『AIR偽小説第百六十五弾』

懲りずに第百六十五弾です。
最近、大画面でTVアニメ版AIR観ました。いやはや…感動でした、色んな意味で。
観る環境とか違えば、やっぱり感じるものも違うのかなあ…と。
ただ、さすがに慣れてきてる感があるかも。
とはいえ、相変わらず後遺症を残してゆく力は持ってますな…。


『4行小説』

★神奈
「人物語り、今回は沢渡真琴殿だ」
「あぅーっちゃんとして佳乃殿に誘拐された経歴をもつそうだ」
「そういう点で親近感を感じるものだの…」
「実はある意味余とも近いと聞くが、どういう事かの?」

あゆ「うぐぅ、もしかしてボクに聞いてる?」
神奈「あゆ殿は知らぬのか?」
あゆ「知ってるわけないけど…美汐ちゃんなら分かるかも」
神奈「なんと、そうなのか? 大丈夫だ、しっかりと客人に招いておるぞ」
あゆ「ならいいけど。それじゃあ早速ボクから四行やるね」
神奈「うむ」

★あゆ
「真琴ちゃんはね、原作ではボクと非常に遠いんだ」
「けど、立場的にすごく親近感を感じるよ」
「この場限定じゃなくってね」
「それはやっぱり…奇跡が絡んでるからだね」

神奈「奇跡とはどういう事だ?」
あゆ「ボク自身は奇跡と縁が深くて…真琴ちゃんは束の間の奇跡の中にいる…」
あゆ「っていう話を祐一君から聞いたんだよ」
神奈「ふむ…? よくわからぬが…本人に聞けば分かることかの」
あゆ「多分…」
神奈「では、真琴殿よ、参るがよい!」
真琴「あぅーっ、主役でもやっぱり偉そうに呼びつけられるのね…」
神奈「さあ真琴殿。奇跡の何がどう絡むのか教えてはもらえぬか」
真琴「そう言われても…真琴はよくわかってないわよぅ」
神奈「そうなのか?」
真琴「多分、あゆが言っていたように奇跡の中に真琴はいるのかもしれないけど…」
真琴「自分ではよくわかんないもん」
あゆ「うぐぅ、そうだね。そんな設定だよね…」
真琴「もぅ、設定なんて言葉使わないでよぅ」
あゆ「うぐぅ、ごめんなさい…」
神奈「…で、ではこの話題は置くとして、真琴殿の四行であるぞ」
真琴「あ、うん、わかったわよぅ」

★真琴
「真琴はねぇ…肉まんが大好き!」
「漫画も大好き!」
「ずーっと、肉まん食べながら漫画読んで暮せたらなあ…」
「あと、復讐するのも実は得意なのよぅ! …よく失敗するけど」

あゆ「最後の行がなんだか聞き捨てならないね」
神奈「しかし失敗するならばよいのではないのか」
真琴「そうよねえ」
あゆ「良くないよ!」
真琴「あぅーっ…」
あゆ「復讐なんてダメだからね。…って、誰に復讐してたの?」
真琴「祐一」
あゆ「祐一くん? …何やったんだろ、祐一くん。思い当たる事はたくさんあるけど…」
真琴「でしょでしょ?」
神奈「祐一殿は一体どういう立場なのだ…」
あゆ「で、あと注目すべきは肉まんだね。でも…漫画を読んでずっと暮せたらってのはどうかと思うよ?」
真琴「だって楽しいんだもん」
あゆ「いくらなんでもそんなだらけたことずっとやってたら、体も精神もなまっちゃうよ」
真琴「楽しけりゃいいってもんじゃないの?」
あゆ「途切れた時が絶対辛いよ? どんなものだっていつかは途切れるんだから」
真琴「あぅーっ…」
神奈「なんだかあゆ殿が難しい事を説いておるの…。つ、次の客人を呼ぶぞ!」
美汐「その程度で恐れをなしてはいけませんよ」
神奈「ええと、真琴殿と最も関わりが深いらしいという、天野美汐殿だ」
美汐「いえ、それほどでもありますよ」
神奈「どっちなのだ…」
真琴「あぅーっ、美汐ーっ」
美汐「どうしましたか、真琴。月宮さんにいじめられてしまいましたか。可哀想に」
真琴「あぅーっ」
あゆ「ちょっと美汐ちゃん! 勝手に変なこと言い出さないでよ!」
美汐「私は違うとは思いませんが。否定をされるほど自信はおありですか」
あゆ「うぐぅ…」
真琴「やっぱり美汐は真琴のことをよくわかってるねっ」
美汐「そうですよ」
神奈「…とりあえず美汐殿、真琴殿について四行やってくれぬか」
美汐「しかと心得ました」

