懲りずに第百五十二弾です。
★神奈
あゆ「それって、多分ボク達と同じ境遇ってことじゃないかな」
★あゆ
ドッペル郁未「…そう言われてもねえ」
★ドッペル郁未
あゆ「…郁未さん?」
★柳也
ドッペル郁未「…惜しいわね」
★住井
ドッペル郁未「…飛び飛びだけど、鋭い考察するわね」
★舞
ドッペル郁未「…予想外だわ。なるほど、それをやってくれるのね?」
<どうしましょ>
本当は呼んではいけないであろう人物です。
っていうか、いくらMOON.で一番のお気に入りだからって、
この場に登場させるのはやっぱ無茶だよなあ…。
と、今更そういう事思っても無駄なわけですが。
それにしても、彼女が出ると表記のめんどいことと言ったら…。
『4行小説』
「人物語り、今回はドッペル郁未殿だ」
「日頃からまったく姿を見せぬし、来ると大抵砂嵐を起こして去ってゆく」
「これだけ聞くと相当な乱暴者に思われるであろうが…余としてはかなり共感できるのだ」
「境遇を是非聞きたいものであるの」
神奈「どういう事だ?」
あゆ「無理矢理この場に連れてこられたっていうか…」
神奈「それはそうであろうが、どうもそれだけでは無い気がするのだ…」
あゆ「じゃあ、誘拐が絡んでるとか?」
神奈「もちろんそれもあるであろ。だが、他に何か…」
ドッペル郁未「…何をしてるのあなたたちは」
神奈「おおよくぞ来たドッペル郁未殿」
あゆ「いらっしゃい」
ドッペル郁未「…どうしてわたしがまたここに来なければいけないの」
神奈「む、それは決まっておる。おぬしを語るためだ」
ドッペル郁未「…わからないわね」
あゆ「うぐぅ、何が?」
ドッペル郁未「…語るだけなら遠くからでもできるでしょ。わざわざ呼ぶ必要ないでしょ」
神奈「甘い、甘いぞドッペル殿。余のこの企画においては、自分で自分を語らなければいけないのだ」
あゆ「そういう事。それに、直に本人が居た方が、誰がどんな印象持ってるかってわかるでしょ?」
ドッペル郁未「…ふうん。ま、ある程度は報われる事につながるんなら付き合ってあげるわ」
神奈「なにげに偉そうであるの…。まあよい、まずはあゆ殿だ」
あゆ「うん」
「ドッペルちゃんって…」
「いつも不幸そうな顔をしてる気がするんだけど…」
「何かあるんなら、話して欲しいよ。話してくれないけど…」
「でもね、ボクらで力になれないなんて決め付けないでほしいよ」
あゆ「だいたい、報われる報われないってどういう事?」
ドッペル郁未「…あなた達には関係ないわ」
あゆ「ほら、そうやってすぐ自分の殻にとじこもっちゃう」
神奈「そうだ。それでは一生かかっても問題解決などできぬぞ?」
ドッペル郁未「…問題解決言うなら、私をすぐに返しなさい」
あゆ「ええっ?」
神奈「今はできぬぞ。人物語りが終わってしまうではないか」
ドッペル郁未「…やっぱり報われないわ」
あゆ「うぐぅ、ドッペルちゃんなんかわがまま…」
神奈「余達にも分かるように説明せぬか」
ドッペル郁未「…私がすべてを説明していいと思ってるの?」
あゆ「できないの?」
ドッペル郁未「…できないわ」
あゆ「それじゃあ解決のしようがないよ」
ドッペル郁未「…だから言っているのよ。あなた達に関係無いって」
神奈「もうよい。解決法は今後見つけてゆくとして、ドッペル殿の四行だ」
ドッペル郁未「…わかったわよ」
あゆ「砂嵐起こして逃げちゃだめだよ?」
ドッペル郁未「…うるさいわね」
「…自分自身で自分を…」
「………」
「…よく考えたら、わたしはあなたなのにね…変な感じだわ」
「…これは要するに、客観的に郁未の視点になって、私をみるという事かしら…奥深いわ」
