『AIR偽小説第百五十五弾』

懲りずに第百五十五弾です。
個人的に聴くのも弾くのも好きな曲です。
オクターブ上げたり下げたりして、色々弾いたなあ…と。
完全な耳コピは無理だったのですが…(楽譜に頼った)


『4行小説』

★観鈴
「今回のテーマは、銀色」
「銀って聞くだけで凄く神秘的なイメージがあるの」
「あとね、とってもやさしい曲…」
「大事な場面でよく流れるんだよ」

瑞佳「………」
観鈴「どうしたの?」
瑞佳「なんかいいなあ、って。わたしもやろっかな、サウンドタイトル企画…」
観鈴「うん、いいと思う。観鈴ちんの次にやったらどうかな」
瑞佳「えっ、いいのかな?」
観鈴「やろっかな、って言ってそれはないんじゃないかな…」
瑞佳「あはは、それもそうだね。じゃあその時は観鈴はアシスタントかな?」
観鈴「にはは、いいかもしんない。でも…」
瑞佳「でも?」
観鈴「同じ人間ばかり出てて不公平だ、なんて声が上がるかも」
瑞佳「うーん、そういうこと言われても…」
観鈴「だよね。けど仕方無いんじゃないかな」
瑞佳「じゃあ誰をアシスタントに頼もう…うーん…」
観鈴「うーん…誰が瑞佳のアシスタントにいいのかな…」
瑞佳「うーん…」
観鈴「うーん…」
聖「こらこら君たち。四行やった途端に別の話題で唸っていてはいけないぞ」
観鈴「あ、聖先生」
瑞佳「い、いらっしゃいませ」
聖「ああこんにちは。先にやってきてしまったが、方向修正は必要だと思ってね」
観鈴「そういや観鈴ちんの四行についてがまだって思って」
瑞佳「銀は神秘的…思うに、銀には魔除けの効果があるって思われてるからじゃないかな」
聖「よく知っているな。そう、銀には特別な力が込められている」
聖「さる場所で有名な狼男には銀の弾丸が効くとも言うしな」
観鈴「そ、そうなんだ…」
瑞佳「狼男…」
聖「さて、多分瑞佳さんが話をずらしてしまったのは、観鈴さんの曲コメントを聞いたからだろうな」
瑞佳「あ、そうです。こういう場面で流れるとか…当事者じゃないと分からないですしね」
観鈴「あ、でも観鈴ちんシナリオじゃあ流れないんだよ。他じゃ流れるのにね」
瑞佳「そ、そうなんだ…」
聖「それでも知っているのは、彼女が物語の中心で動いているからだろうな」
観鈴「さあて、それじゃあ瑞佳の四行」
瑞佳「あ、そうだっけ」
観鈴「そうそう」

★瑞佳
「銀色…銀色HORIZON?」
「っていう歌があったような…」
「ふっ、とそれを思い出したんだよ」
「それにしても…アシスタントどうしよう…」

聖「かなり支離滅裂感があるな…」
観鈴「そうみたい。瑞佳どうしたんだろ」
瑞佳「はっ、あ、うーんと…も、もういいから次にいってくれないかな」
観鈴「大丈夫?」
瑞佳「あんまり大丈夫じゃないかも…ううん、わたしは平気だもん」
観鈴「瑞佳…」
聖「まぁあまり構いすぎるのもよくない。さらりと私の四行としよう」
観鈴「そうですね」

★聖
「さて…医者らしく、水銀の話を出すとしよう」
「ご存知、体温計。あれは水銀を使用している」
「…まぁ、それも昔のものだな。今はデジタル式で新しくなっている」
「割れてしまっては危ないし…」

観鈴「わ、そうだったんだ」
瑞佳「あれ? 観鈴知らなかったの?」
観鈴「うん。てっきり、延びたり縮んだりしてるのかと思ってた」
瑞佳「そんなわけないと思うけど…」
聖「ふむ、いい機会だから一つお見せしようか。ここに体温計を一つ持ってきた」
観鈴「わ、ほんとに体温計だ…」
瑞佳「メモリ式の…今じゃ珍しいですね」
聖「まあ、君らの今、というのも結構昔のはずだがな。いや、そうでもないか…」
聖「何にしろ、昔はこの体温計を用いていた。わきの下に挟んだりして…」
聖「ちなみに割ったりはしないぞ。危ないからな」
観鈴「残念。水銀がどんななのか見たかった」
瑞佳「観鈴、危ないって言ってたじゃない」
観鈴「うん、でも…」
聖「下手な好奇心は身を滅ぼすぞ」
観鈴「わ…じゃ、じゃあやめとく」
瑞佳「うんうん、それがいいいよ」
観鈴「くわばらくわばら」
聖「まぁそこまで恐れる必要もないんだが…」
瑞佳「さあってと、次のお客さんを呼ばないとね」
観鈴「そうだね。いらっしゃいませーっ!」
少年「やあこんにちは。…どうして呼ばれてしまったのかな」
観鈴「名もなき少年さん、にはは」
瑞佳「呼ばれた理由は…髪の毛の色?」
観鈴「そう。往人さんの銀髪っぽいから」
聖「しかし、彼よりは目つきがいいな。好印象だと思うぞ」
観鈴「にはは、そうかも」
少年「何やら色々言われてるけど…ええと、何をすればいいのかな」
観鈴「銀色で四行」
少年「なるほど、じゃあやらせてもらおう」

