『AIR偽小説第百三十三弾』

懲りずに第百三十三弾です。
最近AIRの公式アンソロジーコミックをまた目にするようになった気がします。
一時ぶっつりと途切れてましたからねえ…。
アニメ効果に乗って、って事なのでしょうか。
(まぁ、帯に堂々と書いてるんだけどね)


『4行小説』

★神奈
「さて人物語り。今回は川口茂美どのであるぞ」
「たしか、観鈴どののくらすめえとであると余は聞いた」
「さてさて、どのような人物なのかのう…」
「余はおうた事がないがの」

あゆ「…だれ?」
神奈「あゆ殿、余の宣言を聞いておらなんだのか?川口茂美殿だ」
あゆ「だから誰なの、それ」
神奈「観鈴ちんのくらすめえとだ」
あゆ「…会った事無いんでしょ?」
神奈「そうだ」
あゆ「今までこの場に登場した?」
神奈「…たしか、今回佳乃殿が初めて連れてくるらしいぞ」
あゆ「なんでそんな人を語れるの…」
神奈「…それもそうだの」
あゆ「もう、神奈ちゃん後先考えずに人物出せばいいってもんじゃないよ?」
神奈「う、うむ…。しかし、この紙に書かれておるのだ」
あゆ「…何その紙」
神奈「人物語りの計画表だ。間違えてはいかんと、裏葉に作ってもろうたのだ」
あゆ「裏葉さん…。裏葉さんも裏葉さんで、無茶やるよね」
神奈「うむ…そうであるの…」
裏葉「あらあらまあまあ、お二人してそのようなことを申しあそばすとは…」
神奈「ぬわっ!う、裏葉!?」
あゆ「うぐぅっ!気配を断ったままの登場!?」
裏葉「そうでございますよ。そして…」
茂美「ええと、こんにちは。川口茂美ですけど…」
裏葉「此度のお客様は私がお連れ申しました」
神奈「用意周到であるの。…なるほど、おぬしが茂美殿であるな。余は神奈だ」
あゆ「えっと、ボクはあゆ、月宮あゆです。よろしくね…茂美ちゃん」
茂美「はあ…よろしくお願いします…」
裏葉「では神奈さま、早速語りにはいってくださいませ」
神奈「う、うむ…」
茂美「あの、ところで私は…というよりここは一体…」
あゆ「…混乱してるみたい?大丈夫だよ、悪いところじゃないから。わけがわからないと思うけど…」
茂美「はあ…」
神奈「こほん。ではまず茂美殿だ」
茂美「え?」
あゆ「あ、待って待って、まずボクからいくよ。その方がわかりやすいでしょ?」
神奈「そうであるな。ではあゆ殿だ」
裏葉「お手本でございますね。さて茂美さま、あゆさまのやる事をご覧になっててください」
茂美「は、はあ…」

★あゆ
「ええーっと…」
「み、観鈴ちゃんのクラスメートなんだよね」
「という事は、美凪さんとも知り合いで…えーっと…」
「うぐぅ、何を語っていいかわかんないよぅ…」

裏葉「…あゆ様」
あゆ「うぐぅ、ごめんなさい…」
神奈「こほん。まあこのように、茂美殿について四行語るのだ。よいかの?」
茂美「あのう、まったく意味がわからないんですけど…」
あゆ「ごめんね、ボクが失敗しちゃったから…」
裏葉「仕方ありませんね、続けて私めが参りましょう」
茂美「いえ、あの、そもそも四行って?」
神奈「あゆ殿が独立で四行やったであろう?それであるぞ」
茂美「…で、それに意味は?」
神奈「細かいことを気にしていてはこれから楽しく暮していけぬぞ」
あゆ「神奈ちゃん、それってすごい言い訳…」
裏葉「まあまあ、まずは私めが」

★裏葉
「茂美さまは、観鈴さまのくらすめえとという事ですので…」
「こうして制服姿でいらしていただきました」
「往人さまが適当にかけた…いえ、出席番号とやらが観鈴さまのすぐ後でいらしたのですよね」
「そのご縁ですが…観鈴さまのことを案じてらした、優しい心の持ち主であるとお見受けしまする」

裏葉「…と、このような感じなのでございますよ」
茂美「へ、へええ…」
神奈「裏葉はさすがであるの…しかも余より断然事を知っておる…」
あゆ「っていうより、知らないと語れないんじゃないの」
神奈「同感であるの…」
あゆ「うぐぅ…」
裏葉「神奈さま、そのような事を仰られるより先に、茂美さまに四行をやっていただかねば」
神奈「誤魔化したの…。まあよい、裏葉の言うとおり、茂美殿。四行をするがよいぞ」
茂美「え、えっと…はい」

