『AIR偽小説第百七十三弾』

懲りずに第百七十三弾です。
ちょっと遅れてですが…振り返り感想(?)などを。
TVアニメ版AIR Summer特別編。
やっぱり思うのは…綺麗に作ってるアニメだよなぁ、と。
絵もさることながら、音楽の使いどころも上手いです。


『4行小説』

★裏葉
「こたびは、てれびあにめAIR summer特別編にございます」
「特別編という事に従いまして…進行役は裏葉にてお送りしたします」
「神奈さまや柳也さまを差し置いてこの私が…恐れ多きことにございます」
「お題はもちろん、おいたわしい神奈さまについて…」

柳也「こらこらこら」
裏葉「はい? どうなさいましたか?」
柳也「白々しいぞ。お題として不自然だろ。さまぁ特別編について、だろ?」
裏葉「あらあらまあまあ、特別編であるならばお題も特別になさいませんと…」
柳也「あのな…」
神奈「進行役になっても裏葉は相変わらずよの」
柳也「お前はなんでそんなに落ち着いている」
神奈「ふっ、柳也殿。いつもあわてていてはいつまでも成長が無いぞ?」
柳也「諦めともとれるが…」
裏葉「御覧なさいませ柳也さま。神奈さまはすっかり受け入れる気満々にございます」
裏葉「ならば、お題は三つ。愛らしい神奈さま、芳しい神奈さま、いじらしい神奈さま」
神奈「待てい裏葉! なんだその曲がったお題は!」
裏葉「曲がってなどおりませぬ。これは私の…」
神奈「ええい、余は斯様なお題など許さぬ、許さぬぞ!」
神奈「一つだけなら容赦しようとも思うておったが、三つも出されては黙っておれぬわ!」
裏葉「一つも三つも同じにございます」
神奈「同じではない!」
柳也「いきなり落ち着きがなくなったな…」
柳也「…まぁ、なんだ。そろそろ始めないか。お題は、特別編について」
裏葉「柳也さま! そのような…投げ放題でいいのでございますか!?」
柳也「ああいい。まずはやるべきことを果たせ。いつまでもふざけてる場合じゃないぞ」
裏葉「うう、あんまりにございます…」
裏葉「裏葉のやるべきことは神奈さまを愛でることにございますのに…」
裏葉「これでは私の立場がございませぬ」
神奈「そのやるべきことが曲がっておると申しておるのだ!」
柳也「早く始めてくれ…」

★裏葉
「うう、進行役なのに、お題も満足に決められないとは…なんと窮屈な…」
「しかも冒頭で四行をしておきながら、またここでもせよと申されるとは、あんまりにございます」
「かくなる上は…進行役権限を発動いたします」
「内容はあえて申しませぬ。覚悟なさりませ…」

★裏葉
「そうそう、特別編については…語っても語りきれない魅力が満載でございましたね」
「特筆すべきは…神奈さま、神奈さまにございます」
「怒ったり、笑ったり、のぼせ上がったり…」
「元気なお姿をいくつも眺められて裏葉は幸せにございました」

★裏葉
「お手玉におきましては、本来石にて行うもの…」
「その生きるか死ぬかの試練を乗り越え…見事神奈さまはお手玉を習得されました」
「時間をかければもっと…熟練の技を見せてくださることでございましょう」
「ああ、神奈さまご立派になられて…」

★裏葉
「柳也さまにおきましては、神奈様のお着替えに乱入してまいりましたのをよく覚えておりまする」
「石を投げて猿をおっぱらったのはお見事でございますが…」
「やはり神奈さまのお着替えに乱入というのは許される行為ではございません」
「けれども、柳也さまも気になられたのでしょうね。神奈さまのあられもないお姿を見ようと…」

★裏葉
「その神奈さまにございますが、月夜に柳也さまへ迫りあそばされた姿は…」
「まこと愛らしゅうございました」
「花も恥らう…神奈さまも恥らう…」
「それは真夏の夜の出来事…」

