『AIR偽小説第百十八弾』

懲りずに第百十八弾です。
曲名、というのはいいのですが…
どんな曲だったっけ…というのが出てこない時がたまにあります。
むう、それはなんだか困ったな…。


『4行小説』

★観鈴
「今回のテーマは伝承」
「わたしは、がお…かな」
「恐竜さん。たくさんの恐竜さんのものがたり…」
「毎日がおがお、楽しいねっ♪」

瑞佳「えっと…どう楽しいの?」
観鈴「が、がお、そう聞かれると悲しい…」
瑞佳「い、いやそう落ち込まないで、観鈴にとってどの部分が楽しいのか教えてよ」
観鈴「あ、うん。えっとね…」
瑞佳「うん」
観鈴「がおがおがお…ってとこ」
瑞佳「…わかんない」
観鈴「が、がお…」
瑞佳「えっと、もっと分かるように説明できない?」
観鈴「えっとねえ…毎日恐竜さんとお話して、恐竜さんの背中に乗せてもらって…」
瑞佳「ちょ、ちょっと待って。それって恐竜の物語?」
観鈴「うん。観鈴ちんの恐竜がたりのコーナー」
瑞佳「冒頭に言ってたのとそれって違うんじゃ…」
観鈴「うーん、そうなのかな…」
瑞佳「そんな気がするけど…」
観鈴「うーん…」
瑞佳「えーと、それじゃあ次はわたしだね」
観鈴「あ、うん」

★瑞佳
「伝承…というからには、何か伝える物事が無いとね」
「わたしからは…そうだね、是非牛乳について伝える事にするよ」
「牛乳はね、いいんだよ、とっても」
「だからご飯に牛乳なんだよ」

観鈴「わ、瑞佳なんだか恐い…」
瑞佳「え、えーっ?」
観鈴「牛乳をひたすらアピールしてるし…」
瑞佳「そういう観鈴だって恐竜アピールなんでしょ?おあいこだよ」
観鈴「にはは、残念ながら…瑞佳が牛乳を出すなら観鈴ちんはこれを出しちゃうよ」
瑞佳「え、なになに?」
観鈴「えっとね…」
ごそごそ…
観鈴「じゃーん。どろり濃厚ミルク味〜」
瑞佳「…生乳ってこと?」
観鈴「ちがうちがう。どろり濃厚シリーズにミルク味が新発売になったの」
瑞佳「そういえばその飲み物って観鈴の専売特許だよね…」
観鈴「うん。早速飲んでみて」
瑞佳「う、うーん…そうだ、ゲストさんに振る舞ったら?」
観鈴「瑞佳は?」
瑞佳「わたしは最後にいただくとするよ(その頃には多分なくなってるだろうし)」
観鈴「そう?まあいっか、人数分用意してるし」
瑞佳「え…」
観鈴「よーし、それじゃあゲストさん呼ぶね」
瑞佳「う、うん(うわあ、観鈴の用意のいいことったら…)」
柳也「で、なんで俺が呼ばれる…」
観鈴「いらっしゃい柳也さん」
瑞佳「いらっしゃい(犠牲者第一号か…)」
柳也「おい、二人のその目つきの差はなんだ。一人は目を輝かせて一人は哀れんで…」
観鈴「わ、そうなの?」
瑞佳「そ、そんなことないよっ。気のせい気のせい」
柳也「そうか?…さて、伝承で四行だな」
観鈴「その前にこれ飲んで」
柳也「なんだこれは」
観鈴「どろり濃厚ミルク味」
柳也「よくわからんが…味見だけしておくか…」
どろっ
柳也「…さて四行やるぞ」
観鈴「わ、一口でやめた」

