懲りずに第二百六弾です。
★みさき&美汐&観鈴
観鈴「今回も始まりだよ〜、にはは」
★神奈
美汐「神奈さんは反抗期のようですね」
<ぶつぶつ…ぴとっ>
最近は多分、先に書くべき読むべきものが、
書いたり読んだりできてない傾向が強いです。
困ったものですね、まったく…。
気力は本当に大事です。
ところで、小説とかって、悪くないもの、で満足ではよくないのですかねぇ。
いやまぁ、夏に買った同人誌とかは、お勧め良作ではないけど悪くないもの、
であるからいいかなぁ、と。
『4行小説』
「みさみさみさき」
「みしみしみしお」
「みすみすみすず」
「三人合わせて…さしすせ相談室!」
美汐「どんな質問も悩みもお聞きします」
みさき「みんな、遠慮なく訪ねてきてね」
観鈴「さてさて、今日の相談者は…」
神奈「おほん。余であるぞ」
観鈴「いらっしゃい神奈ちん」
神奈「うむ。では早速余の悩みを聞くがよい」
美汐「…悩み相談に来ておきながら随分と偉そうですね」
みさき「さすが神奈ちゃんだね。これなら、相談の後に何かご馳走をしてくれるに違いないよ」
神奈「なんだと? ここはそういうところなのか!?」
観鈴「違う違う。みさきちゃん、ご馳走から離れないと」
みさき「うー、残念だよ」
美汐「川名さんは落ち着きが足りません」
みさき「うーん、そうかな」
美汐「物腰は穏やかに、それが淑女のたしなみです」
観鈴「物腰?」
神奈「斯様な事で話をそらしておらずに、余の悩みを聞くがよい」
観鈴「あ、そだね。神奈ちん、今日はどんな悩みでやってきたのかな」
神奈「うむ」
みさき「随分とえらそうだね、神奈ちゃんは。さすが食通だよ」
美汐「関係あるのでしょうか…。そもそも、悩みを聞きに来る態度ではないと見受けられますが」
神奈「同じことを繰り返すでない! 話が進まぬではないか!」
美汐「しょうがありませんね。では悩みをどうぞ」
みさき「こうなったら聞くしかないよね」
神奈「おぬし等、本当に悩み相談をやっておるのか?」
観鈴「にはは…えっと、それじゃあどうぞ」
神奈「うむ…」
「相談というのは、余の母上なのだ」
「つい先日、めでたく逢えた。これは至高の喜びぞ! と思うておったのだが…」
「あれ以来つきっきりでの、片時もそばを離れぬのだ」
「余としても嬉しいのだが、その…」
観鈴「反抗期? 要するにわがままってことだね」
神奈「なんだと!?」
観鈴「だって、神奈ちんあれだけお母さんに逢いたがってたじゃない」
観鈴「それなのに、毎日べったりだと嫌だなんてわがままだよ」
神奈「う、ぬ、いや、余は嫌なのではなくてその…」
みさき「やっぱり反抗期なんだね」
みさき「お母さんと一緒に居られたはいいけど、それで安心しきっちゃってるんだよ」
みさき「だから、素直に言う事を聞けなくなってるんだね」
神奈「…そうなのか?」
美汐「そんなわがままな子にはでこぴんでお仕置きをしないといけませんね」
神奈「ななな、なんだと!?」
観鈴「違う違う、ぽかっって殴らないと」
神奈「み、観鈴ちんまで斯様な事を申すのか!」
みさき「お仕置きはよくないんじゃないかな。反対に褒めて撫でてあげようよ、いい子いい子って」
美汐「なるほど、おだてて持ち上げる事によって素直に言う事を聞く飾り物になるという寸法ですね」
神奈「…余は帰るぞ」
観鈴「わ、わ、待って。えーとね、ちゃんと回答するから」
神奈「ふざけて回答するくらいなら相談請負などするでない!」
美汐「悩みは人それぞれ。回答を得られずとも、聞けば納得する方もいるというもの」
みさき「神奈ちゃんの場合はちゃんとした回答がほしいってことだよね。うん、今からばっちり考えるよ」
神奈「…むう、そうだったのか? 話が摩り替わっておる気がするのだが」
観鈴「話を戻すと、神奈ちんはお母さんにどうしてほしいのかな?」
神奈「うーむ…その、だな、べったりというのを少しはやめてもらいたいのだ」
美汐「子は鎹と申します。それゆえ、神奈さんにべったりなのです」
みさき「かすがい?」
美汐「…いえ、これは間違った使い方ですのでそのまま覚えてはいけませんよ」
みさき「美汐ちゃん、フェイクをかけるなんてさすがだよ」
美汐「いえ、それほどでもありません」
神奈「結局何が言いたいのだ?」
美汐「要するには、神奈さんの母上様がぴっとりべったりなのは、それ相応の理由があるという事です」
美汐「長年離れ離れにいたならば、一度手放してまた離れ離れに…」
美汐「それが恐怖の元となっているのです」
みさき「神奈ちゃんだって、最初に再会した時、お母さん以上にべったりだったんじゃないかな?」
神奈「言われみればそうかもしれぬの…。しばらく母上は“あらあら、しょうがありませんね神奈は”と申しておった」
観鈴「それだよ。つまり、神奈ちゃんのお母さんを求めてる心に、お母さんは応えてるんじゃないかな」
美汐「そして更に、それは神奈さんの蒔いた種という事になります。ここは素直に愛情を受けましょう」
みさき「いいじゃない。べたべたできるのは今のうちだよ。大人になったらそうも言ってられないんだから」
観鈴「そうそう。ましてや神奈ちん、この場では数少ないお母さんと一緒にいられる立場なんだから」
観鈴「観鈴ちんもそうだけど、にはは」
神奈「ふうむ…」
美汐「結論を述べますと、次のようになります」
みさき・美汐・観鈴「「「母親以上に甘えてみましょう」」」
神奈「そうか…それも、そうよの。甘えられるだけ甘えてみるというのも悪くはないな」
神奈「しかしだな、余は今は…」
美汐「今回はこれにてお開きです」
観鈴「うん、ばっちりだね」
みさき「それじゃあ何か食べに行こうよ。ひと仕事終えたあとの食事は美味しいよ」
美汐「これは仕事なのでしょうか」
観鈴「にはは、いいんじゃないかな。美味しいもの美味しいもの〜」
神奈「こ、こら、おぬしら余の話を最後まで…! …行ってしまったの」
神奈「だがまぁ…観鈴ちん達の申す事ももっともよの」
神奈「しかし…あの母上のべったりぶりは、まるで一時の裏葉のようで…」
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