懲りずに第百九十四弾です。
★神奈
白穂「お招きにあずかり、光栄に存じまする」
★あゆ
白穂「…と、申されますのはどういう事でございましょう?」
★白穂
神奈「引き継がれる想い?」
★瑞佳
白穂「落ち着きが無い?」
★由依
白穂「どういう事でございましょう?」
<変容、もあるのでございますよ>
ここの部分に書くのって、最近の出来事、
とかってあまり書かない方がいいのかな、と思う反面、
ああこれ書いた当時はこういう事があったんだと思い出せるからいいかな、
とか思ってます。だから、しばらくはどっちもどっちで書くことでしょう。
日記と内容かぶってると無駄っぽいけど。
『4行小説』
「人物語り。今回は順番が後回しになってしまっておった、白穂殿だ」
「佳乃殿に連れてこられ…たというに、随分と積極的だそうであるぞ」
「余もその辺りは見習うべきかもしれぬの」
「そして、余が最も興味深いのは、一児の母であるという事だ」
神奈「そうかしこまらなくてよい。気を緩めるがよいぞ」
あゆ「そうだよ。単純に忘れられてただけだしね」
白穂「そ、そうなのでございますか?」
神奈「あゆ殿! 斯様な事は申さずともよい!」
あゆ「だって事実でしょ?」
神奈「…随分と口答えの気満々であるが、何か思うところがあるのかの?」
あゆ「あるよ。だって多分留美ちゃんが最後でしょ?」
あゆ「それより前に、どれだけ未接触の人を語ろうとするのかどきどきだもん」
神奈「何を言う。白穂殿の次、一人を挟んで次は留美殿になるのだぞ」
あゆ「やっぱり一人いるんじゃない…」
あゆ「で? その人はちゃんと知ってる人なの?」
神奈「余はおうたことが無い」
あゆ「ほらぁ! その会った事が無い人について語るのはどうなの? って言いたいんだよっ」
神奈「そうは申しても、この予定表とやらに名前が書かれておるのだ」
ぴらっ
あゆ「どれどれ…あっ、本当だ。…誰? これ」
神奈「だから余は知らぬというに」
あゆ「はあ…。これ作ったの、たしか裏葉さんだよね? まったく、語る方の身にもなってほしいよ…」
神奈「う、うむ…」
白穂「あのう…」
神奈「おっと、すまぬ白穂殿! まったく、あゆ殿が余計な口をはさむからであるぞ」
あゆ「ボクのせいなの?」
神奈「そうだ。よって、場をとりなすために四行をするがよい」
あゆ「あ、ああ、うん。分かったよ」
「白穂さんについて…でも、ほとんど会ったことないんだよね」
「そうそう、神奈ちゃんも言ってたことではあるんだけど…」
「お母さん、なんだよね」
「今、この場でどういう気持ちなのかな?」
あゆ「あ、ああ、えっとね、今って子供が傍にいないよね?」
白穂「………」
あゆ「あ…その、そういう意味じゃなくて…」
白穂「あゆ様」
あゆ「は、はいっ」
白穂「私には、一つの思惑があるのでございます」
あゆ「思惑?」
白穂「今は申すことはできませんが…いずれ…」
白穂「それまで、先ほどのご質問は待っていただけませんか?」
あゆ「う、うん…」
神奈「…余にはなんとなく分かったぞ」
白穂「神奈さま、何が分かったのでございますか?」
神奈「その喋り方だと裏葉みたいであるの…」
神奈「まぁそれはよいとして…特に今話さなければならぬ内容でもあるまい?」
白穂「はぁ、まぁ」
神奈「ならば時がくるのを待つのだ」
白穂「そうにございますね。…きっと、神奈さまもお待ちになられているのでございますね」
神奈「うむ」
あゆ「あのぅ、さっきから何の話してるの?」
神奈「あゆ殿、そのうち分かる。では白穂殿であるな、次は」
白穂「そうにござりました。では早速…」
「元来、私は大人しい…」
「あまり積極的ではない性格にございました」
「ですが、こうしてここに呼ばれたのも何かの縁。そしてそれは…」
「先の記憶から引き継がれる、想い…なのでありまする」
白穂「ええ」
あゆ「さっき言ってた、待ってる事柄と関係がある?」