★少年
「銀色というのはただの色の種類でしかないけど…」
「これが、こうしてタイトルになったりするのは…」
「その、銀という言葉に深い思いが込められてるからなんだろうね」
「たった一つの色とは言っても、ただの色じゃあない、という事だね」

観鈴「がお、なんか深い…」
瑞佳「困ってる場合じゃなくて」
聖「要するに、色一つにもいろんな意味合いが込められている、という事だな」
少年「そういう事になるね」
聖「そう。今私が言った、いろんなというのも“色々”という事」
聖「様々な色があるように…一つ一つの色にもまた…」
聖「なるほど、これは深いな」
少年「いやあ、そこまで深く意味を込めたつもりもないんだけどね」
瑞佳「それでも、受けた側にとっちゃあ十分深かったと思うんだよ」
観鈴「わかってる皆スゴイ…。観鈴ちんついていけないかもしんない」
瑞佳「いや、これくらいは大丈夫だって。聖先生がわかりやすく言ってくれたよ?」
観鈴「うーん、そうなんだけど…」
少年「混乱するくらいなら、次の人を呼んだ方がいいんじゃないかな」
観鈴「でも…」
聖「漠然とでも分かってればいい内容だよ、観鈴さん」
観鈴「う、うん、そうする」
瑞佳「すっかり混乱調子だね」
観鈴「えっと、それじゃあ次のお客さんいらっしゃいーっ」
栞「えっと、こんにちは」
観鈴「美坂栞ちゃん、にはは」
栞「銀色で四行ですね、頑張ります」
瑞佳「いや、そんなに気張るものでも…」
栞「いえ、私はきっちりやります」
少年「何かあったのかい?」
栞「再び司会に舞い戻るために、日々努力の積み重ねです」
聖「やれやれ、こうも司会だのをやりたい人が多いのはどうしてなんだろうな…」
観鈴「多い、ですか?」
聖「実はそうだ。しかし、曖昧な選別を国崎君がするだろう。そこがまた問題だ」
瑞佳「選別…」
観鈴「往人さんやっぱり偉かったんだ。普段えらそーじゃないのに」
聖「言動は偉そうだと思うがな」
栞「とにかく私頑張りますよ」
少年「積極的だね…」

★栞
「私、趣味で絵を描いてます」
「たまに、銀色を用いる時があります」
「混ぜて出すのは難しいんですよね、これ…」
「しかも質が違います。作った人はすごいです」

瑞佳「…頑張った?」
栞「ええと、駄目ですか?」
瑞佳「いや、駄目とかってのは無いけど…」
観鈴「ううん、実はあるの。テーマにそってないと駄目、にはは」
観鈴「でも今回はテーマ使ってたから駄目じゃないよ」
聖「しかしながら…どうも四行が希薄な気がしてならないな」
栞「ええと、銀色についてのコメントが少なかったでしょうか」
聖「平たく言うとそういう事になるな」
少年「しかも、微妙に僕が言ったこととかぶっていたしね」
栞「そんな…前に言った人の内容までなんてわかりません」
観鈴「うーん、そうだよね。でも、もうちょっと何か言ってほしかったな…」
瑞佳「たとえば…銀色ってどういう時に使うの?」
栞「使うのは稀なんですよ。本当に銀色を表現したい時…」
栞「たとえば、お姉ちゃんが身につけてるアクセサリの一つにアクセントをつけるとか」
聖「なるほど、アクセサリか」
栞「でもほんの少しです。たくさん使うとしつこくなっちゃいますしね」
栞「ほんのりと光っているから、銀色って余計に美しいんだと思います」
観鈴「あ、そうそう、そんな感じ」
栞「はい?」
観鈴「そんな感じにコメント欲しかったな、って」
栞「うーん、なんだか難しいですね…」
瑞佳「まぁ、結局その場に沸いた感性だしねえ」
少年「事前に考えていたとしても、その場の人間に納得させるのは難しいんじゃないかな」
聖「そうだな。同感だ」
栞「大変なんですね…」
瑞佳「いいかげんな企画だけどね」
観鈴「わ、瑞佳そういう事言っちゃだめ」
瑞佳「でもねえ…」
少年「ところで、お客さんはこれだけなのかい」
観鈴「あ、そうです」
少年「じゃあおしまいにしないと」
栞「あ、終了宣言の後にちょっと似顔絵描いてみようと思います。残っててください」
聖「全員分描いていると時間がかかるんじゃないか?」
栞「かもしれませんね。でも頑張ります」
聖「描かれる方の身にも…」
瑞佳「ま、まあまあ聖先生。それじゃあ観鈴、終わって終わって」
観鈴「う、うん。これにておしまいっ」

<ぎんいろ>


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