懲りずに第百八十八弾です。
★神奈
あゆ「なんか論点ずれてるけど、うん、抵抗はしない方がいいよね」
★あゆ
葉子「…宣戦布告ですか」
★葉子
郁未「私…?」
★郁未
葉子「郁未さん…」
★栞
葉子「…やはり喧嘩を売っているのですか」
★瑞佳
葉子「学食ですか」
<いけませんか>
188…数からみれば凄く思うかもしれませんが、
増えるスピードはとにかくゆっくりなので、個人的にはあんまり凄いとも…。
それに、こういう話は数くらいは書けるものなので、大切なのはいかに読みたくなるか…。
まぁ、私自身は忘れた頃に読むのが楽しいので別に構わないんですがね(自分本位だぁ)
『4行小説』
「人物語り。今回は鹿沼葉子殿であるぞ」
「無口ながらに、不思議な力で圧倒しておるのだ」
「だが力なら余も負けぬぞ。…いや、負けそうであるな、だから抵抗はせぬようにしよう」
「なにせ不可視の力というものであるからな、きっと余の目にも見えぬものであろう」
神奈「うむうむ、そうであるな」
葉子「いきなり危険人物扱いですか」
あゆ「うぐぅ、そんなことはないよ」
神奈「そうであるぞ。此度は余も逆らわずにおとなしくしようと思うただけのこと」
神奈「気にするでない」
葉子「…貴女の発言は矛盾が含まれていませんか」
神奈「斯様な事を申す者は嫌いであるぞ」
葉子「………」
あゆ「うぐぅ、やっぱり神奈ちゃん発言がおかしいよ」
あゆ「っていうか人の真似を勝手にしちゃだめだよ」
神奈「あゆ殿こそ物言いがおかしいぞ。何故真似を勝手にしてはいかんのだ」
あゆ「うぐぅ…」
葉子「…もういいです。さっさと次に移りましょう」
葉子「時間の無駄です」
あゆ「…ほら、怒られちゃったじゃない」
神奈「余のせいだと申すか? だいたい、客人に何故怒られねばならんのだ」
あゆ「そりゃあ、招かれて勝手にひどいこと言われたりほったらかしにされたら…」
葉子「…いいかげん移りませんか」
葉子「それとも何か私がするべきなのですか」
あゆ「うぐぅ!? え、えーと、そうだ、次はボクの語りだね、ね?」
神奈「そ、そうであるな。ではあゆ殿!」
「普段物静かな分…怒ると恐いよね」
「…もっとも、怒っても叫ぶとかじゃなくって、静かに怒るんだけど」
「だからかな、より一層怒りの伝わり方が恐く思えるんだよ」
「ところで、今はそんなに怒ってないよね?」
あゆ「うぐぅ!? ち、違うよっ」
葉子「いいですよ、受けて立ってさしあげましょう」
ばしゅううううう
あゆ「わーっ! 誤解、誤解だよ葉子さん!」
神奈「お、落ち着くのだ葉子殿!」
葉子「…二人して誤変換ですか。私は郁未さんではありませんが?」
ばしゅばしゅばしゅううう
あゆ「ななななっ、なんかとんでもない威圧感がいくつもできてるよ!?」
神奈「こ、これはまずいぞ。に、逃げなければ!」
葉子「逃げられるとお思いですか」
ばしゅばしゅばしゅううう
あゆ「か、囲まれた!?」
神奈「ぬわああああっ、や、やめるのだ葉子殿!」
葉子「覚悟してください」
郁未「まぁまぁ葉子さん、落ち着いてよ」
シュウウウ…
葉子「郁未さん…」
あゆ「あ、な、なんかが消えたよ…」
神奈「た、助かったのかの?」
郁未「ありがとう葉子さん。落ち着いてくれて」
葉子「私は落ち着いてはいませんが」
郁未「でも力を抑えてくれたじゃない」
葉子「それはそうですが…」
あゆ「た、助かった…」
神奈「うむ、郁未殿を呼んでおいて正解であったな」
郁未「っていうかあんた達葉子さんに何喧嘩ふっかけてんのよ」
あゆ「うぐぅ、喧嘩なんて売ってないよぅ」
神奈「余達はただ四行を…」
郁未「そこらへんの考慮のない発言が今回のことを招いたんじゃないの? もうちょっと考えなさいよ」
あゆ「うぐぅ…」
神奈「うーむ…」
葉子「はぁ…もういいです」
葉子「次は私の四行ですね」
郁未「あ、そうなんだ。じゃあ葉子さん、張り切ってどうぞ」
葉子「はい」
あゆ「…神奈ちゃん、司会とられちゃったよ」
神奈「む、むむ、何がまずかったのであろうか…」
「自分で言うのもなんですが、結構しっかり者だと思います」
「周囲に流されないように…ですが…」
「時に、状況というものは残酷です。抗いようが無い時があるのです」
「そして…郁未さんの存在が私に大きな影響を与えています」
葉子「はい」
郁未「えへへ、それはなんか照れちゃうな」
葉子「郁未さんは…私に新しい世界を見せてくれました」
葉子「酸いも甘いも老いも若きも…いえ、普通の世界を、日常を」
郁未「葉子さん…」
神奈「ま、待つのだ」
郁未「何よ、いい気分に浸ってるのに」
あゆ「うぐぅ、葉子さんについての語りなのに郁未さんについてになってない?」
郁未「そんなことないでしょ。要は、葉子さんは私の影響を受けて変わった、という事なんだから」
