『AIR偽小説第百二十五弾』

懲りずに第百二十五弾です。
劇場版AIR見たのでレビュー兼ねた企画(おいおい)
折角の劇場版なので、小分けにしたいと思います。
当然ながらネタバレたっぷりです。
多分TVアニメ版見た時もやるんだろな…。


『4行小説』

★往人
「劇場版AIR公開記念という事で俺が司会だ」
「アシスタント…いや、今回の参加者は三人だからな、そんなものはない」
「テーマとしては、劇場版について思うこと」
「俺としては、是非あれくらいがっぽがっぽと儲けたいものだな」

晴子「んなもん夢のまた夢やあほちん」
往人「な、なんだと?」
晴子「さっすが劇場版はようでけとるなあ。お客さんにシビアな現実見せた無いってか?」
晴子「まあそらそうやなあ。人形劇で金稼げんで神尾家に居候や、かっこわるうていけんわなあ」
往人「お前…」
観鈴「わーっ、ちょっとちょっと。お母さん変な横槍入れちゃだめっ」
晴子「観鈴ぅ、あんたは優しいなあ。居候の弁解してやるなんてなあ」
晴子「さすが劇場版で居候と懇ろになっただけのことはあるわあ」
観鈴「わ、わわわわっ、お母さん!」
往人「…あーあー、こらこら、好き勝手にやるとまとまらなくなるから改めるぞ」
晴子「おう、そーせえや。売れん人形遣い」
往人「おい…」
観鈴「…もしかしてお母さん不機嫌?」
晴子「不機嫌も不機嫌や。観鈴を見とるんがつらいってなんや!うちは絶対観鈴を見捨てへんで!」
晴子「あんな展開あんまりやないか!うちが観鈴と自ら別れ言うんはどういうわけや!」
観鈴「お母さん…」
往人「もういい、改めるのは諦めた。こうなったら流れるままに…」
晴子「あー叫んだらすっきりした。居候、はよ改めーや」
往人「おい…」
観鈴「にはは、お母さん自分勝手すぎ」
往人「とか言ってる割にはお前笑顔じゃないか」
観鈴「うん。観鈴ちんお母さんのそんなとこ面白くて好き」
晴子「おおーっ、そうかそうか。うちも観鈴だーい好きやでー」
観鈴「にはは」
往人「…いいかげん改めるぞ?」
晴子「おー。はよしーやー」
往人「たく、誰のせいだ…。えーまずは、一番に思うところをそれぞれ四行でやってもらおう」
観鈴「一番に思うところ?」
往人「そうだ。俺は既に冒頭でやったぞ」
晴子「うちも途中でやってもうたなー。っていうか居候、あんたの気にするところは儲けだけかいな」
往人「そうだ」
晴子「はーあ…ちっさい奴やなあ…」
往人「なに?」
観鈴「うーん、観鈴ちんの場合は…やっぱり往人さんとの…」
晴子「おうおう、接吻かぁ。そらそうやろなあ」
観鈴「お、お母さん…」
晴子「原作ではやったんかいな?んー?いや、原作では契り交わしてたもんなあ」
往人「お前は…」
観鈴「わ、往人さん怒ってる」
往人「怒って当然だ!流れるままいくのかいかないのかはっきりしろ!」
晴子「おーこわー。そない怒らんでもええやん」
往人「はあ…。いいから四行やってくれ、区切りがつかん」
観鈴「わ、往人さん落ち込んだ」
晴子「怒ったり沈んだり激しいやっちゃなあ」
往人「誰のせいだ」
観鈴「こんな時は…」
ごそごそ
観鈴「じゃーん、どろり濃厚ピーチ味〜♪」
晴子「おっ、ええもん出してもろうたなあ居候。はよいっきしいや」
往人「要らん」
観鈴「が、がお…」
ぽかぽかっ
観鈴「イタイ…。そっか、今二人に狙われてるんだった。観鈴ちんぴんち」
晴子「そういや劇中では口癖で殴るっちゅーんもなくなってたなあ」
観鈴「殴らなくていい。痛いもん」
往人「一発だけ俺がぽかりとやってやったぞ」
晴子「しかもその口癖も何のための口癖かまるっきり語らんかったしなあ」
観鈴「わたしが恐竜さん好きな理由とかも伏せてたよね」
晴子「あれは伏せてたんやのーて、カットされたっちゅーんや」
往人「多分90分に収めきれなくなったからなんだろう」
晴子「それがな、居候。某情報によると91分だったらしいで」
往人「何?…ふーむ、どうせだったら92分にして更に俺のウッハウハな場面を…」
ぼかっ
往人「痛い、何をする」
晴子「あほ。居候がウッハウハしてるん見てて何が楽しいっちゅーねん」
観鈴「でも劇中の子供たち、皆笑ってた。本当に面白かったんだね」
晴子「ああ、そうみたいやなあ。札引っさげて“見せて〜”言うんやで。どんなに凄いんやろ」
往人「俺のあるべき姿だな」
晴子「今は全然おもろうないっちゅーんは事実やけどな」
往人「………」
観鈴「わ、往人さんまた落ち込んだ。早くさっきのどろり濃厚飲んで?」
往人「要らん。…ってそれより話がそれてる!早く四行しろ」
晴子「何あせってんねん。一回ぽっきりの四行を三人でやるだけやろ?」
往人「テーマは一つだが、小分けにまだあるんだ。だから遠慮するな」
晴子「はあ?そんなん先に言うときや!」
観鈴「わ、今度はお母さん怒った。お母さん、怒るとシワがまた増えるよ?」
ぽかっ
観鈴「イタイ…がおって言ってないのに…」
晴子「またシワが増えるってなんやねん!うちはまだそんな年ちゃうで!」
往人「ま、まあ落ち着いて。とりあえず四行やってくれ、な?」
観鈴「往人さん腰が引けてる…」

