『AIR偽小説第百四十三弾』

懲りずに第百四十三弾です。
夏のイベントに参加してきました。
そこで面白いものを入手してきたので、すかさずテーマに取り上げます。
でも…最近彼女がどうもアッチ系に行ってる気がしなくもないのですが…(今更だなぁ)


『4行小説』

★美凪
「某夏のイベントにて、進呈封筒にお米券…というアイテムが販売されていました」
「ビバ、お米券。万歳、お米券。ハイル、お米券。マンセー、お米券。とれびあ〜ん」
「これに便乗しないわけにはいきません…」
「今回のお題は…お米券は素晴らしい、です」

神奈「そして何故、余があしすたんとなのだ…」
美凪「お米なぞ三食食べて当たり前、夜中に米びつを平らげることも日常茶飯事の神奈ちんです」
神奈「さすがに余はそこまで食さぬぞ?」
美凪「…?」
美凪「まさかそんな…」
神奈「そのような疑いの目をもたれても困るのだが」
美凪「このお米券通信に寄ると、事実なのですが…」
神奈「なんだそれは」
美凪「世界のお米券とぐろーばるねっとわーくで結ばれる事により…」
美凪「いついかなる時もお米を知る事ができる、超雑誌です」
神奈「…よくわからぬがすごい書物であるの…米のことがわかるなど…」
美凪「…えっへん」
神奈「い、いやしかし、それはそれでも余は…」
美凪「では、すっきりしたところで神奈ちん」
美凪「お米券は素晴らしい、について四行語っちゃってください」
神奈「う、うむ…(結局押し切られてしまうのだの…)」

★神奈
「お米券は素晴らしい…普通に考えればそうであるの」
「斯様な紙切れが、どどんと米俵に化けるのだ!」
「現代には奇妙な流通が発達しておるのだの…」
「まことに不思議だの…斯様な紙切れが…」

美凪「………」
ぶんっ
びしっ
神奈「ぬわっ!?」
美凪「神奈ちん、身をもってそのお米券の強さを知るのです」
美凪「斯様な紙切れ、ではありません。お米券、です」
美凪「あなたはまだまだ経験値が足りません…」
べりっ
神奈「ええいっ、余が何をしたというのだ!」
美凪「…やはり、普段からお米を愛す神奈ちんには効果が薄いようですね」
神奈「な、なんだと?」
美凪「理由については、ご自身で考えてください」
神奈「ぬぬぬ…」
美凪「ではゲストをおよび致しましょう…」
雪見「やれやれ、こんな場に呼ばれるとはね」
美凪「部長同盟の誓いはいずれ果たされましょう…」
美凪「お米券と共にあれば、お米の一粒たりとも演じてみせる、演劇部部長の深山雪見さんです」
雪見「いや、さすがにお米は演じられないと思うけど…」
美凪「お米の国に住むお米の王子と王女がいればどうでしょう…」
美凪「そこでお米を演じないで何を演じるというのでしょうか?」
雪見「なるほどね…って、いや、そもそもそんな演劇は存在しないわよ」
美凪「お米の一粒一粒には神様が…ならば、演劇も存在してしかるべき…」
神奈「雪見殿、美凪殿には何を言っても無駄であるぞ」
雪見「そうみたいね…」
美凪「さて、一区切りつきましたところで四行をお願いします」
雪見「あ、はいはい」

★雪見
「えーっと、テーマは…お米券は素晴らしい…?」
「………」
「ま、まぁ、あの分量であれだけの米が入手できるとすれば…」
「家にたくさん溜めておけば非常時にも安心?なんて…あははは」

美凪「…了承」
ぐっ
雪見「なんで親指立てられて了承なんて言われなきゃならないの…」
美凪「えっへん、誰かのマネです」
美凪「訂正、マネの合成です」
雪見「あんまりマネってよくないと思うけど…」
神奈「人マネをしておると嫌われるそうであるぞ」
美凪「…神奈ちん、またそのようなデマゴークという集団を…以下略です」
神奈「???」
雪見「いや、以下略されたらわかんないでしょ」
神奈「うぬぬぬ…」
美凪「…神奈ちんこそ、かのりんのマネがお好きのようで」
神奈「ぬあっ!?こ、これは違う、違うのだ!」
雪見「まぁなんでもいいけど、演劇ではマネするってのは重要よ」
美凪「…左様で」
雪見「もっとも、それは入り口。本当は、演じる役に心底なりきって…」
雪見「そう、いわば仮面をつけなければならないの。役のね」
美凪「…深山さんは話題を変えるおつもりで?」
雪見「そうじゃなくて…ちょっと演劇について語りたかっただけなんだけど…」
美凪「…失礼いたしました。さあ、神奈ちんも謝礼を」
神奈「何故余が…」
美凪「では、更なるゲスト様をおよびしましょう」
少年「僕がこんなところに居ていいのかな…」
美凪「食生活は一切の謎。これではお米券の効力にもあやかれておりません。なんという可哀想な運命…」
美凪「そんな貴方にお米券を進呈。これで新たな道を踏み出してください…そんな少年さんです」
神奈「随分と長い前ふりだの…」
雪見「回を重ねるごとに説明が長くなってくんじゃないかしら…」
少年「ははは、お米券かい…。まぁありがとう、いずれ使うときがくるよ、きっと」
美凪「いずれでは困るのですが…」
神奈「まぁよいではないか。さて少年殿、お米券について四行を…」
美凪「違いますよ神奈ちん」
神奈「何が違うというのだ」
美凪「テーマは、素晴らしいお米券、です」
神奈「………」
雪見「なんか…他の形容詞作って別の回もやろうとしてるんじゃ…」
美凪「………」
美凪「…ちっ」
雪見「あんたね…」
少年「えーと、とにかく語ればいいんだよね?」
神奈「う、うむ、そうであるぞ」

