懲りずに第二百五弾です。
★秋子
白穂「そして私が補佐役なのでございます」
★白穂
秋子「ありがとうございます、うれしいわ」
★高槻
高槻「がふっ」
★氷上
氷上「ううっ……」
★北川
北川「くはぁ」
<実はあともう一人……>
ちとイレギュラー的なことをしつつ順番交代(謎)
さて、京アニ版Kanonの放映が始まったってことで……
いやはや、相変わらず凄まじいクオリティであるなあと思うわけです。
AIRと違って脚本の組み立てをどうするのかが今後楽しみですが……
とりあえずは、ところどころに出る細かい力の入れようがより楽しみなのです。
『4行小説』
「公のTVアニメでジャムが揺らめく効力を発揮しましたね」
「というわけで、今回の司会をいただきました」
「テーマはジャムといたします」
「皆さん、遠慮せずにジャムを召し上がってくださいね」
秋子「よろしくお願いしますね、白穂さん」
白穂「ええ、こちらこそ。しかし……何故私を?」
秋子「白穂さんは私のジャムを大層お気に入りでしたから」
白穂「そうでございましたね。初めて食した時のあの幸せは……まるで夢のようでした……」
白穂「残念ながら、それがいつだっかはもう忘れてしまいましたが」
秋子「ええと、今から195ほど前になりますよ」
白穂「百九十五ほど前とはどういうことにございますか?」
秋子「うふふ、それはそれとして四行をなさってください」
白穂「あ、はい、かしこまりましてございます」
「秋子さまのじゃむは……」
「もう、言葉に表すこともできませぬ」
「それほどに深く、広がりのある……」
「そう、別世界を味わわせてくださるのでございます」
白穂「いえいえ、当然の感想にございますゆえ」
秋子「それではいい雰囲気のままゲストさんの登場に参りましょう」
白穂「ええ、是非に」
高槻「……俺かよ」
秋子「こんにちは、高槻さん」
白穂「ようこそ、おいでくださいました。ささ、秋子さま特製のじゃむを召し上がってくださりませ」
高槻「あのなぁ、あんたら楽しいか?」
秋子「はい?」
白穂「何がにござりますか?」
高槻「わざわざ手作りジャムを食わせるために集合させてんだぞ? 何が楽しいんだよ」
秋子「自分の手作りを人に味わっていただくのは大切なことですよ」
白穂「そうにございまする。一口食べて見れば、きっとその認識も変わりまする」
秋子「さあ、一口食べてその感想として四行をお願いしますね」
高槻「やれやれ、まぁひどいめに遭わされてないだけいいか……」
ぱく
「…………」
「……な、これは……」
「独……創……?」
「ぐ……こ、これは……うがあああ!」
ぱたり
秋子「あらあら、高槻さんが……」
白穂「美味しさのあまり失神してしまうなんて、幸せな方ですね」
秋子「白穂さんもいかがですか? 一口」
白穂「私も失神してしまうと困るのでは……」
秋子「でも、開始してからまだ一口も食べておりませんし」
白穂「それでは、最後のお楽しみにとらせていただきまする」
秋子「なるほど、それもいいですね。では次のゲストさんをお招きしましょう」
白穂「ええ、そうでございますね」
氷上「ぼ、僕なのですか……」
秋子「いらっしゃい。氷上シュンさん」
白穂「かように緊張なさらなくてよろしゅうございますよ」
白穂「一口食べれば、そこに広がるのは幸せ……」
氷上「そこの高槻さんは、美味しくて失神してるというレベルでは無い気がするんですが……」
秋子「食べてみればわかりますよ。ささ、どうぞ」
白穂「遠慮なさらずに」
氷上「……とほほ、久しぶりに呼ばれたと思ったらなぜこんなことに」
ぱく
「な、なるほど、これは……」
「以前折原君が感想をもらしていましたが……」
「二度と味わえることを望まなくなる味だと……」
「しかし、ですが……」
ぱたり
秋子「あらあら、氷上さんまで」
白穂「皆様、本当に幸せなのでございますね……」
白穂「失神できるほどの感受性をお持ちというのは、実に趣き深くございます」
秋子「うーん、ちょっと張り切ってつくり過ぎちゃったかしら」
白穂「まぁまぁ秋子さまったら」
秋子「うふふふ。それでは、次のゲストさんどうぞ」
北川「相沢のやろー! 何がビッグチャンスだー!!」
秋子「こんにちは、潤さん。いつも食物でお世話になってるわね」
北川「あ、いえ、食物でお世話になってるのはむしろこっちっていうか……」
白穂「何の話でございますか?」
秋子「企業秘密です」
白穂「はあ」
北川「で、えーと、そのジャムを食べればいいんですね」
秋子「ええ、さあどうぞ」
北川「くそっ、俺はただの名字表記チームじゃないってことを証明してやる……!」
ぱくっ
「……ああ、なるほどな、こりゃ相沢の世界も歪むな」
「いいんだ、俺は。たとえ荷物持ちでも……」
「美坂のことを香里って名前で呼んでるのがポイントなんだ……」
「いい夢……見られそうだぜ……」
ぱたり
秋子「あらあらあら、潤さんまで……」
白穂「何故に皆様こうも素直なのでございましょう……」
秋子「それでは、もうお開きにしましょうか」
白穂「どうしたのでございますか?」
秋子「ジャムの魅力を、あまり語ってくれないようなので……」
白穂「なるほど。では、いよいよお楽しみの時間にございますね?」
秋子「ええ、さあどうぞ白穂さん」
白穂「それでは遠慮なくいただきまする」
ぱくっ
白穂「……ああ、幸せ……」
秋子「美味しいですか?」
白穂「ええ。……あ、今気付きました」
秋子「はい?」
白穂「失神してしまうと、一口で終わってしまいまする。これは勿体無うございますね」
秋子「ええ、そうなんですよね」
白穂「では、私は遠慮なく何口でもいただくといたしましょう」
ぱく
白穂「ああ……」
ぱく
白穂「本当に……」
ぱく
白穂「幸せにございまする……」
秋子「うーん……」
白穂「どうしたのでございますか?」
秋子「白穂さんだけなんですよ、これだけ連続で食べてくださるのは」
白穂「まぁまぁ、そうなのですか?」
秋子「どうしてなんでしょうね?」
白穂「私にはわかりかねますが……」
秋子「いずれ謎を解明してみますか。それでは、ここでおしまいにいたします」
白穂「あ、はい。お疲れ様にございました」
秋子「いえいえ」
戻る