★晴子
「一番に思うところは既に言うた!うちが観鈴を突き放すなんて許せん展開や!」
「そこいら辺は製作者の都合なんやろけどなー…なんでそうしたんかは知らんけど」
「やっぱりうちはそこが一番納得いかんっつーわけや」
「まぁ、観鈴と最初から仲が良かった風なんはよしとしたろうかな」

観鈴「お母さん」
晴子「なんや」
観鈴「突き放す…っての、大袈裟じゃないかな?」
晴子「なーに言うてんねん。“うちが耐えられへん”って劇中で言うた後の観鈴の反応見てみいや」
晴子「あんなどん底に突き落とされたような、“嘘だ…”ってうわごと言う観鈴やで」
晴子「うち…あんな観鈴見てられへんわ!」
観鈴「お母さん…」
往人「家族がテーマっていう作品だからこそ飛び出せる意見だな」
晴子「あん?どういう意味や」
往人「…深くは気にするな」
晴子「居候、あんたも家族の一員なんやからな」
往人「そういう事言うんだったら居候なんて呼び方やめろ」
晴子「劇中みたいに国崎くーん、とか呼べっちゅーんかいな。そんなんしたら神尾晴子の名折れってもんや」
往人「お前それこそどういう事だよ」
観鈴「ま、まあまあ二人とも」
往人「…さ、観鈴。次はお前だぞ」
晴子「語る内容はわかっとるけどなー」
観鈴「もう、お母さん…」