神奈「郁未殿が関係あるのか?」
ドッペル郁未「…本気でそれ言ってたらすごいわね」
神奈「何故なのだ…」
あゆ「あ、ドッペル郁未、だから?」
神奈「ほうほう、ならばドッペル殿と郁未殿とはどういう繋がりなのだ?」
あゆ「生き別れの双子の姉妹とか?」
神奈「生き別れとな! そうか、辛い境遇なのであるの…」
ドッペル郁未「…やっぱり帰りたいんだけど」
あゆ「ち、違ったの?」
神奈「うむう…。よし、ここは客人の知恵を借りるぞ。一人目、まいるがよい!」
柳也「…俺か?」
神奈「柳也殿。余のひみつへいきちだ」
あゆ「神奈ちゃん、秘密兵器だよ」
神奈「こほん、ひみつへいきだ。とてもたよりになる部下であるぞ」
柳也「お前、俺をなんだと…」
ドッペル郁未「…で、この人が何。何をしてくれるの」
神奈「それは四行を待つがよいぞ」
あゆ「柳也さん、お願いします」
柳也「なんなんだ一体…」
「ドッペル郁未…横文字は苦手なんだがな…」
「うーん、郁未と関係があるんだったよな。…実は同一人物なのかもな」
「何故なら、この二人が四行の場に同時に出てきたという記録は無い」
「ならば、別人格と考え…その人格が望むことを叶えてやるのが解決の糸口か?」
柳也「なんだ、違うのか。いいところいってると思ったんだが…」
ドッペル郁未「…ただ、望むことを叶えてもらうのはいいわね。何をしてくれるのかしら」
柳也「なるほど…。では、お前の望みはなんだ?」
ドッペル郁未「…私をもうつれてこないで」
柳也「それは今回の主旨ではない。今できることだ。なるべくその望みも叶えるようにしたいが…」
神奈「柳也殿。ドッペル殿の望みをかなえると申すか」
柳也「俺が仕える主君は、困ってる人を助けないわけはないと信じているからな」
神奈「ふむ…。だがしかし、連れてこないように、とは難しくないかの?」
柳也「…言われてみればそうだな。俺達にあまり主導権はないからな」
あゆ「今回は連れてきちゃったけどね」
神奈「しかし…つれてきた張本人は余ではない。そこに問題があるのだ」
ドッペル郁未「…随分絶望的ね」
柳也「まあ連れてくるこないはちとしょうがない。が、他に望みがあれば聞けるぞ」
ドッペル郁未「…じゃあ、どうしたら私達が報われると思うの」
柳也「それはだな…ん? ちょっと待て、達とはどういう事だ?」
ドッペル郁未「………」
あゆ「あのう、ドッペルちゃん。答えてあげないと」
神奈「まだ何かからくりがありそうだの。では次の客人参るがよい!」
住井「話を聞くに、要するにこのドッペルさんは一人じゃない。実は複数人いると考察するぞ」
神奈「何気なくあれやこれや考察をしておるといういかがわしい評判の住井護殿だ」
あゆ「どういう紹介の仕方なの…」
柳也「現代人の鋭い考察が混ざるならば心強いとも思う。が、複数人いるとはどういうことだ?」
住井「それはだな…四行で語るとしよう」
ドッペル郁未「…もったいぶってるだけじゃないの」
「ドッペル郁未、という存在は実は他にもいる」
「それは表には出てきていないが…という解釈を俺はした」
「つまりは、この人は代表なんだろう。結構なとこを突いてくるしな」
「かたくなに一つの願いしか出さないという事は、狭い空間にいると思うが…どうかな?」
住井「そりゃどうも。で、俺が思うにあんたらが報われるには…」
ドッペル郁未「…報われるには?」
住井「一度、複数人全部が表に出てきて会議とかしたらどうだ?」
住井「もちろん、俺か誰かを議長にして…それで意見を聞く」