白穂「ええ」
あゆ「へええ…」
神奈「となれば、深い詮索は無用。早速客人の登場であるぞ!」
瑞佳「登場まで随分と時間がかかった気がするけど…」
神奈「最近、観鈴ちんに成り代わって進行役を務める、長森瑞佳殿であるぞ」
白穂「ごきげんよう」
瑞佳「ご、ごきげんよう…って、この人こんな挨拶してたっけ?」
あゆ「うぐぅ、今初めて聞いたよ」
白穂「別場の挨拶を真似た、いわば戯れにございまする」
神奈「こほん。戸惑いもそこそこにして、さあ次をするがよい」
瑞佳「強引だね、相変わらず」
「ぱっと見、物凄く大人しそうな印象を受けるんだけど…」
「多分、うちには凄いものを抱えてるんでしょうね」
「それは気持ちであったり、あと行動理念であったり…」
「だからかなぁ。なんかこう、見てて落ち着かないんだよ」
瑞佳「いやいや、落ち着かない、だってば」
白穂「私はそんなに慌ててるように見えるのでございましょうか…」
あゆ「うぐぅ、ありえるかもね」
神奈「ふうむ。余から見れば、そう申すほどの事でもないと思うがの」
瑞佳「もう、ちゃんと聞いてよ。わたしが言ったのは、見てるこっちが落ち着かない、ってことだよ」
白穂「ですから、それは私に落ち着きがないからでは?」
瑞佳「そうじゃなくてね。…うーん、じゃあ見ていてはらはらするっていうのは?」
白穂「それはすなわち、不安、にございますか?」
瑞佳「そうそう、そんな感じ」
あゆ「瑞佳ちゃんが不安に思ってもしょうがないんじゃないの?」
瑞佳「そうだけどね。…いやもういいよ、さっさと次の人呼んでよ」
瑞佳「わたしはもういいもん」
白穂「ああ、瑞佳さま拗ねないでござりませ」
神奈「あいわかった。では次の客人の登場であるぞ!」
由依「あたしですねぇ。わっかりました、ちゃきちゃきっと語っちゃいますよぉ!」
神奈「と、元気な名倉由依殿だ」
由依「では早速!」
白穂「本当に元気にございますね」
あゆ「どうしてなんだろ?」
瑞佳「勢いってやつじゃないかな…」
「白穂さんは、たしか佳乃さんと深い関わりがあるって聞きました」
「諸事情があるってことですね。そしてそれは…」
「ある一つの共通項を浮かび上がらせるという事に至るんです」
「ずばり! 積極的に人の繋がりを得る!」
由依「えっとね、佳乃さんの場合は色んな世界から人を…」
由依「白穂さんの場合は、亡くなった旦那さんや息子さんと会いたいという事じゃないんですか?」
白穂「! よくぞお気づきに…しかし何故?」
由依「多分、それはあたしがお姉ちゃんに会いたかった事と同じなんですよ」
白穂「なるほど…」
瑞佳「そっか。由依さんのお姉さんって…」
由依「そう、そういう事です」
あゆ「でも、人との繋がりを得る、って何か違わないかなぁ?」
神奈「そうであるな。佳乃殿と違って、元よりあった縁であるからの」
あゆ「しかも白穂さんの場合、家族でしょ?」
由依「繋がりの修復、という点では同じなんですよぉ」
瑞佳「言いえて妙ってやつになるのかな」
あゆ「ふーん…」
白穂「と、これにて分かった内容にございますね。もう隠しても仕方ありますまい」
神奈「隠す内容でもないぞ白穂殿。それに…その願いが通じるとよいな」
白穂「はい…ありがとうございます」
由依「随分神奈さんしんみりとしてますねぇ。何かあるんですか?」
あゆ「うん、一応ね」
神奈「それはこの場での余の願いでもあるのだ」
瑞佳「人それぞれ…知ってる人と知らない人とかなり分かれそうだけど」
白穂「なるほど」
あゆ「それにしても、それだからこそ白穂さんは積極的なんだ?」
白穂「うふふふ、そうかもしれませぬ」
瑞佳「ふーん…?」
由依「もしかしたら何か思惑があったりするんでしょうかねぇ」
神奈「と、ここでこの場はおしまいとする!」
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