★美汐
「真琴は…私にとってかけがえのない…」
「大切な存在…です」
「そう、その由来は…いえ、これは秘密にしておいて…」
「そんな真琴が見せる無邪気な姿は、私のイチオシです」

あゆ「あ、あのう、美汐ちゃん?」
美汐「なんですか」
あゆ「無邪気…なの?」
美汐「そんな事言う人嫌いです」
あゆ「うぐぅ、それ栞ちゃんの口癖…」
美汐「細かいことを気にしているといい大人になれませんよ」
あゆ「うぐぅ…」
真琴「えっへん! とにかく真琴は無邪気な姿がイチオシなのよぅ!」
美汐「そうですね、真琴」
真琴「わーい」
神奈「余はどうも人選を間違えた気がするの…と、美汐殿に聞きたい事があったのだ」
美汐「なんでしょう?」
神奈「真琴殿が束の間の奇跡の中にいるとか、余と近いとか、どういう事かの?」
美汐「そうですね…まずは後者。神奈さんとは確かに近いのです」
神奈「どう近いのかの?」
美汐「…秘密にしておきます」
神奈「なんだと?」
真琴「ええーっ? 美汐、真琴も知りたーい。だって真琴にとっても初耳だもん」
美汐「知らない方が家庭円満に過ごせますよ」
あゆ「それどういう事なの…」
真琴「あぅーっ、だったらそうする…」
あゆ「信じちゃってるし…」
美汐「では前者に移りましょう。真琴が奇跡の中にいるという事ですが…」
神奈「うむ」
美汐「似た意味では、神奈さんも奇跡の中にいらっしゃると思います」
神奈「うむ?」
美汐「以上です。これより先は喋るわけには参りません」
あゆ「うぐぅ、説明はしょりすぎじゃないかな…」
美汐「では月宮さんが説明されますか」
あゆ「うぐぅ、それは無理…」
美汐「ではここまでです」
あゆ「うぐぅ…」
真琴「よぉーっし、納得したところで神奈。次の人を呼びなさいよぅ」
神奈「余にはさっぱりなのだが…。仕方あるまい、次参るがよい!」
浩平「…俺か?」
神奈「奇跡とやらに実はそれなりに近いであろう、折原浩平殿だ」
あゆ「それって中途半端じゃないかな…」
浩平「勝手なこと言いやがって。っていうか俺が何故こいつについて語れるんだ」
真琴「ああーっ! 祐一以上にやな奴!」
浩平「おいこら、どういう覚え方だ!」
美汐「相沢さんより荒くれ者とは…救いようがありませんね」
浩平「ちょっと待て、荒くれ者ってどういう意味だ」
美汐「言葉どおりです」
あゆ「うぐぅ、それって香里さんの台詞じゃあ…」
神奈「あゆ殿、もう細かい事は気にしても仕方無さそうだぞ」
神奈「さて、浩平殿。さっさと四行するがよい」
浩平「お前もお前で偉そうだな…」

★浩平
「まあなんだ、わがまま言いまくってるガキだな」
「奇跡がどうだろうが、俺にはこの際関係ない」
「大事なのは、今こうしてどう接しているかとかだ」
「だから常識くらいはわきまえろ」