葉子「その通りです」
あゆ「うぐぅ…」
神奈「こ、これはそのまま次へいった方がよさそうであるの。おほん、では郁未殿」
郁未「何よ。なんであんたが仕切ってるの? 司会失脚したでしょ?」
神奈「し、失脚?」
郁未「冗談よ」
神奈「う、うぬぬぬ…」
「すっごいもの静かで…けど、葉子さんなりのこだわりがあって…」
「そう、なんだかんだ言っても葉子さんというアイデンティティを持った…」
「私にとっても大切な友人ね、葉子さんは」
「いつまでもずっとよしなに、葉子さん」
郁未「さ、私からはこれだけ。次の人呼んでよ」
あゆ「なんか、すっかり二人のペースになっちゃってるね」
神奈「進行役としてはもっとしっかりせねばなるまいな…」
神奈「ええい、とにかく次の客人よ参るがよい!」
栞「こ、こんにちは」
神奈「美坂栞殿だ」
あゆ「どうしたの? 緊張してるみたいだけど…」
栞「先ほどのやりとりを聞いていると、下手な事は言えないなと思いまして、はい…」
郁未「そんなに萎縮させちゃった?」
葉子「…帰ります」
郁未「ちょ、ちょちょ、ちょっと葉子さん!」
あゆ「うぐぅ、主役が帰っちゃだめだよ」
神奈「あと客人は一名ほどゆえ、それまで待つのだ」
葉子「ですが…」
栞「ごめんなさい。私が余計なことを言ってしまったでしょうか…」
栞「とりあえず四行やりますね。そうすれば気分も変わると思います」
郁未「…萎縮してないっぽいわね」
葉子「そうですか」
あゆ「積極的に頑張ってるとかって言ってよ」
「葉子さんは…」
「遠慮の固まりながら積極的であると聞きました」
「問答無用で傍若無人を貫くと…」
「そういう図々しさというのは、お姉ちゃんと合わせて見習うべきところかもしれません」
栞「いえ、そんなことは…」
あゆ「栞ちゃん、明らかに喧嘩売ってるよ…」
栞「こう言った方が盛り上がると神奈さんが…」
神奈「な!? 余は関係ないぞ!」
栞「冗談です」
栞「私が強調したいのは積極的な、というところだけです」
郁未「…葉子さん、積極的?」
葉子「私はそうは思いませんが」
郁未「どちらかというと、積極的に出てる杭を打つ感じよね」
葉子「どういう意味でしょうか」
郁未「えっとねぇ、積極性に対して積極性で封じる、というような」
葉子「だから、私は積極的ではありません」
栞「言動を聞く限りそうは思えないんですがねえ…」
あゆ「ねえ神奈ちゃん、ぐだぐだだから次行こ、次」
神奈「あゆ殿、その発言はかなり投げやりであるぞ」
神奈「まぁよい。では最後の客人であるぞ!」
瑞佳「わたし?」
神奈「何を疑問形で登場しておるか。長森瑞佳殿であるぞ」
葉子「よろしくお願いします」
瑞佳「あ、は、はいっ。…たしか、里村さんのお友達の…」
郁未「そういう繋がりが先なわけ? 私のつながりを先に出してほしいなぁ」
あゆ「途中の四行で強調したのはそういう理由からなんだね…」
郁未「そりゃそうよ。恐怖しりとりをした仲だしね」
栞「恐怖しりとり…って、何ですか?」
郁未「じゃあ実際にやってみてあげるわ。はい葉子さん」
葉子「…密室殺人」
葉子「あ、負けてしまいました」
郁未「ちょっと葉子さん、いきなり終わっちゃだめじゃないの」
葉子「すみません」
郁未「と、こんな感じよ」
栞「…激しくわかりません」
神奈「あー、もうよいもうよい。瑞佳殿、四行をはやくせよ」
瑞佳「なんか変な時に呼ばれちゃったな…」
「大した話じゃないかもしれないけど…」
「葉子さんによく似た人を学食で見たんだよ」
「本当に気のせいかもしれないけど…」
「でもね、あの見事なブロンドの髪は見間違えようがないと思うよ、うん」
瑞佳「うん、そうだよ。心当たりない?」
葉子「記憶にありません」
郁未「っていうかそもそも、葉子さんが瑞佳の学校の食堂へ…行く用事あるの?」
瑞佳「無いと思う、けど…郁未さんも居たよ」
郁未「うそ?」
瑞佳「うそじゃないよ。間違いなくあれは郁未さんだよ」
郁未「へええ…」
栞「ひょっとしてドッペルゲンガーでしょうか」
あゆ「え、それって…」
神奈「まさか、あの…」
瑞佳「あ、それだけじゃなくってね、晴香さんや由依さんもいたよ」
葉子「…やはり見間違いではないでしょうか」
葉子「どこかよく似た人か…」
郁未「ついでに言うとドッペル、なんてのはありえないわね」
郁未「っていうよりありえてたまるもんですか。私は断固拒否するわ」
栞「拒否してどうこうなる問題では無いのではないでしょうか」
あゆ「うぐぅ、雲行きあやしくなってきたよぅ」
神奈「こうなったらここで終わりとする!」
葉子「神奈さん。無理矢理切るのですか」
神奈「ええい、誰が何を何と言おうと終わり、終わりであるぞ!」
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