★茂美
「えーっと、私について…ですよね…。語ることといえば限られてくるのですが…」
「裏葉さんも仰られてましたが、神尾さんとはクラスメートで…」
「出席番号もすぐ後です。けど、神尾さん学校でもほとんど話をしなくて…」
「大丈夫なのかな…って、凄く心配です」

神奈「…話題が観鈴ちんへそれておるの」
茂美「す、すみません」
裏葉「それだけご友人思いという事なのでございますよ」
あゆ「無理もないかもしれないけどね…」
茂美「はあ…」
神奈「ならば致し方あるまい、客人としてはこの者を呼ばずとしてなんとする!であるな」
観鈴「に、にはは…」
裏葉「観鈴さまの登場でございますね」
あゆ「うわぁ、すっごいお約束展開だね…」
神奈「これあゆ殿。余計な事を言うでない。…こほん、とにかく客人として観鈴殿来訪であるぞ」
茂美「神尾さん…」
観鈴「にはは、なんだか心配かけちゃってごめんね。っていうより…むしろ川口さん、大丈夫?」
茂美「…なんだか神尾さん、学校と違う印象があるね」
観鈴「にはは…うん、そう。観鈴ちん頑張ってるの」
茂美「へええ…。えーっと、四行ってやつをするの?」
観鈴「うん。だって神奈ちんに呼ばれたしね」
茂美「神奈ちんって…ああ、この着物着てる女の子だよね?どういう人たちなの?」
観鈴「えっと、それは…」
裏葉「茂美様、私がご説明なさったじゃありませんか」
茂美「あ、はい。でも、うーん…」
観鈴「にはは、とにかく四行するね」
あゆ「うぐぅ、やっぱり無理があったんじゃないかなあ、今回…」
神奈「何を言う、成せば為るのだ。さあ観鈴殿」

★観鈴
「川口さんはね、うん、たしかに出席番号がお隣さん」
「電話した時、とっても心配してくれた…」
「あの時はダメだったかもしれないけど…」
「今なら仲良くできる気がする、うん」

★美凪
「…その通りです。同じクラスメート同士…」
「…仲良くしようではありませんか」
「お近づきの印に…」
「お米券を進呈…」

観鈴「わ、遠野さん」
茂美「遠野さん…?たしかに同じクラスメートだけど…いきなり登場した?」
美凪「………」
美凪「…お米券をモットーに」
美凪「お米券よ永遠なれ…」
観鈴「遠野さん、話題ずれてる…」
茂美「えっと、しかも四行ってそういうやり方なんだ?」
神奈「違うぞ…。観鈴ちんの四行に割り込むとは!」
あゆ「すごいね…さすが美凪さん…」
美凪「…ちっちっち、美凪ちんですよ、月宮さん」
あゆ「うぐぅ…」
裏葉「初の試みでございましょうね、四行に割り込むなどは…」
観鈴「にはは、そうみたい…」
美凪「…世界初?」
観鈴「それはどうかな…」
美凪「…ギネス?」
茂美「いや、遠野さん、そういうものでもないから…」
美凪「…がっくり。ところで…」
観鈴「…?」
美凪「お米券を…改めてどうぞ…」
茂美「あ、そうだったね…って、いいの?もらっても」
美凪「はい…クラスメートの証…」
茂美「証…」
観鈴「にはは、証だって」
茂美「証なんてなくてもクラスメートでしょう?」
美凪「いえ…。この証を三人でかざすことにより…」
茂美・観鈴「「え?」」
美凪「…とらいあんぐるあたーっく…」
茂美・観鈴「「………」」
あゆ「ねぇ神奈ちゃん」
神奈「…はっ!?な、なんだあゆ殿」
あゆ「呆けてないで、もう終わらないの?」
神奈「それもそうであるの」
裏葉「すっかりお三方の世界になっておりますしね」
神奈「というわけだ、観鈴どのに茂美どのに美凪どの。この辺りで終わりに…」
美凪「…神奈ちん、私は美凪ちんです」
神奈「…観鈴ちんに美凪ちんに茂美ちんよ、この辺で終わりにいたすぞ」
美凪「ぱちぱちぱち、その通りです」
茂美「って、私まで茂美ちんになってる…」
観鈴「にはは、なんだか楽しい」
茂美「なるほどねえ、こんな呑気な環境だったら元気でいられるね」
観鈴「うん」
あゆ「今回はなんだか、人物語りっていうより人物紹介っぽかったね…」
裏葉「あゆ様、そこは気にしてはいけないところなのでございますよ」
あゆ「うぐぅ…」
神奈「こほん、ここでしまいとする!」

<またいつの日か>


戻る