懲りずに第百四十八弾です。
★神奈
あゆ「ねえ神奈ちゃん」
★あゆ
少年「なるほど…そこはいい意見だね」
★少年
あゆ「それって…」
★郁未
少年「さあ、次のゲストを呼んでくれよ」
★詩子
少年「これまた意表をついた四行だね」
★栞
少年「さすがに作り笑いじゃないよ」
<あはいひうふえへおほ>
ずっと前に、四行小説の練習になってる、
とかなんとかぬかしたことがありましたが…
こんなんでなるんなら世の中苦労しまへんわー(当たり前)
真面目に続けるならこういうコーナーも大変なはずなんですがね…。
『4行小説』
「人物語り。今回は少年殿だ」
「少年という以外に名前が無いとは、謙虚をとおりこしておるの…」
「出てくるたびに落ち着いた姿を見せておるが…」
「もはやすべてを悟っておるのかもしれぬの」
神奈「なんだあゆ殿」
あゆ「少年、って名前にしちゃっていいのかなあ…」
神奈「仕方ないであろ。本人がそう申しておるのだ」
あゆ「うぐぅ…」
少年「そう。僕が言ってることだからね。君たちが気にする必要は無いんだ」
神奈「おお、やってきおったの。相変わらず落ち着いておるの」
少年「そう映るんだったら、多分この場がいつも騒ぎすぎなんじゃないのかな」
神奈「そうかもしれぬの…」
あゆ「うーん、でも落ち着いてる部類には入ると思うけどなあ」
少年「ははは、まあいいや。あと、すべてを悟ってるなんてそんなご大層じゃないからね」
神奈「そうなのか?」
少年「そりゃそうだよ。僕だって身近なことしかわからないさ」
神奈「ふーむ…」
少年「えっと、それじゃあ次は…」
あゆ「あ、ボクが語る番だね」
「悟りについては否定されちゃったけど…」
「ある程度悟ってる、っていうのは間違いないと思うよ」
「だって…多分、この場を普通に受け入れてるからね」
「諦めとは違う順応性を持ってると思うんだよ」
あゆ「実際のところはどうなの?」
少年「うんそうだね。普通に受け入れて、というくだりは間違いない」
神奈「誰かにつれてこられたのであろ? よく順応できたものだの」
少年「いやいや、実はそうじゃないんだ」
あゆ「え?」
神奈「なんと、そうなのか?」
少年「そう。実は自然に登場して、そして溶け込んだ…なんて状態さ」
あゆ「へええ…」
神奈「それは驚きだの…」
少年「もしかしたら連れてこられたのかもしれないけど…まぁそこは深く気にしないことにする」
あゆ「それって要するに…」
神奈「あばうと、というやつであろ? ふふん、余もぼきゃべつがするどくなったものであるの」
あゆ「何ぼきゃべつって…」
少年「ボキャブラリーの事じゃないかな」
神奈「うっ、そ、そうとも言うの」
あゆ「なあんだ。…だったら神奈ちゃん、鋭くなったとかは言わないよ?」
神奈「…そのようなことより、次は少年殿の四行であるぞ」
少年「あ、ああ、そうだね」
あゆ「うぐぅ、また誤魔化した…」
「僕自身、あまりこの場で深く自分のことは語りたくない」
「そんなにいい出生話なんてあるわけじゃないからね」
「でも、ただ…」
「ある彼女との繋がりだけは強調しておきたいね」
神奈「この御仁であろ?」
郁未「って、そういう呼ばれ方するとはねえ…」
少年「あっ…」
神奈「というわけで、天沢郁未殿だ」
あゆ「うぐぅ、いきなりゲスト登場なんだ」
神奈「今回は余なりに趣向をこらしてみたのだ」
あゆ「すごい趣向だね…神奈ちゃんも勉強してるんだ」
神奈「ふふふ、余をいつまでも甘くみてるでないぞ」
郁未「微妙な会話をしてるのはほっといて、と…。随分久しぶりね」
少年「そうなるね」
郁未「この場じゃあ、たしか今まで会ってなかったわよねえ?」
少年「そうなるね。もちろん、先の話はわからないけど」
郁未「相変わらず意味深な発言するわね…」
少年「そんなことはないよ」
郁未「で、何。私との繋がりを強調したいって?」
少年「ああ。…が、もうそれに語る必要はないよ」
郁未「どうしてよ」
少年「こうして直に会った。それだけで十分なはずだからね」
郁未「はあ、そうなのかしらねえ…」
あゆ「なんか二人でどんどん会話してるけど…」
神奈「ええいっ、進行役をほったらかしで話を進めるでないわ」
郁未「残念だけど、もう終わりよ。次は私が語る番」
神奈「…まったく、傍若無人がこの場は多すぎるの」
少年「僕に免じて許してくれないかな。彼女は特別なんだ」
神奈「…まぁ、少年殿がそう申すなら許さぬでもないがの」
郁未「偉そうねえ…っていうかあんた少年殿なんて呼ばれてるの?」
少年「名前の都合仕方ないよ」
郁未「やれやれね…」
「色々悩まされたわ…」
「けど、心の支えにもなった…」
「私にとって特別な存在であるというのは間違いないわね」
「一つ気になるのは…やっぱり名前なんだけど…」
神奈「今郁未殿が語ったばかりなのであるが…」
少年「コメントはもうつける必要ないと思うよ」
郁未「ちょっと、あんたそんないいかげんな」
あゆ「名前には触れて欲しくないってことかな…」
郁未「…分かったわよ。それ以外で何かコメント頂戴」
少年「随分物分りがいいね」
郁未「いつまでもぐだぐだやっててもしょうがないからね」
少年「さあ、それじゃあコメントを頼むよ」
あゆ「…って、ボクがコメントするのかな」
