『AIR偽小説第百六十弾』

懲りずに第百六十弾です。
次で百回記念ですねえ…。
何がって、ドッペル郁未登場から。
これ…この場での最大の無茶だと自分では思ってます。
故人や古人を連れてくるとかよりも…。
だってねえ…(とか思うんなら登場させるなって話もありますが)


『4行小説』

★神奈
「人物語り、今回は霧島聖殿だ」
「医者という立場であるがゆえ、いざここで怪我人が出ても…」
「即対応してくれるという頼もしい存在であるぞ」
「しかもめすとやらを片手にかなり強いらしい。立派であるの」

あゆ「…そういう語りでいいの?」
神奈「また何か物言いでもあると申すのか?」
あゆ「前半の医者っていうのはいいかもしれないけど…」
神奈「あゆ殿はめすが気に入らぬか?」
あゆ「うぐぅ、ひらがなにしちゃうと変な気分だよ」
神奈「あゆ殿…記述につっこんではならぬぞ?」
あゆ「うぐぅ、そうだけど…」
神奈「そして、余は特に間違ったことは申しておらぬと思うがの?」
あゆ「まぁ、印象だしねえ」
神奈「うむうむ。と、そんな聖殿の登場であるぞ!」
聖「やあ、こんにちは」
神奈「よく来たの。くつろぐがよい」
聖「あまりくつろげるものでもないが…さて、私についてだな?」
神奈「そうだ」
聖「正直言って、医者ではあるがあまり頼りにはされたくないな」
神奈「なぜだ?」
聖「怪我人などは、出ないのが一番だからだ」
神奈「それはそうであるが…」
聖「まぁ、神奈さんの言うとおり、いざという時には役に立ってみせよう」
神奈「うむうむ」
あゆ「えっと、それじゃあボクの四行いっていいかな」
神奈「うむ」

★あゆ
「聖先生は…実はボク最初に顔を合わせた人の中の一人だね…」
「そんなわけで関わりは深いはずなんだけど…」
「なんとなく、遠くに感じるんだよ」
「きっと、佳乃さんをよく見てるからなんだろうね」

聖「ふむふむ、なかなか的を得た意見を言うな」
あゆ「実際のところ、佳乃さんにかなり執着してますよね?」
聖「それは否定しない。佳乃は私のかわいい妹だ」
聖「姉として、妹を可愛がるのは当然のことだ」
あゆ「うぐぅ、そうなんだけど…」
神奈「あゆ殿は何やらひっかかる事でもあるのかの」
あゆ「うーん、でも言葉にうまく表せないな…」
神奈「ならば仕方あるまい。さて、次は聖殿であるぞ」
聖「ああ、分かった」

★聖
「さて、既に私は医者だという話は出たので、別の顔を見せておこう」
「こう見えても、実は天文部に入っている。もちろんこの場だけの話だが…」
「そして更に…いや、もういいな。性格について語ろう」
「佳乃には甘いと言われているが…そこは、見解の違いだときっぱり言っておこう」

あゆ「うぐぅ、微妙に支離滅裂ですね」
聖「少し慌ててしまったな…」
神奈「ふふふ、上手くすべてを語ろうとして失敗する例であるな?」
聖「…何がおかしい?」
神奈「余としては、完璧そうに見える聖殿も時には失敗する姿があるのだな、と」
神奈「そういうものが見えて少し安心しておるのだ」
聖「なるほど…。ということは、私の存在は安心感を与えていなかった、とこういう事かな?」
神奈「完全、と表現するにはまた違うかもしれぬが…」
神奈「余は圧迫感があった、という事だ」
聖「ふむ」
あゆ「うぐぅ、神奈ちゃんが難しそうな話してる…」
神奈「あゆ殿、余は日々進歩しておるのだ。現代人になど負けぬぞ?」
あゆ「毒されてるだけじゃあないよね?」
神奈「あゆ殿は無礼者じゃ」
あゆ「うぐぅ…」
神奈「こほん。それでは一人目の客人登場であるぞ!」
雪見「こんにちは。深山雪見よ」
神奈「名乗られてしもうたの…」
あゆ「そんなに残念そうにするもんでも…」
雪見「さて、早速語るわね」

★雪見
「お医者さま、それは単に怪我の治療だけじゃなくて…」
「患者との意思疎通をはかるという役割も担っているわ」
「となると、精神的にもかなりの人物じゃないとだめ」
「だからなんでしょうね、とっても頼りがいがあるのは」

聖「君のそれは買いかぶりすぎではないかな?」
雪見「けど…」
聖「たしかにある程度は信頼を得なければならない」
聖「しかし、信頼されすぎるほど、私も完璧ではないんだ」
聖「すべての医者がそうであるように、万能な人間はいない」
あゆ「謙遜…でもないね」
神奈「医者とやらは随分と大変であるのだの」
雪見「でも、少なくとも医者を演じるという時には参考にさせてください」
聖「そういえば君は演劇部だったな…」
雪見「あら、よく知ってますね?」
聖「遠野さんから聞いた。部長さん同盟とやらに入っているのだろう?」
雪見「ええ、そうです。…って、秘密って言ってたのに…」
聖「私は幽霊部員ではあるが天文部だからな。部員に情報はまわってくるものだ」
雪見「はあ、なるほどねえ…」
雪見「とにかく、演劇の際は頼みましたよ? って、いきなり頼んじゃってますが」
聖「ああ、構わない。私でよければ喜んで協力しよう」
雪見「よかった、ありがとうございます」
あゆ「二人で話が進んじゃってるね」
神奈「時折斯様な状態になるのが余はつまらぬ」
あゆ「でも話題によるよ」
神奈「そうであるの…。まあよい、では次の客人であるぞ!」
由依「こんにちはぁ」
神奈「名倉由依殿だ」
聖「やあこんにちは。今日はどういった相談かな?」
由依「え、ええっ!?」
あゆ「聖先生営業始めちゃった?」
聖「いや、ただの冗談だ」
由依「あ、あはははぁ。えーっと、とりあえず四行やりますねぇ?」
雪見「随分とびっくりしてたわね」