柳也・神奈「………」
裏葉「いかがなさりました」
柳也「なんだこれは」
裏葉「四行にございます」
柳也「連続で四つ…いや五つもやるのが進行役権限というやつなのか?」
裏葉「うふふふ」
神奈「まったく…余は言葉も出ぬぞ」
裏葉「そう言いながらもらしておられるではありませんか」
神奈「どう怒鳴ってよいやら、言葉も見つからぬという意味だ! ほんに裏葉は…」
裏葉「では、一つ一つ参りましょう」
柳也「は?」
裏葉「は、ではありません柳也さま。私が申し上げました四行について、一つ一つ談義を設けるのです」
柳也「げ、なんだそりゃ…」
神奈「のう裏葉、どれか一つにせぬのか」
裏葉「ダメにございまする。流れをつかむは進行役の特権」
柳也「やるしかなさそうだな…。えーっとまずは…神奈の元気な姿がどうたらってやつか」
神奈「余の話題か」
裏葉「ええ。まずは怒った顔から参りましょう」
柳也「まずは?」
神奈「三つの顔についてするつもりなのかの…」
裏葉「さあさあ神奈さま。まずは怒ってみてくださいませ」
神奈「怒るならしょっちゅうしておるではないか」
裏葉「演技、でございますよ」
裏葉「さ、神奈さま」
柳也「そういう事やってるからまた長くなるんじゃないのか」
神奈「まったくだ。はよう次の話題へ…」
裏葉「えいっ」
ぴしっ
神奈「いたっ! ぬぬぬ、何をするか!」
裏葉「今回多用しておりました、扇子にございます」
神奈「そんな事はわかっておる! いきなり余を叩くとは何事か!」
裏葉「…演技とは程遠うございますが、まあよろしいということにいたしましょう」
柳也「お前偉そうだな」
裏葉「それはもう、進行役にございますから」
神奈「…余もそれくらい偉く振舞っておるつもりなのだがの」
裏葉「と、ここで話を戻しまして…神奈さまの怒った顔はどうにございますか?」
神奈「どうと申されてもの…」
柳也「いつも見慣れているからな。怒っている割には迫力に欠ける」
裏葉「うふふ、まだまだ神奈さまは子供にございますから」
神奈「…おぬしらは余をからかうためにこのような話題を挙げたのか?」
裏葉「では次に神奈さま、笑ってくださいませ」
神奈「だからいきなり笑えと申されても…」
裏葉「えいっ」
こちょこちょこちょ
神奈「ぶはははは! や、やめい、やめんかー!」
裏葉「ほら、笑えましたでしょう?」
神奈「ええい、無理やり笑わせて何が笑った顔だ!」
柳也「ふうむ、いつものヌケた顔がより一層ヌケた顔に…」
裏葉「やはりそうでございましたか…。神奈さま、威厳のある顔をお忘れなきよう」
神奈「だから余でからかう…いや、遊ぶでない!」
裏葉「それでは三つ目。のぼせあがっていただきましょう」
柳也「既にのぼせあがってる気もするが」
神奈「そもそも、そうやってわざわざ顔を作る事に意味があるのか?」
裏葉「こたびはこの裏葉が進行役にございますから」
神奈「むう…」
柳也「と、ここで黙るのはいくつもの進行役を重ねてきた神奈だからこそだろうな」
神奈「そうなのだ。ここで余が大反発をしてしまえば…きっと余が進行役の時も…」
裏葉「さて、その神奈さまののぼせ上がった顔。多分威圧感が足りないのでございます」
神奈「威圧感?」
柳也「そういう難しい話をするために出す話題じゃないだろ…」
裏葉「左様にございました。では、一旦話を進めまして…」
裏葉「神奈さまのお手玉について語るといたしましょう」
柳也「お手玉か。やっとまともな話題になったな」
神奈「うむうむ。…と、まだ裏葉のお題が続くのか?」
裏葉「お題ではありませぬ。四行の話題でありますゆえ」
神奈「同じことではないのかの…。ともあれ、お手玉であるな」
神奈「ええと…」
裏葉「神奈さま」
すすすっ
神奈「…なんだこれは」
裏葉「金剛石のお手玉にございまする」
神奈「こ、金剛石?」
裏葉「お手玉は本来石で行うものと申し上げましたが…」
裏葉「神奈さまのようにかわいらしいお方ならば、これほどの輝きを持つ石でないと」