神奈「当然であろ。いや、少年殿も語って差し支え無いのだが」
少年「僕は素直に頷いておくだけにするよ」
あゆ「えーっとそれじゃあボクは…」
郁未「もういいわ、とっとと次のゲスト呼んでやって」
あゆ「うぐぅ…」
神奈「よいのか?」
郁未「よいもなにも、内輪の話にコメント無理にできないでしょ」
あゆ「それもそうだね…」
神奈「仕方ないの。では次なる客人よ、まいるがよい!」
詩子「まったくえらそうねえ、神奈ちゃん…」
神奈「…と、いきなり無礼な発言をした柚木詩子殿だ」
あゆ「無礼じゃなくって、事実を言っただけなんじゃ…」
郁未「そうよねえ…」
少年「えーっと、それじゃあ早速語ってもらっていいかな」
詩子「承知したわ。と言いたいけど、イマイチ繋がりが薄いわね…」
少年「ぱっと見の印象だけでもいいんだよ」
詩子「そう、それじゃ…」
「優男…」
「に見えて、実はすんごい強そう、なんてね」
「一応遠い繋がりはあって…」
「私の友人の茜のバイト仲間の葉子さん、と知り合いよね?」
詩子「そりゃどうも」
郁未「強い、ってのは多分当たりよ。ねえそうでしょ?」
少年「さあどうかな」
郁未「何よ。少なくとも弱くはないでしょ?」
少年「どう頑張っても郁未よりは弱いよ」
郁未「…あとで半殺しにしてやるわ」
少年「とまあ、こういう理由から僕はそう強くないんだ」
詩子「それ、全然誤魔化しになってないわよ」
あゆ「ボクもそう思う…」
神奈「語られる場になると、どうもごまかしが目立つの…」
少年「さて後者については…ふむふむ、たしかにつながりはあるね」
郁未「葉子さんと? なんで?」
少年「彼女はAランクだ。僕と会う機会はあって当たり前だ」
郁未「…そうなんだ?」
少年「ああそうだよ。作中には直接語られてないけどね」
郁未「間接的には語られてるってこと?」
少年「多分ね」
郁未「曖昧ね…」
詩子「ちょっとちょっと、なんで郁未が積極的に受け答えしてるの?」
郁未「その方が話がとおりやすいでしょ」
詩子「そりゃそうだけど…私の四行なんだけどな…」
あゆ「まあいいじゃない。疑問がわかれば」
詩子「そんな問題じゃないでしょ」
少年「わかったわかった。謝罪するよ、今度からはちゃんと僕と質問者で語る」
詩子「今更な気もするけど…そうして頂戴」
あゆ「どうして郁未さんが謝らないの?」
郁未「細かいことは気にしないの」
神奈「おほん。さて次は最後の客人であるぞ」
詩子「はやっ! 今宣言が得られたばっかりなのに?」
神奈「仕方ないであろ。人数が増えると認識できぬのだ」
詩子「まったくもう…」
栞「えっと、こんにちは」
神奈「むぅ、余が合図を出す前に来るとは…。美坂栞殿だ」
栞「えっ? アイスを出してくれるんですか?」
ぽかっ
栞「痛い…。ひどいですー」
郁未「くだらない事言ってないでとっとと語りなさいよ」
少年「乱暴だね」
あゆ「そうだよ。殴るまでしなくていいと思うよ」
詩子「ツッコミのつもりなんじゃないの。気にするとこじゃないわよ」
郁未「そうそう。ボケに対するツッコミよ」
栞「うう、あんまりです…」
神奈「なにやら話がこじれておるが…。栞殿、この少年殿について四行であるぞ」
栞「あ、はい…」
「随分とおとなしそうな方ですね」
「怒るとかってあるんでしょうか?」
「けど、それ以上に…心の底から笑ったことってあるんでしょうか?」
「今見せてる笑顔も、作り笑いなのでは…」
栞「そうですか、安心しました」
少年「しかし…心の底から笑ったことか…厳しいところをついてくるね」
栞「あ、すみません…」
少年「いや、気にしなくていいよ。でも…」
郁未「大丈夫よ。今後たくさん出てくるはずだわ、そういう機会が」
少年「郁未…さっき僕が謝ったばかりなんだけど…」
郁未「細かいこと気にするわねえ…」
詩子「あー、まあいいんじゃないの。郁未だって見ていられなくて口出ししたんだと思うし」
郁未「ええそうよ、そう」
少年「そうか…じゃあ、いいよ」
郁未「さて、話が途切れたけど…」
郁未「私が笑う場を作ってあげるなんてご大層な事言うつもりはないけどね」
郁未「それでも、この場だと笑えるはずだって思うのよ」
あゆ「…ねえ郁未さん、それ本気?」
神奈「余達はどうも笑えぬ場が多いのだが…」
栞「それは宿命というものではないでしょうか」
栞「大丈夫ですよ。郁未さんが仰るとおり、きっと…」
郁未「そう。あんたらは別として…」
少年「僕も心からずっと笑っていられる日がくる、か…期待するよ」
詩子「うんうん、いーまとまり方ね」
少年「けど郁未。君と過ごした日々でも僕は笑っていたはずだよ」
郁未「非日常の中の日常? …ふふ、じゃあここは日常の中の非日常ってとこね」
少年「ははは、言いえて妙な表現だね」
郁未「ありがと」
詩子「おっ、笑う第一歩かしら?」
栞「喜ばしいことですね」
あゆ「…ねえ神奈ちゃん、そろそろ終わらない?」
神奈「いやいやあゆ殿。余達もこういう意識が大事なのだ。心から笑おうとする意識が!」
あゆ「…そうだね。希望を捨てちゃいけないよね」
神奈「そうだ。ではこれにておしまいとする!」
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