★観鈴
「劇中の観鈴ちんかなり積極的」
「だって、往人さんに…き、キスして、って言っちゃうし…」
「自分からもしちゃうし…」
「ど、どうしよ、どうしよ…」

往人「どうもしなくていい」
観鈴「に、にはは、そうだよね?」
晴子「うちは見て見ぬ振りしとくけん今やってもええんやでー」
往人「結局それは見てるんじゃないのか」
晴子「だからぁ、見て見ぬ振りやって」
観鈴「が、がお、今なんてできない…」
ぽかぽかっ
観鈴「はうぅ、イタイ…」
晴子「今できんっちゅーことは後でやるんかいな?」
観鈴「え、えーっと…」
晴子「若いもんはええなー」
観鈴「お、お母さんったら!」
往人「うらやましいか、年増の女性にとっては」
ぼかっ
往人「いてっ!」
晴子「だぁーれが年増やねん!うちはまだまだ若い!」
観鈴「にはは、オチもついたところで次の話題いこ、ね?」
往人「おおいてて…話そらすくらいだったら最初から四行に出すなよな…」
観鈴「にはは…」
往人「まあいい。次なる話題は、劇中でのそれぞれの自分の姿だ」
晴子「はあ?どういうこっちゃ?」
往人「つまりだ、劇中の自分のキャラはいかがなもんかって事を四行でやれ」
晴子「やれゆうたって、さっきと多分あんまり内容変わらへんで?」
往人「そこはそれ、語る内容を変えればいい」
晴子「はぁーっ、なるほどなあ」
観鈴「じゃあ、今度はわたしからやるね」
晴子「おっ、積極的やなあ」
観鈴「もっと映画みたいに積極的にならなくちゃって思ったの。郷土史を調べたりとか」
往人「こう言っちゃなんだが、多分この四行小説の場でも観鈴は結構積極的だぞ」
晴子「そう言やそうやなあ。結構司会やっとるしなあ」
観鈴「にはは…」

★観鈴
「えっとねえ…人を好きになると体が辛くなるのと…」
「体が辛くならないように、心を我慢するのと…」
「その狭間で揺れてる観鈴ちん、とっても辛そうに思った」
「観鈴ちん、ふぁいと」

往人「結局何が言いたいんだ?」
観鈴「えっと、わかんないかな…」
晴子「要するに、懸命に頑張っとる姿を見て、自分も頑張らなアカン。こう思たんやろ?」
観鈴「うん、そう」
往人「ほう…素直でいいことだな」
晴子「ていうかようもまあいいとこだけどんと抜き出してくるなあ…うちにはまねできんわ」
観鈴「にはは、ぶい」
往人「そのにははってのとぶいってのも結構やってたよな」
観鈴「そらもやってたけどね」
晴子「あのそらも謎やなあ。一体何もんや?」
観鈴「そらは友達」
晴子「そういう事やのうて…」
観鈴「ん?カラスだよ?」
ぽかっ
晴子「そういう意味ちゃうわ!」
観鈴「イタイ…がおって言ってないのに…」
往人「晴子が聞きたいのは、あのそらは何もんだ。どっかの使いじゃねーのかって事だな」
晴子「おおそうや、そんな感じや。で、どうなんや、観鈴?」
観鈴「うーん、わたしに聞かれてもわかんない…」
晴子「それもそうやな…」
往人「さあて、次は晴子だぞ」
晴子「はあ?二番手はさっきうちやったやん。居候がいったらええやん」
往人「…じゃあそうする」
観鈴「わ、往人さん珍しく素直」
ぽかっ
往人「珍しくは余計だ」
観鈴「イタイ…がおって言ってないのにまた…」

★往人
「ウッハウハの話題から外れて…結構元気だな、俺」
「飛び跳ねたり、自転車こいだり…って、原作でもそれくらいはやっていたか」
「そうだな…結構喋っていた気がする」
「人に対して、そう無口じゃなく…けど人混みは嫌いだとぬかしていたな。儲けるチャンスなのに…」

