『AIR偽小説第百四十五弾』

懲りずに第百四十五弾です。
今回のこの言葉って、正確にはあーだこーだ、
なんて曰くがあったような…(あーだこーだじゃわからん)
こういう難しいのは何を語っていいやら困りますな。


『4行小説』

★観鈴
「今回のテーマは蝉衣っ!」
「…って、どういうのなのかよくわかんない…」
「だから蝉についてかんがえよっと。セミといえば…」
「往人さんがよくつかんでくれた、にはは」

瑞佳「蝉つかみ名人?」
観鈴「うんそう」
瑞佳「素手で?」
観鈴「うん、素手」
瑞佳「へええ…」
観鈴「にはは」
瑞佳「ところで、蝉衣ってのは、薄物の夏の着物を蝉の翅にたとえて言う言葉だよ」
観鈴「わ、そうだったんだ」
瑞佳「うんそう」
観鈴「瑞佳物知り、うんうん」
瑞佳「一応アシスタントだしね。司会のフォローってやつだよ」
観鈴「にはは、ありがとう」
瑞佳「それじゃあ四行いくね」
観鈴「うん」

★瑞佳
「さて、本来の意味になぞらって考えると…」
「わたしが着てる制服ってふさわしくないよね…」
「というわけでぱーっとぬいじゃおっかなー」
「なんてね、あははは」

観鈴「脱がないの?」
瑞佳「あの、真顔で反応されても困るんだけど…」
観鈴「暑くないの?」
瑞佳「それは今更だよ」
観鈴「でも…」
瑞佳「観鈴のその制服だって、結構暑そうに見えるけど?」
観鈴「通気性いいから大丈夫」
瑞佳「黒っぽいけどなあ…」
観鈴「それに慣れてるから」
瑞佳「うーん、でもねえ…」
観鈴「瑞佳の方を気にするべき」
瑞佳「そうかなあ…」
観鈴「そうだと思う」
瑞佳「うーん…」
観鈴「うーん…」
あゆ「よく唸ってるね…」
観鈴「わ、あゆちゃんいらっしゃい」
瑞佳「うわ、わたしより暑そうなカッコだよ」
あゆ「今更それぞれの格好を気にしても…。それにテーマはそうじゃないでしょ?」
観鈴「あ、そだった」
瑞佳「蝉衣だったね。あぶないところだったよ」
観鈴「それじゃああゆちゃんお願い」
瑞佳「蝉衣で四行だよ」
あゆ「うぐぅ、なんだか凄く誤魔化された気がする…」

★あゆ
「蝉衣ってぱっと聞くと…」
「蝉の着ぐるみ、なんて発想になっちゃわないかな」
「かぽって頭までかぶって、後ろは当然羽がついて…」
「それを着て、木につかまってみーんみーんって鳴くとかね」

瑞佳「ねえ観鈴、それやっぱり暑くない?」
観鈴「瑞佳の方こそ暑いから脱ぐんじゃなかったの」
瑞佳「いくら暑くてもぱーっと脱ぐなんてできないでしょ」
観鈴「だったら観鈴ちんもやらない」
あゆ「うぐぅ、ボクの四行無視なの…」
瑞佳「着ぐるみの話に盛り上がりたくないもん」
観鈴「にはは、ちょっとついていけなかった」
あゆ「うぐぅ…」
観鈴「でも、やってみたらセミの気持ちになれるかもしれない」
あゆ「え?」
観鈴「やっぱり、色んな生き物もそれぞれになりきってみないとわからないしね」
あゆ「うんうん、そうだよね」
瑞佳「じゃあ…ダッフルコート着てミトンつけてカチューシャつけて羽リュックしょったら…」
茜「あゆの気持ちになる…という事ですか」
瑞佳「って、里村さん!」
観鈴「わ、司会の宣言の前に登場、里村茜さん」
茜「たまには意表を…と思いました」
あゆ「…ねえ、意表はいいけど、どうしてボクと同じカッコすればボクの気持ちがわかるの」
茜「…お約束」
あゆ「うぐぅ…」
茜「これで…」
瑞佳「これで?」
茜「食い逃げの気持ちがわかること請け合いです」
あゆ「ちょっと! そんなのわからないから!」
茜「…ありえません」
あゆ「うぐぅ、そんな否定の仕方しなくても…」
観鈴「え、えっと、とりあえず蝉衣で四行やって、ね」
茜「…はい」

★茜
「薄着になると…男性の視線が痛いのです」
「どうして執拗に女性をみてしまうのでしょうか…」
「少しは遠慮していただきたいものです…」
「…以上です」

瑞佳「な、なるほどね…」
観鈴「瑞佳は経験あるんだ」
瑞佳「いやぁ…なんか想像しちゃうとね…」
あゆ「やっぱり冬がいいよね。厚手の服着られるし」
茜「そうです…。雨が降った日などは特に…」
観鈴「雨…あっ」
瑞佳「服が濡れて透けちゃう、ってことだね」
茜「…はい」
あゆ「うーん、大変だよね…」
瑞佳「随分と他人事に聞こえるんだけど?」
あゆ「うぐぅ、そんなことないけど」
晴香「まぁ、貧乳にとっちゃあどうでもいいのかもね」
観鈴「わ、また司会に断りなく登場」
瑞佳「巳間晴香さんだね。もう少し遠慮してよ」
茜「…そうですね」
晴香「いや、あんただっていきなり登場してたでしょ」
あゆ「ちょっとそんな事より! 今ひどいこと言ってなかった!?」
晴香「事実を言って何がひどいの。真実は常に残酷なものよ」
あゆ「うぐぅ、ひどいよ!」
観鈴「えっと…巳間さん、蝉衣で四行やってほしいな」
晴香「ええ、心得たわ」
茜「…随分と平常心をもっておられるようで」
瑞佳「平常心…?」

★晴香
「薄い衣…そうね、天女なんてものを出しておこうかしら」
「天女の羽衣のなんて薄いこと…」
「けれども、それには絶大な力が込められているの」
「そう、案外力とはそういうものかもしれないわね」

瑞佳「どういうこと?」
晴香「それはね…見た目は小さくても実は大きな力を持って…まぁ、そうじゃない例もあるけど」
あゆ「ちょっと! 今ボクの方を見ながら言ったでしょ!?」
晴香「気のせいよ。由依とよく似てるなあってふと思ったわけよ」
観鈴「由依ちゃん…」
瑞佳「ということは…」
茜「…貧乳、とやらですか」
晴香「あら、よくわかってるわね」
あゆ「ちょっと! みんなして、どうしてそういう事言うの!?」
茜「…ネタですから」
晴香「そういう事ね」
あゆ「酷いよそんなの!」
晴香「もっとも、貧乳以外にも共通点はあってね、不可視の力についてとか…まあいいわ、他はどうでも」
あゆ「いい加減にしてってば! なんでそういう発想ばっかり!」
瑞佳「なんか荒れてきちゃったね…」
茜「そろそろ終わりにしてはいかがでしょうか」
観鈴「にはは、そうだね…これにておしまいっ!」

<結局ほんのちょっと触れただけ…>


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