★由依
「聖先生って、なんでも相談に乗ってくれそうな…」
「そんな頼れそうなイメージがあります。だから、いきなり言われた時にはびっくりしたんですよぉ」
「で、相談ついでに、一つ…」
「あのぉ、貧乳って治ります?」

聖「そういうのは病気ではないのだが…」
由依「ですよねぇ…。残念です、ね? あゆさん」
あゆ「うぐぅ! どうしてボクに話ふってくるの!?」
由依「だってぇ、晴香さんに部隊命名されちゃった仲じゃないですかぁ。ねえ神奈さん?」
神奈「な!? 余まで巻き込むでない!」
雪見「やれやれ、変な部隊できちゃってるのねえ」
由依「好きで作ったわけじゃないんですぅ」
雪見「っていうか無視すりゃいいじゃないの」
由依「しつこく何度も言われるんですよぉ」
雪見「そりゃ大変ね…」
聖「…まぁ、胸を大きくする方法もなくはないが…」
由依「ほ、本当ですか!? やりましたよあゆさん!」
あゆ「ちょっと! だからどうしてボクまで!」
由依「あゆさんは胸大きくなりたくないんですかぁ?」
あゆ「…なりたい」
由依「ですよねぇ。神奈さんは?」
神奈「ええいっ! だから余にまで話をふるでないわ!」
雪見「なんかすっかり荒れてるような…」
聖「…胸の話はまた後にしよう。神奈さん、早く次の客人を呼んでくれないか」
神奈「う、うむ、心得た! 早う参れ!」
往人「すごい呼び方するな、お前…」
神奈「というわけで、国崎往人殿だ」
由依「ちょっとぉ、何遮ってるんですかぁ。もう、国崎さん早く終わってください」
往人「いきなりなんでこんな事言われなければならん…」
聖「しかも、登場は結構久しぶりではないかな?」
往人「そうでもないぞ。特別企画もあったしな」
聖「そういえばそうだったな」
往人「それにしても今回は聖か、まったくなんで俺がこんな時に…」
ぼかっ!
往人「いたっ!」
聖「年上を呼び捨てにするな馬鹿者!」
あゆ「うぐぅ、相変わらず…」
神奈「この場面はしょっちゅう見ておる気がするの」
雪見「なんか容赦ないわね…」

★往人
「ったく…相変わらず乱暴な医者だな」
「メスも振り回すし、佳乃の事となるといかなる犠牲も厭わない」
「だがしかし、それだけの力があり、想いがあり、という事の表れなんだろう」
「振り回されてる奴は、是非見習うべき存在の一人だぞ」

聖「後半で誤魔化したか」
往人「特に荒れ模様じゃないところをみると、収まったようだな」
聖「まあ、な。あまり国崎君ばかりを叩いていても始まらない」
往人「お前な…」
雪見「ちょっとちょっと、三人とも今の四行聞いた?」
神奈「三人…」
あゆ「三人って…」
由依「あたしたちのことですかぁ?」
雪見「そうよ。あなた達振り回されすぎなのよ。しっかり見習いなさい」
雪見「貧乳部隊になんて甘んじて入れられてる場合じゃないわよ」
由依「ちょっと! 甘んじてなんて入ってませんよ!」
雪見「そう?」
あゆ「当たり前だよっ! どうしてボク達がそんな!」
神奈「無礼なことを申すでない!」
往人「…まぁ、言ってるだけじゃあ始まらないだろうけどな」
神奈「どういう事だ?」
往人「この聖…先生を見ろ。口だけじゃなく、しっかり態度に表しているだろう?」
聖「叩いたりするだけでは無いからな。誤解はしないでくれ」
往人「まあそんな風に、ただ抗議するだけじゃなく何か事を起こせってことだ」
あゆ「そういわれても…」
神奈「この場で態度に表すのは難しいと思うがの」
由依「同感ですねぇ」
往人「早くも諦め気分かよ」
雪見「でも…仕方ないのかもね。できる事とできない事ってあるでしょうし」
聖「まあ、徐々に何かを見つけ伸ばしていくことだ」
聖「焦って変えようとしなくてもいい。急激な変化は体によくない」
あゆ「うぐぅ、なるほど…」
由依「たしかに、いきなり言って変わるもんじゃないですしねぇ」
神奈「しかし余には難しく感じるの」
往人「いやいや、神奈。お前は随分変わっただろ?」
神奈「何がだ?」
往人「いいかげん司会やって長いだろ? 威厳とかコツとかついたんじゃないのか?」
神奈「諌めるのは上手くなった気がするぞ」
往人「ほら、いいことじゃないか」
神奈「特定人物から遊ばれるのは変わらぬがの…」
往人「…まぁ、世にはあきらめなきゃならない事もあるさ」
あゆ「うぐぅ、往人くん慰めになってないよ」
由依「うう、そうですよぉ」
雪見「お約束ってやつよね、それって…」
聖「だが、いつまでも悩むだけではしょうがないぞ」
聖「皆、しっかり意思を持つようにな」
聖「というところで、終わりにしてもらおうか」
あゆ「うぐぅ、そうだね。区切りもいいし」
由依「あれっ? 何か忘れてるような…」
雪見「簡単に忘れるんじゃあ多分大した内容じゃないのよ」
往人「そうともいえないのがこの場の恐いとこだがな」
神奈「うむ! ここでおしまいとする!」

<きょー>


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