真琴「あぅーっ、美汐ーっ。浩平がいじめるー」
美汐「可哀想に真琴。こんな時はこうやって言い返しましょう」
真琴「あぅ?」
美汐「あなたに常識うんぬんを言われたくない、って」
浩平「俺もそっくりそのままそれを返すぞ」
あゆ「どっちもどっちだよね…」
神奈「しかしながらいい事を言っておるの」
神奈「奇跡なぞ関係なく、今こうしておる時間を見つめろという事だの」
浩平「おっ、わかってるじゃないか。さすが司会だな」
神奈「ふっふっふ、さすがであろう。もっと褒めるがよいぞ」
浩平「…ちょっと褒めると図に乗るタイプか」
あゆ「うぐぅ、神奈ちゃん調子に乗りすぎだよ」
美汐「真琴、反面教師が沢山いますよ。是非学びましょうね」
真琴「うん!」
浩平「お前もお前でちったあ礼儀ってもんをわきまえろっての!」
美汐「あなたに言われたくありません。ほら、真琴」
真琴「う、うん。…あんたになんか言われる筋合いないわよぅ!」
美汐「真琴…よくできました」
真琴「えへへへ」
あゆ「…ねえ神奈ちゃん、早く次の人呼ぼうよ」
神奈「うむ…。では、参るがよい!」
由依「なんだか大変なところに来ちゃった気がしますねえ…」
神奈「元気さでは負けないであろう、名倉由依殿だ」
由依「ちょっとぉ、どういう紹介の仕方なんですか」
真琴「あぅーっ、由依って真琴より元気?」
美汐「大丈夫ですよ。いつも真琴の完全勝利です」
真琴「わーいっ」
浩平「おい…この二人の連携止めろよ、誰か」
あゆ「うぐぅ、それは無理かも…」
由依「あのぉ、それはともかく真琴さんについて四行ですね?」
神奈「うむ、そうだ」

★由依
「真琴さんは…何かとっても大きな…」
「そう、信念があるんじゃないかって思うんですよ」
「漫画を熱心に読んでるのも、そういう思いの元なのかも…!」
「けど…立場的には弱いですよねえ」

真琴「なんだかよくわかんないけど、そう弱いのよぅ」
由依「大変ですねえ。言ってるあたしも弱いんですけどね」
真琴「わっ、そうなんだ」
由依「ええ。もう日頃から苦労しっぱなしですよ」
真琴「うんうん、これは何か対策を考えないといけないね」
美汐「真琴。考えずとも自然と出てくるものですよ」
真琴「えっ? 何がぁ?」
美汐「立場が弱いのならば、強いものを蹴落とせばいいのです」
真琴「で、でも…」
美汐「手始めに…この場で最も強そうなのは誰ですか?」
真琴「えっと、浩平だね。でもどうやって蹴落とせばいいのかなあ?」
美汐「ここにダイナマイトもどきがあります。これを使って吹き飛ばせば…」
浩平「こらっ! そんな危険なことをしようとするな!」
あゆ「途中から話がすりかわってたね…」
由依「ううぅ、美汐さんが間に入ったからですよぉ」
美汐「私のそれは助言に過ぎませんよ」
真琴「うん、助言だもん!」
浩平「人を吹き飛ばそうとかいう恐い助言を与えるな!」
あゆ「うぐぅ…神奈ちゃん、早く終わろう?」
神奈「そうであるの…。それにしても真琴殿は気付いておらぬのだな」
あゆ「何が?」
神奈「普段はおそらくそうそう出番も無いであろう。が、しかし…」
神奈「それゆえに危険な目におうてないのだ!」
ぽかっ
神奈「あいたっ、何をするか!」
真琴「あんた失礼よぅ。真琴が出番が少ないって何よぅ!」
神奈「余は事実を申しておるだけだ! この無礼者が!」
真琴「なによう…」
神奈「なんだと…」
美汐「真琴、ふぁいとですよっ。にらみ合いに負けてはいけません…」
由依「すっごいたきつけてますねえ…」
浩平「とっとと終わってくれー。俺はもうこんな場所嫌だー」
あゆ「う、うん…。浩平君が根を上げるなんて珍しいね…」
浩平「俺だって苦手なものはある」
あゆ「えっと、それじゃあここでおしまいだよっ!」

<あぅーっ?>


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