『AIR偽小説第百二十弾』

懲りずに第百二十弾です。
ところでこのシリーズっていつになったら懲りるんでしょうかね。
冒頭で“懲りずに”とか書いてるだけに…。
まぁ、ずっとこのまんまの気はしますが。


『4行小説』

★観鈴
「今回のテーマは川」
「観鈴ちんの家の近くにも川はあるよ」
「とっても綺麗な水が流れてて…」
「のんびりな避暑地。にはは」

瑞佳「自然っていいよね…」
観鈴「うん」
瑞佳「安らげるよね…」
観鈴「うんうん」
瑞佳「ほーっ…」
観鈴「ほーっ…」
瑞佳「と、和んでないで四行だね」
観鈴「うんうん」

★瑞佳
「川といえば…」
「やっぱり綺麗なのが一番だよ」
「排水で汚れたりしてるのを見ると憂鬱になるよ…」
「みんな、自然は大切にね」

観鈴「排水?…そっか、そうだよね…」
瑞佳「うん、自然破壊は深刻なんだよ」
観鈴「なんとかしなきゃ」
瑞佳「そう、なんとかしなきゃなんだよ。でもね…」
観鈴「うん」
瑞佳「なかなかそうすんなりとはいかないんだって」
観鈴「わ、そんな」
瑞佳「そう。わ、そんな、なんだよ」
観鈴「うーん、大変」
瑞佳「だからと言って仕方ないと諦めるのは違うもん」
観鈴「うんうん、違う違う」
瑞佳「だからなんとかしないとね」
観鈴「うん」
瑞佳「でも、どうしたらいいんだろうね…」
観鈴「うーん…観鈴ちんには難しいかも」
瑞佳「でも一人一人の意識が大切なんだよ」
観鈴「そうだよね」
瑞佳「うん、そうそう」
観鈴「うーん…」
瑞佳「うーん…」
裏葉「あらあらまあまあ、二人で唸ってばかりではございませぬか?」
観鈴「わ、裏葉さん登場」
瑞佳「いつの間に?やっぱり気配を消すのが上手だよね…」
裏葉「いえ、あなた方がわたくしめに気付かなかっただけなのでは…」
観鈴「でも、まだ呼んでないし」
裏葉「待ちくたびれて近くに来たのですよ。そうしたら…あらあらまあまあ、堂々巡り」
瑞佳「う、そ、そんな会話だったの?」
裏葉「ええ。それはそれは、お二人は似た者同士でございましたよ。うふふふ」
観鈴「観鈴ちんと瑞佳にてる?」
瑞佳「うーん、そう見えたんなら似てるんだろうね…」
裏葉「一人称も同じことでございますし」
観鈴「にはは。でも瑞佳は瑞佳ちんって言わないよ?」
瑞佳「そうだね」
裏葉「いえいえ。“わたし”と平仮名でございましょう?うふふふ」
観鈴「あ、そかそか、そだった」
瑞佳「喋ってると気付かないよ」
裏葉「それもそうでございますね。ところで…」
観鈴「あ、四行だね」
裏葉「はい。お題は川でございますね?」
観鈴「うん」
瑞佳「お願いします」
裏葉「引き受けたにございまする」

★裏葉
「川といえば、親子川の字で寝るという言葉があるようでございますが…」
「なかなか、現状の参加者で川の字というのは難しうございます」
「何故なら…子供に母親父親が必要なのです」
「神奈さまも、母君様ならばおられるのですが…」

瑞佳「えっと、それで?」
裏葉「親子というのは断念せざるを得ませんでした」
観鈴「うん、しょうがないよね」
裏葉「しかしながら、柳也さまと私を含めて三人で寝るというのはよくやったのですよ」
瑞佳「へえ〜。裏葉さんって柳也さんと夫婦なの?」
裏葉「うふふふ、さてどうでしょう?神奈さまも柳也さまをお慕いしておりますゆえ…」
観鈴「わ、そうなんだ」
裏葉「うふふふ…真実のほどはここでは秘密にございまする」
瑞佳「なんか裏がありそうだね…」
裏葉「左様でございます。私の名は裏葉でございますゆえ…」
観鈴「が、がお、そういう事なの?」
裏葉「うふふふふ」
瑞佳「やっぱり手強いね」
観鈴「えーっと、それじゃあ次のお客さん登場っ!」
みさき「こんにちは。川といえば私だよね。頑張るよ」
観鈴「というわけでみさきちゃん、にはは」
裏葉「これはこれは。名字に川を持つ方ですね」
みさき「うんそうだよ。ここで語らなけりゃいつ語るのってぐらいに川だからね」
瑞佳「川名先輩すごく張り切ってるよ…」
みさき「瑞佳ちゃん瑞佳ちゃん、みさきちゃんでいいよ?」
瑞佳「う、うーん、い、いえ、いいです…」
みさき「いいの?じゃあ今度からみさきちゃんって呼んでね」
瑞佳「わっ、え、えーとそういうわけじゃなくて…」
裏葉「瑞佳さま瑞佳さま、遠慮という言葉を使わないといけませんよ」
みさき「遠慮なんてしないでよ〜」
瑞佳「えっ、と…」
観鈴「にはは、話が進まないからとりあえず四行やってね」
みさき「あ、うん分かったよ」
瑞佳「ふう…」