神奈「ほ、ほう。たしかに輝いておるの…」
柳也「入手経路については触れないが…やるんだったら遠くでやってくれ」
柳也「たしかそれ、世界でもっとも硬いとかそういうやつだろ?」
神奈「…またしても裏葉にやられるところであったな」
神奈「おぬしは余に大怪我をさせるつもりか?」
裏葉「とんでもございません。神奈さまほどの腕ならば、石がなんであろうと同じことにございましょう?」
神奈「そ、そうか? そうであるな。ふふふふ…」
神奈「よーし、ではやるぞ」
神奈「せいやっ!」
ぽーい
柳也「あ…」
ひゅーん……どさどさどさっ
神奈「!! …危ないところであったわ」
裏葉「神奈さま…成長が見られませぬ」
神奈「何をいう。しっかりとかわしたぞ」
柳也「そんな成長があってたまるか。本編内では結構上手くやってたのに…」
柳也「いきなり天高く放り投げるなとあれほど言っただろ」
神奈「こ、今回は手元が狂ったのじゃ。次こそは!」
裏葉「神奈さま。次の話題に移りますゆえ…」
神奈「がくっ」
裏葉「そうですね、うさぎにいたしましょう」
柳也「おお、神奈になついておったやつだな」
神奈「まこと、面妖な顔をしておったというに、いつの間にか懐かれてしもうたの」
裏葉「神奈さまが頭に乗せられてるお姿…可愛いらしゅうございました」
裏葉「ああ、これでまた一つ、神奈さまをめでる要素が…」
神奈「これこれ、危ない目をするでない」
柳也「ほっとけ。次の話題にでも移るぞ」
神奈「いいや。ここで調子に乗らせておけば、きっと余を…」
神奈「柳也どの! 早く裏葉を促せて正常に次へ移るのだ!」
柳也「よくわからんがヒネた発言だってのには間違いなさそうだな…」
柳也「おい裏葉、裏葉。次の話題へいくぞ」
裏葉「はっ? 次の話題…神奈さまへの衣替えに乱入された柳也さまでございますね?」
柳也「あれはお前らが叫び声を上げたからであってだなあ…」
神奈「忠臣であったり不忠であったり、忙しきものよの」
柳也「だから! あれは理不尽だろ!?」
神奈「黙らぬか! 余をなんと心得る!」
神奈「恐れ多くもさきのふくしょうぐん、みとみつくにこうとかたをならべるこうであるぞ!」
柳也「………」
ぽかっ
神奈「あいたっ! ぬぬぬ、主人の頭を殴るなど不忠の極みぞ!」
柳也「もういいから、裏葉、次へ移れ次へ」
裏葉「はあ、仕方ありませんね。では…月夜に現れる神奈さまの白い肌について」
柳也「そんな話題は却下だ」
裏葉「何をおっしゃいますやら。あーんなところやこーんなところまで見たのでござりましょう?」
柳也「見てない! つーかそんなもん放送できんだろうが!」
裏葉「あらあら、柳也さまが俗世間めいた言葉を…」
裏葉「柳也さま、放送の方は大丈夫でございますよ。視聴者の方からは見えませぬ」
裏葉「何せこの裏葉の目からも届かぬ位置でありましたゆえ…けれども柳也さまから見えておかしくありませぬ」
柳也「だーかーらー、見てないって言ってるだろ?」
神奈「さっきからよくわからぬ話だが…何を見た見ないと言っておるのだ?」
裏葉「それはもちろん、神奈さまのあられもない姿にございまする」
神奈「…あれは恥ずかしかったのだぞ。それを更にかきまわすか」
裏葉「けれど柳也さまはしっかりと両の目で神奈さまの…」
柳也「いいかげんにしろ! もうこの話題はおしまい! 次は俺と神奈の四行だ!」
裏葉「はううう…神奈さま、柳也さまが進行役であるわたくしめに斯様な命令を…」
神奈「ぐぅ、きたないぞ裏葉。そのような物言いでは余は裏葉に味方せねばならんではないか」
裏葉「うふふふ、なんのことやら」
柳也「はあ…今回はもうおしまい、おしまいだ!」
裏葉「ああっ! ほらほら神奈さま、柳也さまが進行役に断り無く終わりにしようとしてございます!」
神奈「ぬわあああ!」

<ぐだぐだでも終わり>


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