『AIR偽小説第二百十弾』

懲りずに第二百十弾です。
最近読んでる小説は灼眼のシャナです。借り物ですがね。
全体的に面白いというよりは、部分部分に密度の濃い面白さと、
本当に独特な設定、世界観が魅力の種ではなかろうかと思った次第です。
とはいえ、毎回設定話がしつこく感じて仕方ない。
あと、どうも小説だと場面の様相が分かりにくいのです。
アニメから入った方が分かりやすいかなぁ、と勝手に思ったりしてます。
っていうかすまん、これ、小説から先に勧められてたら私は1巻で挫折してますね。


『4行小説』

★神奈
「今回は余達の出番であるぞ」
「人物語り。以前にも紹介したしのさいか殿の妹君、しのまいか殿だ」
「病んで床に伏せっていた姉のさいか殿を案じて、神社に参ったそうだ」
「なんとも姉想いよの」

あゆ「へえ……神奈ちゃんにしてはちゃんと情報をつかんでるじゃない」
神奈「あゆ殿、その物言いは無礼ではないか?」
あゆ「だって、まいかちゃんに会ったことないでしょ? 話したこともないでしょ?」
あゆ「そんなまいかちゃんを語ろうっていうんだから、そう言いたくもなるってもんだよ」
神奈「いや、しかしだな……」
八百比丘尼「あゆ、そこまでにしてくださりませぬか。元はわらわの要望なるゆえ」
あゆ「あ、うん……。ちょっとね、無貌な神奈ちゃんを思い出してね」
神奈「で、では早速招くとするぞ。参られよ、まいか殿」
まいか「こ、こんにちは」
あゆ「うわぁ、可愛い〜。ボクはあゆ、よろしくねまいかちゃん」
八百比丘尼「これは愛らしいお子ですね。では早速四行に移るとしましょう」
神奈「うむ。まずはあゆ殿であるぞ!」
あゆ「うぐぅ、ボク?」

★あゆ
「最初にも言ったけど、可愛いよね」
「さいかちゃんの妹ってことは、さいかちゃんが6歳だったから……」
「あ、ひょっとしてまだ小学校も行ってないんだ?」
「よく一人でこんなところに来られたね、偉い偉い」

なでなで
まいか「え、えへへへ……」
あゆ「ほんと、可愛いよ〜」
神奈「なにやらご機嫌であるな」
八百比丘尼「あゆは母性本能が強いのでしょうね」
八百比丘尼「わらわも負けてはおられませぬ」
なでりなでり
神奈「んふぅ? は、ははうえ?」
八百比丘尼「気持ちいいですか、神奈」
なでりなでり
神奈「ん……くふぅ……」
あゆ「……神奈ちゃん、なんだか艶っぽいよ」
神奈「な、ななな、何を申すか!」
まいか「あはは、おねえちゃんおもしろーい」
あゆ「そうだねまいかちゃん。このお姉ちゃん面白いよね」
まいか「うんっ」
神奈「うう、なにやら余が遊びの対象となってしまっておらぬか?」
神奈「ええい、次、次は母上の四行であるぞ!」
八百比丘尼「神奈……」
なでりなでり
神奈「んふぅ……って、母上っ!」
八百比丘尼「そう怒らずともよいではありませぬか……」
まいか「……?」
あゆ「あ、あははは」

★八百比丘尼
「先にもあゆが申していましたが」
「幼き子、小さき子は可愛いものです」
「神奈にも同じように……」
「……もちろん、神奈は今も可愛いですよ」

なでりなでり
神奈「んふぅ……だからやめるのだ母上っ!」
八百比丘尼「つい癖になってしまったのです」
神奈「しかも、まいか殿の事から余の事になってしまっていたではないか」
あゆ「まぁ、それだけ神奈ちゃんの事が可愛いんだろうね」
あゆ「まいかちゃんも、お母さんにはとっても可愛がられてるよね?」
まいか「うんっ。お姉ちゃんもお母さんもだいすき」
あゆ「うんうん、可愛いよね」
神奈「おほん。それでは次はまいか殿であるぞ」
まいか「ん?」
神奈「先に余達が四行をやったであろう。それに習ってまいか殿も行うのだ」
まいか「んっ」
あゆ「うわぁ、頷いてるよ。可愛い〜」
八百比丘尼「……神奈も頷くのですよ。ほら」
ぐきり
八百比丘尼「あ……」
神奈「母上! もう少し大人しくしててもらえぬか!?」
八百比丘尼「……神奈、母は気付きました」
八百比丘尼「怒った神奈も可愛いのですね」
神奈「……うう、まいか殿、はよう。母上が変だ〜」
まいか「んっ」
あゆ「あ、あははは……」

★まいか
「えっと、えっと……」
「まいかは、まいかは、えっと……」
「…………」
「ん!」

あゆ「か、可愛い、ね」
神奈「さすがに四行になっておらぬような気がするがの」
八百比丘尼「よほど緊張しておるのですね。しかし、よく頑張りましたね」
なでりなでり
まいか「え、えへへへへ……」
あゆ「ああっ、神奈ちゃん神奈ちゃん、お母さんとられちゃってるよ? いいの?」
神奈「……あゆ殿も今回はどうも変であるの」
神奈「ええい、此度の客人を招くぞ! さあ参れ!」
留美「なんか非常に大変な時に呼ばれた気がするわね……」
神奈「よく繭殿に髪をひっぱられておる留美殿だ」
留美「嫌なこと思い出させないでよ。まさか、このまいかって子はそんな事しないわよね?」
まいか「ん?」
留美「だからぁ、あなたはあたしの髪の毛引っ張ったりしないわよね? ってこと」
まいか「……お姉ちゃんの髪、引っ張ればいいの?」
留美「へ? 違……」
くいっ
留美「んぎゃーっ!!」
あゆ「うーん、さすがに引っ張ってる姿は可愛いけど、いつまでも見てると大変だね」
留美「んなもんまで可愛いとか言うなっ!」
八百比丘尼「いけませんよ、人の髪は遊び道具ではないのです」
八百比丘尼「遊ぶなら、もっと別の事をして遊びなさい」
まいか「ん……」
ぱっ
留美「ふう、ふう……なんでわざわざこんな目に……」
神奈「留美殿、はよう語るがよいぞ」
留美「そうさせてもらうわ」

★留美
「無邪気な子供……」
「そう、髪を引っ張るなんてことをしてくれなければまだよかったのに」
「でも、憎むに憎めないのよね。無邪気だからこそなんでしょうけど……」
「これくらい、笑って許せるような子ばかりだったらいいのにねぇ……」

あゆ「心が広ければ誰だって笑って許せるよ」
留美「よく怒ってるあゆにはあまり言われたくないわね」
あゆ「うぐぅ……」
神奈「しかし、たしかにまいか殿には怒るという気は起こらぬな」
まいか「んう?」
八百比丘尼「それが、幼子の不思議な魅力ということなのですよ」
八百比丘尼「もちろん、神奈も不思議な魅力を……」
神奈「さ、さて! 此度はこれにておしまいとするぞ!」
まいか「ぞ!」
あゆ「あれっ、もう終わりなの?」
まいか「なの?」
留美「っていうかゲストあたしだけじゃないの。いいの?」
まいか「いいの?」
あゆ「あはは、語尾繰り返してる。可愛いな〜」
神奈「元より一人のつもりであった。和んでおるのでもう終わりであるぞ」
留美「理由がよくわかんないけど」
八百比丘尼「神奈。最後に頭を撫で……」
神奈「ではおしまいとする!」

<なでなで>


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