★みさき
「川っていえば当然川の幸だよね」
「ちょっと鮎を例に出してみるよ」
「某地域では鮎のつかみどりなんてのがあってね…」
「それはそれは掴んでは食べ掴んでは食べって出来て最高なんだって」

裏葉「あのう…いくらなんでも焼いたりはするのでは?」
みさき「えっ?もちろん焼くよ。焼く施設がすぐそばについてまわってくれるんじゃないの?」
瑞佳「どんなつかみ取りですかそれ…」
観鈴「それに川から鮎の話になっちゃったし…」
みさき「観鈴ちゃん、鮎は川魚だよ?十分条件満たしてるよね?」
観鈴「う、うん…」
みさき「うんうん、ばっちりだよ」
裏葉「みさき様はなかなかに自己主張の激しい方ですね」
みさき「そういう裏葉ちゃんはちゃんと自己主張してるのかな?」
裏葉「い、いえ、そのような…」
瑞佳「なんか裏葉さんまで戸惑ってる…」
裏葉「裏葉ちゃん、などと呼ばれるのは稀でありますゆえ…」
観鈴「にはは、みさきちゃんにかかると誰でもちゃん付けだね」
みさき「うん、可愛いしね」
裏葉「はあ、可愛い、ですか…」
観鈴「ではでは、次のお客さん登場っ」
郁未「一応和んでるみたいね…」
観鈴「というわけで郁未ちゃん、にはは」
瑞佳「言ってるそばから観鈴もちゃん付けだね…」
観鈴「うん。ならってみたの」
みさき「いいことだよ、うんうん」
郁未「まぁ別にいいけど…。で、川について語るんだっけ?」
観鈴「うん」
郁未「そんじゃま、ちょっとかるーくやっちゃいましょうか」

★郁未
「川っていえば下水も川の一種よね…」
「汚くはあるけど、お宝が見つかったりするものよ」
「きんきらきんに光ってたりするもんじゃなくて…」
「ぼろぼろだけど、大切なぬいぐるみだったりね…」

裏葉「それは何かの逸話なのでございましょうか?」
郁未「ちょっとした体験談よ」
観鈴「下水でぬいぐるみが見つかるんだ…」
瑞佳「いや観鈴、そういう意味じゃないから」
郁未「そうそう。あくまでも、体験談に過ぎないし」
裏葉「とても深い深い経験のようでございますね」
郁未「ええ、まあね」
みさき「でも大変だね、下水に降りたなんて…何かあったの?」
郁未「さすがにこれ以上は秘密にしておくわ」
みさき「なんだか気になるよ」
郁未「どのみち下水にはご馳走は無いわよ?」
みさき「うーん、でも…」
瑞佳「下水にご馳走って…もしかして…」
観鈴「なになに?」
瑞佳「いや、ねずみかな…って…」
裏葉「ね、ねずみでございますか!?みさき様はねずみを狙っておられるので!?」
みさき「うーん、さすがに違うよ」
郁未「っていうか期待してたの?下水にご馳走を?」
みさき「違うよ。汚職事件とか流れてそうじゃない?」
瑞佳「うわああ、なんだか異様な誤字…」
観鈴「うーん、誤字なんて分かっていいのかな…」
裏葉「観鈴さま、今更そのような事を仰られても仕方がないのでは?」
観鈴「にはは…」
郁未「っていうかお食事券ねえ…どこの下水なんだか…」
みさき「多分下水を制するとなんでも出来放題だよ」
郁未「まさか…」
観鈴「えーっと、最後のお客さん登場っ」
北川「おっしゃー!久しぶりの出番だー!」
郁未「誰だっけ?」
裏葉「北川潤様にございます」
郁未「へー、たしかに名字に川が入ってるわね」
瑞佳「って、アシスタントの仕事をとらないでほしいよ」
裏葉「うふふふ、ごめんあそばせ」
みさき「あれっ?てっきり舞ちゃんが来ると思ったのに」
観鈴「舞さんは佐祐理さんとこでお弁当の勉強なんだって。だから仕方なくこの人、にはは」
北川「おいっ!なんだその扱いは!」
観鈴「わ、怒った」
瑞佳「そりゃ怒るよ…。今のは観鈴が悪い」
観鈴「が、がお…ごめんなさい」
北川「あ、い、いや…面と向かって謝られると気まずいな」
郁未「謝罪要求したくせに贅沢ねえ」
みさき「こりゃあお詫びに皆にご馳走をおごらなきゃだね」
北川「どうしてそういう展開に…」
裏葉「ところで潤様。四行はよろしいのですか?」
北川「おっとそうだった。張り切っていくぜー、うっしゃー!」
みさき「潤ちゃん気合入ってるね。これは相当のご馳走が期待できそうだよ」
郁未「あんたいいかげんご馳走から離れなさいよ…」