住井「まとめを最終的に出せれば、精神分裂みたいなのもなくなって…」
ドッペル郁未「…帰るわ」
あゆ「わ、護君が話してる途中なんだけど」
ドッペル郁未「…まったく参考にならないわ」
住井「そんな、実行する前から…」
ドッペル郁未「実行できないから言ってんのよ!」
住井「そんな馬鹿な…」
柳也「何か決め付けの方へ話が向いているな」
神奈「そうかもしれぬ。では更に客人の登場であるぞ!」
舞「………」
神奈「というわけで舞殿。ドッペル殿について四行を頼むぞ」
舞「…任せて」
ドッペル郁未「…今後は期待しないわ」
あゆ「でも聞く気はもってくれたんだね。よかったよ」
ドッペル郁未「…そうね」
柳也「まぁ、聞く前から切り捨てていても始まらないからな」
住井「っていうか俺の意見切捨てられたんだけど…」
「ドッペル郁未…何かの…心の分身…?」
「だから、切り捨てる事はできる。魔物を狩るように…」
「でも…受け入れなきゃだめ。それも自分の一部だから…」
「もう一つの心に、呼びかけないと…」
舞「…多分」
ドッペル郁未「…初めて報われそうだわ。ふふ、意見を聞いてよかったわ」
住井「おい、俺と似たようなのじゃないのかよ」
ドッペル郁未「全然違うわ」
住井「どこがだよ」
あゆ「まあまあ、護君。ドッペルちゃんはドッペルちゃんなりに感じたものがあるんだよ」
神奈「そうであるの。初めて反応が穏やかであったしの」
柳也「で、舞。もう一つの心に呼びかけるとはどうやるんだ」
舞「…直にここで言うしかない」
柳也「誰に」
舞「…多分、郁未」
柳也「何をだ」
舞「…分からない」
ドッペル郁未「…いえ、ちょっと待って。本当にそれで私達は報われるのかしら?」
神奈「ん? どういうことなのだ?」
ドッペル郁未「多分…私達が報われるためには…」
舞「…郁未が郁未自身で受け入れないとだめ」
ドッペル郁未「…そう、そういう事よね」
住井「どういう事だ?」
柳也「つまりは、郁未に干渉して受け入れさせるというのはだめだ、という事だ」
あゆ「うぐぅ、だったらどうやって解決策を実行するの?」
舞「…難しい」
あゆ「それに、郁未さんじゃなくってドッペルちゃんに対して何かできないのかな?」
舞「…精神を鍛えるくらい」
柳也「精神を鍛える、か…どうやったら鍛えられる?」
住井「いい案があるぞ。たしか、霧島さんと遠野さんのコンビとやりあって…」
神奈・あゆ・ドッペル郁未「「「却下(だ)(だよ)(よ)」」」
あゆ「いくらなんでもあの二人じゃね…」
神奈「鍛えるどころか、ますます病んでゆくぞ」
ドッペル郁未「絶対に報われなくなるわ」
住井「な、なんだよ三人揃って…」
舞「息ぴったり」
柳也「それだけ心が通い合ってるってことか」
ドッペル郁未「…はあ、いい案は出ないものね」
神奈「そう嘆くでない。今後こうして参加することでいい方法は見えてくるであろ」
ドッペル郁未「…だから、私を呼ばないでほしいんだけど」
あゆ「うぐぅ、そう言われても…」
舞「…難しい」
柳也「だな。まぁ呼ばれたら呼ばれたなりに覚悟を決めて、意見を求めてみろ」
ドッペル郁未「…そうするわ」
住井「そうそう。俺もまた考えるから」
ドッペル郁未「…あなたの意見は二度と聞かないわ」
住井「おい…」
あゆ「じゃあ神奈ちゃん」
神奈「うむ。次回にこそよい結果を得たいものであるの、というところで…」
舞「ところで…?」
神奈「これにておしまいとする!」
ドッペル郁未「…やっぱり報われない気がするわ」
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