★少年
「実はお米券を見るのは初めてなんだ」
「なんだい、これ一枚で20kgのお米と交換してくれるのかい?」
「全国共通、有限会社新沼米酒店、か…」
「20kとはふとっぱらだねえ…これは貴重そうだ」

美凪「…それは、お米券の感想…です」
少年「ん?ああ、すまないすまない。つい感心しちゃってね」
美凪「感心ですか…素晴らしいと思いませんか?」
少年「たしかに素晴らしいかもしれないね。この一枚が20kgの米になるんだ」
少年「お米を何百キログラムもためておくよりは、お米券を何十枚の方が効率的だね」
美凪「…左様です」
美凪「…ぽ」
少年「…何で照れるんだい?」
美凪「…ぽぽ」
少年「だから何故…」
雪見「美凪のツボに入ったみたいね…」
神奈「余も素直にすごいすごいと言っていたはずなのだがの…」
雪見「表現の問題じゃないの」
神奈「どういうことだ」
雪見「それはね…」
美凪「お米券は、たかが紙切れではありません」
雪見「…という事ね」
神奈「うむぅ…」
少年「ええと、とりあえずこれで終わりなのかい?」
美凪「いえ、そうはとんやがおろしません…」
美凪「最後のゲスト様、登場です…」
名雪「なんだか前に見た顔ばっかりだね〜」
美凪「陸上部の部長にして、苺をこよなく愛し…更にはお米を生涯の共に誓った水瀬名雪さんです」
名雪「う〜、わたしそんなことしてないよ〜」
美凪「リレーで走る時は、はちまきに書かれた“お米券命”の文字がトレードマークです」
名雪「う〜、だから違うよ〜」
少年「お米券命とは…すごいね…」
雪見「いや、だから違うでしょ」
神奈「結局美凪殿の暴走は止まらぬのだの…」
美凪「それでは水瀬さん、最後を飾るべく四行をこなしちゃってください」
名雪「う〜、わたし誤解されたまんまじゃないかな…」

★名雪
「お米券に執着しすぎてる…って気がしなくもないけど…」
「普通にお米を買いに行くのじゃあだめなのかな?」
「祐一なんかしょっちゅう買いに行ってたんだよ」
「あ、でも…お財布落とさなくて済むかもしれないね、お米券のみを封筒で懐に入れておけば」

美凪「…イマイチですね」
名雪「う〜、そんなこと言われても…」
神奈「名雪殿は唸ってばかりだの」
少年「唸っても仕方の無い言葉をかけられてるってことじゃないかな」
雪見「結局不憫よね…」
美凪「では、次に謀らずして集まった部長同盟による臨時集会を…」
雪見「いや、ゲスト呼んだのあんたでしょ…」
名雪「凄く謀ってると思うよ?」
美凪「こだわりを捨てねば、会議は躍ってしまいます…」
美凪「眠気すっきり、クールにいきましょう」
名雪「なんだか誤魔化してる…言うとおり、わたし眠いけど」
少年「ええと、僕らは退散すべきなのかな」
神奈「そうであるな。余は部長とやらではない」
雪見「付き合ってけば?別にあなたたちくらいなら…」
美凪「深山さん、それではいけません」
美凪「そう、我々部長同盟は存在を知られてはいけないのです…」
雪見「…とっくにバラしてない?」
美凪「…存在を否定されてはいけないのです」
雪見「誰も否定してないと思うけど…」
美凪「では…」
名雪「わあああ〜、もういいから。早く切って始めよ?」
神奈「では一旦区切りであるな。進行役の美凪殿よ、締めの言葉を申すがよいぞ」
美凪「…日本人は…お米族…」
少年「それは締めの言葉って言うのかい…?」
美凪「…日本人は…お米券族…」
雪見「ますますかけ離れてるわよ」
美凪「…私にどうしろと?」
雪見「普通に終わりなさいよ…」
神奈「そうであるぞ。ここまでにする!などだ」
美凪「ではそれで」
神奈「うむ」
美凪「…神奈ちんが先ほど宣言されましたので、これにて閉会です」
神奈「………」
雪見「上手いわね」
少年「今のって横取りっていうんじゃないのかな」
名雪「こんな調子で部長同盟の話なんてできるのかな…」

<いけません>


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