじめる?」
香里「やっぱむかつくから一発しめていい?」
香里「って、これだとどこぞの乱暴男子高校生みたいね」
香里「はあ……」
ことみ「……」
観鈴「えっと、わかったら四行やってほしい、な」
ことみ「……わかったの」

★ことみ
「こんにちは、はじめまして」
「3年A組の、一ノ瀬ことみです」
「趣味は読書です」
「もしよかったら、お友達になってくれるとうれしいです」

香里「……なんだ普通にできるじゃないの」
香里「友達にねえ。まぁいいわよ。減るもんじゃないし」
観鈴「にはは。こちらこそよろしく、ことみちゃん」
ことみ「……」
ことみ「よろしくなの」
香里「少しだけ表情が和らいだ気がするわね」
観鈴「にはは、キーワードは友達」
観鈴「観鈴ちんも嬉しい、友達」
香里「いいからゲスト呼びなさいっての」
観鈴「そだった。一人目、どうぞーっ」
澪「……」
『こんにちは、なの』
ことみ「?」
香里「やっぱり初見は戸惑うわよね。スケッチブックに文字だし」
観鈴「さっそく自己紹介をお願い」
澪「……(うんっ、うんっ)」
『わかったの』
ことみ「??」

★澪
『上月澪、なの』
『演劇部員なの』
『こうしてスケッチブックで話をしてるのは、喋れないからなの』
『よろしくお願いするの』

澪「……(ぺこり)」
香里「なんつうか、丁寧ね」
ことみ「……あっ」
観鈴「どうしたの、ことみちゃん」
ことみ「こんにちは、はじめまして」
ことみ「3年A組の、一ノ瀬ことみです」
ことみ「趣味は読書です」
ことみ「もしよかったら、お友達になってくれるとうれしいです」
澪『よろしくお願いするの』
澪『もちろんお友達になるの』
香里「って、その自己紹介はさっき四行でやったでしょ!」
ことみ「??」
香里「わかってないのかしら……」
香里「それとも鶏頭なのかしら……」
ことみ「……」
ことみ「……あっ」
香里「何よ」
ことみ「なんでやねん」
香里「……」
観鈴「わ、お母さんと同じツッコミ」
ことみ「……なんでやねん」
澪『ちょっとテンポが遅いような気がするの』
澪『もう少し早くしないと、ここでは対応できないの』
ことみ「うーん。お笑いはむずかしいの」
香里「って、お笑いやってたわけ!?」
観鈴「にはは、面白かった」
ことみ「……」
ことみ「観鈴ちゃん、ありがとうなの」
観鈴「にはは」
澪『ことみちゃん、次も頑張ってなの』
ことみ「澪ちゃんも、ありがとうなの」
香里「……ねえ、なんだかあたし頭痛くなってきたんだけど」
香里「早く残りのゲスト呼んで終わってくれないかしら」
観鈴「そだった。次のゲストさんどうぞーっ」
ベナウィ「……私でよいのですか」
観鈴「ベナウィさん、にはは」
香里「まともそうでよかったわ。って喜んでいいのかしら」
ことみ「あっ……」
ベナウィ「……? なんですか」
ことみ「こんにちは、はじめまして」
ことみ「3年A組の、一ノ瀬ことみです」
ことみ「趣味は読書です」
ことみ「もしよかったら、お友達になってくれるとうれしいです」
香里「だーかーらー! 同じことを何回もやるんじゃないっての!」
ベナウィ「これはご丁寧に」
ベナウィ「私は、トゥスクル国で侍大将を……」
観鈴「ベナウィさん、自己紹介は四行で」
ベナウィ「……そうでしたね。それがここでの掟」
ベナウィ「では……」
澪『なんだか固いの』
香里「はあ……もうあたしめげそう」

★ベナウィ
「私はベナウィと申します」
「トゥスクル国にて、侍大将を務めさせていただいております」
「そうですね……あなた方の力になれる事は少ないかもしれませんが」
「有事の際は、相談事にのれるかと思います」

