『AIR偽小説第二百二十一弾』

懲りずに第二百二十一弾です。
耳については話に入れないのが吉。
そうなんですけどね、そのはずなんですけどね。
何のことかって、うたわれキャラの話です。
うたわれ学園を想像することにして納得してください(爆)


『4行小説』

★ポテト
「ぴこぴこぴこ」
「ぴっこり」
「ぴこっ、ぴこーっ」
「ぴこ」

舞「……」
舞「じゃあ、どうぞ」
ポテト「ぴこっ」
杏「ちょっと待ちなさいよ」
舞「なに」
杏「あんたねえ、勝手に呼んどいて勝手にぴこぴこやられて何をしろっていうの!?」
杏「ええええ、あたしは藤林杏よ、そして妹の椋とボタンが来てるわよ」
杏「それを言えって、佳乃って子から言われてるけどあんたら一体何よ! 何なのよ!」
椋「お、お姉ちゃん……落ち着いて……」
ボタン「ぷひ」
杏「はあ、はあ……」
舞「……四行」
舞「やれば、落ち着く」
ポテト「ぴこぴこ」
椋「は、はあ……」
ポテト「ぴこ? ぴこぴこぴこ」
ポテト「ぴっこり」
舞「そうだった」
杏「は?」

★舞
「川澄舞」
「動物さん、大好き」
「牛丼も、大好き」
「剣は、今日は使わない」

椋「あ、あの……」
杏「ちょっと椋、今の意味わかった?」
椋「えっ、と……自己紹介……じゃないかな」
杏「それを何、四行続けてやるっての?」
椋「多分……」
杏「で、それに意味はあるの?」
椋「さあ……」
杏「なんでそんな意味不明なことやんなきゃなんないのよ」
椋「わ、私に聞かれても……」
ボタン「ぷひぷひ」
杏「え? ボタン、やってみるって?」
ボタン「ぷひ」
杏「な、なるほど、ボタンなら違和感無くやれそうよね」
ボタン「ぷひー」

★ボタン
「ぷひ」
「ぷひぷひぷひ」
「ぷひー」
「ぷひ〜」

杏「……」
椋「おねえ、ちゃん?」
杏「だああああ! やっぱりわけわからんわー!」
杏「ボタンが可愛いってのはわかっても、この四行で自己紹介って何なのよー!」
舞「……決まりごと」
杏「何よ! 何の決まりごとよ!」
杏「誰が! 何の目的で決めたわけ!」
椋「お、落ち着いて、お姉ちゃん」
ポテト「ぴこぴこぴこ」
杏「だいたい、さっきからぴこぴことなんで毛玉が鳴いてるのよ」
杏「ああ〜もう! ここは本当に何なのよ!」
詩子「ふふん、お困りのようね」
舞「あ……」
ぶんっ
詩子「おわあっと! ちょ、危ないじゃない!」
舞「司会が言うより先に、出ちゃだめ」
詩子「あんたじゃ話が進まないから私が出てるんでしょうが!」
詩子「っていうかその物騒な剣をしまいなさいっての!」
詩子「今日は剣を使わないんじゃないの!?」
舞「……」
すちゃっ
詩子「ふう……」
杏「あんたは?」
詩子「大丈夫、お手本を見せるから」
杏「お手本?」
椋「……」

★詩子
「私は柚木詩子」
「なんかねえ、ゲストで呼ばれたはずなのに司会やりそうな勢いだわ」
「あ、楽しむのがモットーだからね私は」
「気軽に親しく接して頂戴」

杏「……で?」
詩子「要するに、こういう形で四行やって」
詩子「それを自己紹介という形にするってわけ。わかった?」
杏「意味は?」
詩子「無いわよ」
杏「何よそれ……」
詩子「ここはね、楽しんだが勝ち、のところなの」
詩子「深く考えない方が得するわよ〜」
カルラ「そうですわよ」
杏「うわあっ!」
椋「ま、またいきなり……」
ポテト「ぴこっ! ぴこぴこぴこっ!」
舞「……怒ってる」
カルラ「まあまあ。そもそも、司会を務めるにふさわしい人物がやるべきではなくて?」
ポテト「ぴこー……」
カルラ「さすがに通訳がいないと、貴方もしようがないでしょうに」
ポテト「ぴこっ! ぴこぴこぴこっ!」
舞「また怒ってる」
カルラ「貴方は貴方なりの役目があるでしょう? たとえば、そこの子供の通訳とか」
ボタン「ぷひ?」
ポテト「ぴこっ! ぴ、ぴこ?」
ボタン「ぷひぷひ」
ポテト「ぴこ〜」
舞「……まとまった」
カルラ「よかったですわ」
杏「……この人、毛玉と言葉交わしてたわよ」
椋「そう、だね……」
杏「つーか、ボタンって毛玉と話ができたのね……」
詩子「毛玉に見えるけど、ポテトはれっきとした動物よ」
杏「嘘!? ってか何よ」
舞「いぬさん」
杏「犬ー!?」
舞「わん」
杏「いや、あんたが鳴く必要ないから」
椋「えっと、とにかく……四行で、自己紹介をすれば……いいんですよね?」
詩子「そうそう。手っ取り早くお願いするわね」
椋「では……」

★椋
「藤林椋です」
「趣味は、占いです」
「えと、ずっと……トランプを使ってたんですが、最近……タロット占い、になりました」
「でも、何故か裸の絵があって……恥ずかしいです……」