晴子「はあ…あんたあかんわ」
往人「なんだと?」
晴子「結局最後に出てくる言葉が儲けかい。あん?」
往人「少し出しただけだ」
観鈴「喋る…うん、よく喋ってたよね。観鈴ちんとよくお話してくれた」
往人「俺は元々あれくらいは喋るぞ」
晴子「居候、今の返答は四行と矛盾しとらへんか」
往人「本気の本気なんて無いんだ」
晴子「劇中のらしき台詞言うて誤魔化すなや」
観鈴「往人さんなんかカッコよかったね。縦線いっぱいでしぶく見えた」
往人「なんだそりゃ…」
晴子「ああー、一コマのそういう演出結構あったなー。古くさいってあちらこちらで言われとったけど」
観鈴「古いの?たしかに画像の乱れとかあったけど…」
往人「ああ、昔の映画じゃああんな感じで出たりするんだ。それを出した。つまり演出の一つだな」
観鈴「わ、よっぽど昔に作ったんだね…」
晴子「観鈴、ちゃうで。演出や、え・ん・しゅ・つ」
観鈴「あ、うん。…けど、古いって悪いことなの?」
晴子「うーん、作品次第ていうんかなあ。Summerの場面で出したらシャレが利いてておもろかったとちゃうんかいな」
往人「そんなシャレ気付くやついるのか…」
晴子「おらんと思うなあ」
往人「おい…」
観鈴「にはは、お母さんやっぱりいいかげん」
往人「ま、それはそれでいいとしてだ。次は晴子だぞ」
晴子「まだ語る内容あったかいな…」

★晴子
「うちのキャラ言うたかてなあ…」
「そや、昼間めっさ働きもんやな。んでもって色気たっぷりの寝巻きやでー」
「…そういや一つ思い出した事あった。居候が昼間電話って時に…」
「なんですぐ帰らへんかったんやー!劇中のうちのアホー!!」

観鈴「お、お母さん落ち着いて」
往人「結局このオチか…」
晴子「オチってなんや!もう終わりなんか!こんな終わりは嫌やー!!」
観鈴「え、えーと、じゃあ検証しよ?」
晴子「検証〜?」
往人「観鈴、いいかげんな事言うな。晴子の四行にフォローを入れるって言うんだぞ」
観鈴「あ、そかそか。えーと、フォローしよ?」
晴子「うちがうちのフォロー入れてどないすんじゃー!」
往人「泥沼だな…」
観鈴「どろ?お母さんお母さん、どろり濃厚メロン味〜♪」
晴子「…はあ、もうええわ。で、どんなフォロー入れてくれるんや?」
往人「フォロー入れられるのか?観鈴と仲良しとか事前に語っておきながら…」
晴子「あーでもな。後半観鈴突き放したうちやから昼間帰ってこんのも納得できるなあ…」
晴子「って、だからそないな展開許せんっちゅーねん!昼間でも救急車乗るべきや!」
往人「落ち着け、落ち着けって」
観鈴「が、がお…どろり濃厚が無視された…」
ぽかぽかっ
観鈴「はうぅ…」
晴子「…もうええ。うちは疲れた。とりあえず今回はこれでしまいにしーや」
往人「ああ、そうする。どうせまた後で補足をするだろうしな」
観鈴「え?もう一回するの?」
往人「ああ、するだろう。まあその前に他の面子の分をやらなきゃだがな」
晴子「よっしゃ。ほなここで終わりや!気分直しに一杯やるで!」
どんっ
観鈴「わ、お酒…」
往人「美丈夫“うすにごり”…どっから持ってきたそんなもん」
晴子「これはなあ…なんちゅーたっけ…あの子、そうあの子や」
往人「あの子じゃわからん」
観鈴「相談しましょ♪」
晴子「そうしましょ♪…って何やらすねん!」
往人「観鈴、なんだ今のノリは」
観鈴「はないちもんめ」
往人「はないちもんめ?」
晴子「はないちやらはなにやら知らんけど…そうやそうや、思い出した。天野って子や」
往人「天野?晴子の知り合いだったら秋子さんじゃないのか?」
晴子「あー、言われてみればそうやなー…まあ色々事情はあるんや」
観鈴「えーっと、それで酒盛りするの?」
晴子「当たり前や!観鈴、ツマミ作ってや〜」
観鈴「に、にはは…」
往人「いいのかこんな終わりで…」

<これでよいのだ?>


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