香里「相談していいの?」
ベナウィ「ええ。きっとトゥスクル国として力になりましょう」
香里「それって……」
ベナウィ「他国に攻め入られた時など、です」
香里「そんな物騒な事は多分ここではないから」
ベナウィ「そうですか」
澪『トゥスクル?』
ことみ「きいた事のない国名なの」
ベナウィ「無理もありません。どうやら私の世界はあなた方との接点はほぼありませぬゆえ」
観鈴「それでもかのりんが連れてきたの、にはは」
香里「にははじゃないでしょ、にははじゃ」
香里「大体、あたし達だって……」
香里「まぁ、いいわ。不毛よね。関係が無いとかって」
ことみ「そんな事ないの」
ことみ「世界は互いに干渉し合って、それで……」
葉子「難しい話はまた今度にしてください」
観鈴「わ、呼ぶより先に現れた」
葉子「……随分と失礼な物言いですね」
ことみ「あっ」
葉子「なんですか」
ことみ「こんにちは、はじめまして」
ことみ「3年A組の、一ノ瀬ことみです」
ことみ「趣味は読書です」
ことみ「もしよかったら、お友達になってくれるとうれしいです」
葉子「……はじめまして。鹿沼葉子です」
澪『つっこまないの?』
香里「もう疲れたわ」
香里「この場だけなら、見逃してあげる」
澪『変な諦め方なの』
観鈴「にはは。それじゃあ葉子さんの四行」
葉子「はい」
ベナウィ「あなたは……」
葉子「なんですか」
ベナウィ「いえ」

★葉子
「鹿沼葉子です」
「ファーゴにて……」
「いえ、やめにしましょう」
「今は、ただこうして人と自然に触れ合えるこの場に感謝をします」

香里「なんか、自己紹介のようでいて自己紹介になってない気がするわね」
葉子「いけませんか」
香里「……別にいいわよ」
観鈴「ところで、ベナウィさんさっき何か言いかけてましたけど」
ベナウィ「ええ。葉子殿。あなたは……」
ベナウィ「何か、多大なる力を持ち合わせてはいませんか」
葉子「いえ」
ベナウィ「そうですか……」
香里「持ってるじゃない。不可視のなんとか」
葉子「あれは、みだりに見せるものではありません」
ベナウィ「やはりあったのですね。いえ、あるとわかればそれで十分です」
澪『何が聞きたかったのかよくわからないの』
ことみ「……」
ことみ「……あっ」
ことみ「なん」
香里「はいはい、ツッコミ作業禁止ね」
ことみ「……」
ことみ「やっぱり、いじめっ子?」
香里「それでいいって言ったわよ。で、これで終わりよね?」
観鈴「あ、うん。おしまい」
葉子「一つだけよろしいですか」
観鈴「何かな、葉子さん」
葉子「ことみさん。あなたは、武器を持っていると聞きました」
ことみ「……(ふるふる)」
葉子「今はお持ちではありありませんが、ヴァイオリンが武器になると」
香里「ヴァイオリンって、あの楽器のヴァイオリンよね?」
澪『どうしてそれが武器なの?』
葉子「よくはわかりませんが、何人もをそれで倒していったとか」
ことみ「……(ふるふるふる)」
葉子「そう、岡崎さんから聞きました」
ベナウィ「なるほど。貴方も禁断の力をお持ちのようですね」
ことみ「……(ふるふるふるふる)」
香里「なんか涙目になってるんだけど」
ことみ「……みんな、いじめっ子?」
観鈴「わっわっ、違う違う。観鈴ちんは違うからね」
澪『いじめっ子違うの』
香里「あー、もういいから終わってよ。細かい話は今度でもできるでしょ」
ベナウィ「そうですね。興味深い話が色々聞けましたゆえ」
葉子「戦いは好みませんが……」
ことみ「…………(ふるふるふるふるふるふる)」
香里「ますます涙目ね……」
澪『泣き止んでほしいの』
観鈴「わわわっ、本当におしまいっ!」

<いぢめる?いぢめる?いぢめる?>


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