『AIR偽小説第百六十六弾』

懲りずに第百六十六弾です。
人物によっては、非常に書きにくい…人物語り。
それはそれでしょうがないのですが、順番付けがあるのがネックかも。
時によって誰を書きやすいってのはあるもんですからねえ。
そういう意味ではこの企画は難儀です。
それにしても今回はやけに大変だぁ。


『4行小説』

★神奈
「人物語り、今回は椎名繭殿だ」
「みゅーっ、という口癖が特徴であるな」
「そしてまた、時に鋭い指摘をするという」
「ひょっとすると余にとっては手強いらいばるかもしれぬ」

あゆ「想像膨らませてるね神奈ちゃん」
神奈「想像ではないぞ。これは余の印象だ。のう繭殿」
繭「みゅーっ」
あゆ「もう呼んでたんだ。えーっと、口癖はもういいとして…鋭い指摘ってどういう事?」
神奈「それはだな…どういう事だ繭殿?」
繭「みゅ?」
あゆ「うぐぅ、神奈ちゃんに聞いてるのに繭ちゃんにふっちゃだめだよ」
神奈「う、うむ、そうであるのだがな、しかし…本人の口から説明するのがよいと思ってな」
繭「みゅー…」
あゆ「繭ちゃん困ってるよ?」
神奈「…で、ではあゆ殿が四行をするがよい」
あゆ「誤魔化したね…」
繭「みゅー」
神奈「も、もうよいではないか。おそらく途中で同じ話題が出るであろうからの」
あゆ「わかったよ」

★あゆ
「繭ちゃん、ボクと名前が一文字違いなんだよね」
「そういう意味では、ボクからも親近感を感じるよ」
「口癖がみゅーっていうか、ほとんどそれしか喋ってない印象があるけど…」
「それってどうしてなのかなあ?」

繭「あゆ、繭、みゅーっ♪」
あゆ「名前の方に反応してくれちゃったね」
神奈「たしかに一文字違いであるの。字はこうも違うのだが…」
繭「みゅ」
あゆ「で、えーと、どうして“みゅーっ”ってしょっちゅう言ってるの?」
繭「みゅー?」
あゆ「そう、その“みゅー”」
繭「うーん…」
神奈「事情があるのかの?」
繭「うーん…」
あゆ「それともただのクセ?」
繭「うーん…」
神奈「………」
あゆ「………」
繭「みゅー…」
あゆ「うぐぅ、唸ってばかりだよぉ」
神奈「もうよいから繭殿の四行に移らぬか。おそらく、縁ある人物から聞かせてもらえるであろ」
あゆ「そうだね…」
神奈「おほん。では繭殿の四行であるぞ」
繭「みゅー?」

★繭
「みゅーっ…」
「たいへん…」
「でも…がんばらなきゃ」
「がんばれる…」

あゆ「…どゆこと?」
繭「がんばりやさん」
神奈「…要するに、繭殿は努力家である、とこう言いたいのであるな?」
繭「みゅーっ」
あゆ「うぐぅ、何かの暗号みたいに見えるんだけど…」
神奈「捻ってはならぬぞあゆ殿。ここは素直に受け取るのだ」
繭「みゅー」
あゆ「うぐぅ…うん」
神奈「では最初の客人であるぞ!」
瑞佳「こんにちは。今回は繭についてなんだね」
神奈「繭殿について縁のある、瑞佳殿であるぞ」
あゆ「あ、そっか。瑞佳ちゃんって繭ちゃんと縁が深いんだよね」
瑞佳「まあそうなるかな。と言っても、この場だと観鈴の方が深いんじゃないかな…」
繭「みゅーっ♪」
瑞佳「やっぱり。でも今回はわたしがしっかりサポートするからね」
繭「うん」
瑞佳「よしよし。さあて、それじゃあ早速四行するね」
神奈「うむ。…俄然やりやすくなった気がするぞ」
あゆ「ボク達だけじゃあ大変だったろうしね…」

★瑞佳
「繭はね…色々、色々あったんだよ」
「ちょっとここでは語りつくせないかな…」
「とりあえず、“みゅーっ”って言ってるのは…」
「飼ってたペットがみゅーって名前…いや、鳴き声だったかな。そういう由来だよ」