杏「へ? そんなの持ってたっけ?」
椋「うん、これなんだけど……」
杏「へえ〜、皆の絵柄なんだ」
杏「って、何よこれ! あたし胸が出てるじゃない!」
杏「……ま、全裸の人よりマシか」
詩子「どれどれ……うわあ、何この大胆なカード」
カルラ「けれども、なかなか立派ないい形をしてますわよ」
杏「うわああ、み、見るなー!」
詩子「いいじゃないの。減るもんじゃないし」
カルラ「女性同士ですから問題ないですわよ」
杏「問題大有りよ! 椋、早くしまいなさいっ!」
椋「う、うん」
杏「……言っておくけど、別の時に出したら怒るわよ?」
杏「あたしがいない所とか」
椋「そ、そんなこと言われても……」
舞「……問題ない」
杏「だから問題あるっての!」
詩子「あれっ、ポテトとボタンは?」
舞「あっちで歓談」
ポテト「ぴこぴこぴこ」
ボタン「ぷひぷひぷひ」
杏「……随分仲良さそうね」
椋「やっぱり……動物同士、気が……合う、のかな」
杏「あの毛玉を動物って言われてもねえ」
カルラ「それじゃあ、区切りということで私が四行しますわね」
舞「……(こくり)」

★カルラ
「カルラですわ」
「好きなものはお酒ですの」
「できたらこの場で用意していただきたいんですけど……」
「ここは禁酒と聞きましたわ。残念」

詩子「そりゃあ、ここは未成年ばっかり集まる場所だから」
カルラ「あら。貴方達は十分立派な大人ですわよ」
詩子「いや、貴方の方では私達の年齢は問題ないかもしれないけど……」
舞「だめ」
カルラ「そう。残念ですわ」
杏「強気にせめてくるかと思ったら、さっさと折れたわね」
椋「どうしてだろう」
カルラ「さっさと終わって、お酒を飲みに帰りたいんですの」
杏「あ、そ……」
舞「最後」
詩子「そうだね。貴方で最後」
杏「へ? あたし?」
詩子「そ、あたし」
椋「大丈夫だよ、お姉ちゃん。私も……出来たから」
杏「そういう問題じゃなくて……まあいっか」

★杏
「藤林杏よ」
「椋の姉」
「えーと、光坂高校3年E組……」
「うー、なんか慣れないわねこの雰囲気」

カルラ「何か疑問でもあるんですの?」
杏「ただ雑談しに来てるだけじゃないの」
詩子「まぁそういう場所だから」
舞「……(こくり)」
杏「はあ」
カルラ「ところで、椋」
椋「は、はいっ?」
カルラ「占いって、どういう事ができるんですの? 未来を見通したりできて?」
椋「そんな、凄いものではありませんけど……似たようなものです」
詩子「丁度いいや。一つ占ってよ。今後について」
杏「やめたほうがいいと思うけど……」
椋「え?」
杏「いや、なんでもないわ。うんいいんじゃない、折角だから占ってみなさいよ」
椋「うん。では……」
しゅっしゅっしゅっしゅっしゅっ……
椋「どうぞ。この中から、一枚引いてください」
詩子「よぉーっし、これ!」
詩子「……恋人?」
椋「……」
カルラ「どういう未来ですの?」
椋「えっと、一つの恋が生まれます」
椋「一つでは、ないかもしれませんが……」
詩子「へえっ! ふふーん、それは面白そうじゃない。ね、カルラさん」
カルラ「ええ。とっても楽しみですわ」
杏「あんたら随分と意気投合してるわね」
詩子「もちろん舞もそうよね?」
舞「……」
カルラ「無反応ですわね」
詩子「ま、いいわ。よーし、楽しみがまた一つ増えたわね〜」
杏「(多分、恋が生まれるどころか消えかねないわね)」
椋「どうしたの。お姉ちゃん」
杏「ううん、なんでもないわ」
ポテト「ぴこぴこぴこ」
ボタン「ぷひぷひ?」
舞「うん、終わった」
ポテト「ぴこー」
ボタン「ぷひ!」
舞「うん、終わる」
杏「あ!」
詩子「何々、どうしたの杏」
杏「いや、もういいわ。ボタンの七つ芸を紹介しようかと思ったけど……」
杏「これもお楽しみにしといて」
カルラ「あら、いい引きをなさるわね」
詩子「これは楽しみにしないといけないじゃない」
カルラ「もう一つ。二人は双子ですわね」
杏「あら、よくわかったわね」
詩子「えっ、ホント!?」
詩子「……ほんとだ。よくよく見ると顔同じ。そっか、髪の長さが違うからぱっと見わからないのね」
舞「髪飾り……」
椋「あ、はいそうです。私が右、お姉ちゃんが左に、髪飾りをつけてます」
杏「ふふん、可愛いでしょ」
カルラ「ふふ。わたくしの知り合いにも双子がいるんですのよ」
カルラ「それくらい分かりやすければ、区別がつくんですのにねえ」
杏「あれっ、そうなんだ」
カルラ「ええ。それについても、お楽しみですわね」
ポテト「ぴこっ」
ボタン「ぷひ」
杏「なるほどね」
舞「……いのししさん」
杏「いきなり何よ」
詩子「終わりにする合図じゃない」
カルラ「面白い合図ですわね」
舞「もー」
椋「いのししはもーって鳴かないです」
杏「ってか、そばでボタンがぷひぷひ鳴いてるからぷひにしときなさいよ」
舞「ぷひ」
杏「そうそう」
ボタン「ぷひ!」
ポテト「ぴこー」

<ぴっこぴこぴこ>


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