★北川
「川というのは小さな流れがいくつも集まり…やがて海にたどり着く」
「俺は名字表記連中の代表とも言えるが、いつかこの同盟が実を結ぶと信じたい!」
「ところで…さっき潤様だとか潤ちゃんだとか呼ばれたが…」
「新鮮でいいもんだなあ…心が川の流れのように洗われるようだ…」

瑞佳「かなり飛ばしてるね…びっくりだよ」
観鈴「うんうん」
北川「いやあ、こんな場に呼んでくれてありがとう!俺は感激だ!」
裏葉「あぶのうございますね。一歩間違えると他の誰かとかぶってしまわれます」
郁未「誰よそれ…」
裏葉「うふふふ、それは企業秘密にございまする」
みさき「裏葉ちゃんが握ってる情報ってそういうの多いよね。ところで…」
裏葉「どうしたのでございますか?」
みさき「さっきの潤様っていう呼び方、異国のスターみたいだね」
郁未「またそんな時事ネタを…」
瑞佳「そういう話題は時間が過ぎると懐かしがられる要素にしかならないですよ?」
みさき「ふと思っただけだよ。さ、ご馳走食べよ食べよ」
観鈴「えっと、ここにはご馳走ない…」
みさき「大丈夫だよ。ご馳走してくれる人がすぐそばにいるじゃない」
北川「えーっと…もしかして俺のことですか?」
みさき「当たり前だよ。ご馳走してくれない潤ちゃんは潤ちゃんじゃないよ」
郁未「どういう事なの…」
北川「まぁ少しならいいけど…何が食べたい?」
観鈴「わ、本当にご馳走するんだ」
裏葉「うう、潤様は健気でございますね…」
瑞佳「健気っていうの?…まあいいや、ご馳走してくれるって言うんだったら、わたしはパタポ屋のクレープ!」
郁未「じゃあ私はエビフライでももらおうかしら」
裏葉「私は…そうですね、すてえきとやらを食べとうございます」
観鈴「観鈴ちんはもちろんどろり濃厚!…と思ったけど、ラーメンがいいな、にはは」
北川「えらくバラバラだな…。で、言い出しっぺの張本人である川名さんは何が望みだ?」
みさき「ああ、私はお寿司20皿でいいよ。さすがに遠慮しておくからね」
北川「なるほどな…って待て、20皿のどこが遠慮なんだ」
みさき「私にとっては少ない方だよ。一皿二貫としてもたかだか40個だよ?」
北川「いや、それって十分多いような…」
裏葉「あいも変わらずみさき様は大食であられますね…」
みさき「違うよ裏葉ちゃん、食通だよ」
裏葉「はい?」
みさき「だから、食通だよ。これで神奈ちゃんと同士なんだよ」
裏葉「そういえば神奈様も以前その様なことを仰られておりましたね…」
瑞佳「食通って…何がどう食通なの?」
観鈴「さあ…わかんない…」
郁未「っていうかおおぐらいでいいと思うんだけどねえ…ってこら潤。どさくさに紛れて逃げようとしない!」
北川「げっ…。だ、だって20皿はさすがに…」
郁未「あんたねえ、回転寿司ならたかだか二千円程度でしょう?ケチケチしなさんな」
北川「あ、ああ…」
瑞佳「またそういう具体的な値段と名前を出す…」
裏葉「回転寿司とは何なのでございましょう?」
瑞佳「そのそばで裏葉さんが質問しにきちゃうし…」
観鈴「えっと、お寿司が回転してるの、にはは」
みさき「うん。次から次へとくるから全皿制覇がなかなか難しいんだよ」
郁未「そんなもん制覇しようとしなさんなっての…」
北川「ぐあ…えーいヤケだ!張り切ってご馳走してやるから覚悟しやがれー!」
観鈴「わ、本当にヤケになっちゃった」
郁未「威勢がいいわね…」
裏葉「この調子ならば出番も増えましょう…」
みさき「うん。潤ちゃん万歳だね」
瑞佳「じゃあ観鈴、終わろ?」
観鈴「うん、にはは。これにておしまいっ」

<たくさんの集まり>


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