神奈「…瑞佳殿。そのサボった説明はなんだ?」
瑞佳「いやいや、トップシークレットってやつだよ」
繭「みゅー…」
瑞佳「け、決して話の内容を忘れたわけじゃないもん」
あゆ「話の内容?」
繭「がくやてき」
神奈「はぁ…結局こうなるのだの…」
繭「たしか…みゅれっとの、みゅー」
繭「ちがう?」
瑞佳「う、うーん…」
あゆ「えーと、ともかく繭ちゃんが飼ってる動物さんの名前だね?」
繭「ううん、今は飼ってない」
あゆ「え?」
繭「みゅー、死んじゃった…」
繭「みゅー…」
瑞佳「繭…」
あゆ「ちょ、ちょっと神奈ちゃん」
神奈「どうしたのだあゆ殿」
あゆ「繭ちゃんの台詞に漢字が混ざり始めたよ?」
神奈「ええい!斯様なことをわざわざ気にするでない!」
瑞佳「しかもそこは気にしちゃいけない部分だと思うよ」
繭「みゅー…」
神奈「しょうがない、次の客人だ!」
晴香「ったく、ぐだぐだじゃないあんたたち…」
神奈「以前はむすたーとやらを飼っていた晴香殿だ」
晴香「私そんなの飼った覚えないわよ」
神奈「そうなのか?」
晴香「戦ったことはあるけどね」
神奈「戦う…?」
あゆ「うぐぅ、ハムスターとなんて戦ったらかわいそうだよ」
瑞佳「ほんとだよ。ペットをいじめちゃだめだよ」
繭「みゅー…」
晴香「いや、あれはねえ…」
晴香「力溜めて目からビーム出したりATフィールドはったりするから大変なのよ」
あゆ「び、ビーム?」
神奈「…えーてぃーふぃーるどとはなんだ」
瑞佳「っていうかそれってハムスターなの?」
繭「みゅ、みゅー」
晴香「弱い奴のは、ただの集団だったりするからいいんだけどね…」
晴香「わざわざ最後尾からやってきて挨拶とか…ほんっとふざけた連中だわ」
あゆ「うぐぅ、一体何の話だろ…」
神奈「わけがわからぬな…」
瑞佳「ハムスターはもういいとして、今回は繭について四行だからね?」
晴香「分かってるわよんなこと。ただの前座だから気にしないでちょうだい」
繭「ぜんざ?」
晴香「そ。前座」

★晴香
「ぼけーっとしてるようで、なかなかやるヤツだって聞いてるわ」
「由依にもそれくらいの洞察力があればねえ…無理でしょうけど」
「同じ貧乳仲間として恥ずかしくないのかしら」
「もっとも、繭は繭でもうちょっとコミュニケーションをとる方法をしっかりしてほしいわ」

繭「みゅーっ!」
瑞佳「わ、繭が怒った…珍しい…」
あゆ「落ち着いてる場合じゃなくて…っていうかボクも怒りたいよ!」
晴香「何を怒るところがあるってのよ」
繭「ひんにゅう…」
あゆ「そう!もう、晴香さんいいかげんその発言やめてよ!」
晴香「事実を言って何が悪いのよ」
繭「みゅー…」
あゆ「事実なんてわざわざ言わなくていいよ!」
神奈「やれやれであるな…」
晴香「何蚊帳の外でいるのよ。あんた代表でしょ?神奈」
神奈「余は斯様なものの代表ではないわ!」
瑞佳「えーと…違う話題にしない?コミュニケーションについて、とか」
晴香「そうね。だいたいね、みゅー語なんて分かるわけないでしょ?」
晴香「っていう事を言いたいわけよ。もちっと日本語喋りなさいよ」
繭「みゅー…」
あゆ「うぐぅ、晴香さんキツいよ」
晴香「あのね、いつまでも甘いこと言ってると生き残れないでしょ?」
あゆ「何に生き残るっていうの…」
繭「たいせつ…だけど…でも…」
晴香「…ちゃんと喋れるじゃない。だったらそうすればいいのに」
繭「みゅー…」
瑞佳「繭からみゅーをとると繭じゃなくなっちゃうから」
繭「みゅーっ!」
瑞佳「…とか言うとやっぱり怒られちゃうから言っちゃだめだよ」
神奈「…瑞佳殿は繭殿の補佐役としてきたのではなかったのか?」
瑞佳「そうとも言うね」
晴香「はぁ、やっぱりぐだぐだだわ…」
あゆ「いつにも増していいかげんだね」
神奈「ええい!最後の客人であるぞ!!」
白穂「わ、わたくしでございますね?」
神奈「というわけで、余の気分で呼んでみた白穂殿であるぞ」
あゆ「もう、神奈ちゃん今回一番いいかげんだよ」
晴香「っていうか私初めて会う人ね…大丈夫なわけ?」
瑞佳「はぁ、繭も災難だねえ…」
繭「みゅーっ?」
神奈「ええい、言いたい放題をするでないわ!さあ白穂殿、気にせずに繭殿について四行であるぞ」
白穂「は、はい、わかりもうしました」

★白穂
「この方が繭さま…」
「事前に“みゅーっちゃん”と佳乃さまよりお聞き申しましたが…」
「それは口癖なのでございますね」
「それにしても可愛らしいお顔をしてらっしゃいますね」

繭「みゅ、みゅーっ」
瑞佳「あ、繭が照れた」
あゆ「相変わらず落ち着いてるね瑞佳ちゃん…」
瑞佳「今回はそれがわたしの生きる道かなーって…」
あゆ「うぐぅ、諦めてる?」
晴香「っていうか照れるのね…。てっきり、“みゅー?”で終わると思ってたんだけど」
白穂「繭さまもやはり花も恥らう女子でありますから」
神奈「うむ、そうであるな」
繭「みゅー…」
晴香「って、神奈より年上でしょ? なのになんで神奈が偉そうなのよ」
神奈「むっ、無礼者! 余は進行役ゆええらいのだぞ!」
あゆ「うぐぅ、神奈ちゃんそういう意味じゃないよ」
白穂「もちろん神奈さまも可愛いらしゅうございますよ」
繭「かわいい」
神奈「よ、余のことなどよい! 今回は繭殿についてなのだから…!」
瑞佳「でももうすぐ終わりだよね?」
晴香「なぁんだ。だったら更に…」
神奈「…ええい、これにて終わりとする!」
あゆ「誤魔化した…」

<みゅーっ>


戻る