★柳也
「俺が社殿にゆく前は…」
「様々な伝承を聞いたものだ…」
「翼人もその一つではあったが…」
「鬼などは特によく聞いたぞ」

瑞佳「鬼?」
柳也「そう、鬼だ」
瑞佳「鬼が島、ですか?」
柳也「なんだそれは。鬼にも色々あるだろ。島に固まって住んでるわけじゃない」
瑞佳「はあ、まあそうでしょうね…」
観鈴「柳也さん柳也さん、どろり濃厚の続き飲まないの?」
柳也「いらん」
観鈴「感想は?」
柳也「のめるかこんなもん」
観鈴「が、がお…」
柳也「だいたい、お前はちゃんと味見したのか?」
観鈴「したよ。美味しかった」
柳也「そんな馬鹿な…」
瑞佳「えっと、話進まなくなるから次のお客さん呼ぼ?」
観鈴「う、うん…。では次のゲストさんいらっしゃーい」
美汐「こんにちは…」
瑞佳「こんにちは。たしか美汐ちゃんだね」
柳也「色んな意味で手強いという印象があるやつだな」
美汐「いえ、それほどでは…」
観鈴「美汐ちゃん美汐ちゃん、これ飲んで?」
美汐「それはなんですか?」
観鈴「どろり濃厚ミルク味」
美汐「激しく遠慮させていただきます」
観鈴「が、がお…。そういわずに」
美汐「これを飲めというのですか?そんな酷な事は無いでしょう」
観鈴「が、がお…。そこをなんとか」
柳也「執拗に勧めたがるな…なんでだ?」
瑞佳「観鈴にとっては美味しいものという認識だしね」
柳也「しかしあれはなあ…」
瑞佳「そうなんだよね…」
美汐「…仕方ありませんね。一口だけ味見いたしましょう」
観鈴「うん、そうしてそうして。きっと気に入るから」
美汐「では…」
どろっ
美汐「…非常にまったりとした…それはコクと言うものでしょう…」
瑞佳「何言ってんの美汐ちゃん…」
柳也「気に入ったってことか?」
観鈴「よかった、どんどん飲んでね」
美汐「いえ…コクはあれども味わいが…」
観鈴「大丈夫」
美汐「そんな事より四行をするのではないのですか」
瑞佳「そうだね。えーと、テーマは伝承だからね」
美汐「はい、了解しました」
観鈴「が、がお、瑞佳に遮られた…」
柳也「仕方ないだろ」

★美汐
「私には非常に馴染み深いものです」
「古来より、キツネの伝説がそこにありました」
「一瞬の奇跡の中に身を委ね…」
「思えば、今こうやって私がここにいるのも奇跡の一端かもしれません」

柳也「キツネと関係があるのか?」
美汐「それとこれとは別の話なのですがね」
瑞佳「なんだか奥が深そうだね」
美汐「はい。そうです」
観鈴「えっと、それじゃあどろり濃厚の続き飲も?」
美汐「遠慮します」
観鈴「が、がお…」
柳也「がおってないで次呼んでくれ」
瑞佳「というわけで次のゲストさんどうぞー」
友里「なんだか嫌な時に呼ばれた気がするわ…」
美汐「鋭い方ですね。そして、初めまして」
柳也「えーと、誰だ?新顔か?」
友里「あなた達は?ああその前に、私は名倉友里よ」
美汐「天野美汐です」
柳也「柳也だ。…ふむ、あいつに連れてこられたんだろうな、多分」
友里「よくわかるわね」
柳也「わからいでか。原因は一人だけだ」
友里「なるほど」
瑞佳「あいつって…やっぱり霧島さん?」
観鈴「うん、かのりんだろうね。それにしても嫌な時だなんてヒドイ」
友里「ああ、登場時の台詞?だって何か飲まされるんでしょ?」
観鈴「そういうのは飲んでから言わなくちゃ。どろり濃厚ミルク味〜」
友里「…くれるの?」
観鈴「うん。それで虜になって」
友里「それはさすがに…。どれどれ…」
どろっ
友里「返すわ」
観鈴「わ、どうして?」
友里「嫌なものを思い出しそうだから…」
観鈴「が、がお…」
柳也「なんだ?何かあったのか?」
友里「直接は書かれてないけれど嫌なものには違いないのよ」
柳也「はあ?」
美汐「物凄く抽象的な表現をなさいますね」
瑞佳「さっぱりわかんないよ…」
友里「さてと、伝承で四行でしょ?早くやっちゃうわ」
観鈴「う、うん…」

★友里
「伝承、伝承…」
「そう、思えばFARGOもそれに近かったのかもね」
「一体何が彼女たちをそこに向かわせたのか…」
「なーんてね。一緒にしちゃいけないかもしれないけど」

瑞佳「うーん、なんか違ってない?」
友里「そうね…」
柳也「ところで、これで最後なんだな?客人は」
観鈴「うん」
瑞佳「なんで柳也さんがそんな事聞くの…」
柳也「いや、さっさと帰ろうと思って…」
美汐「ところで、長森さんはどろり濃厚をどう思われましたか」
瑞佳「え?えーっと…」
観鈴「そうだった!瑞佳がまだ飲んでなかった」
友里「ええっ?そうなの?」
観鈴「うん。瑞佳が最後に飲むって。はい瑞佳。これ飲んで締めくくってね」
瑞佳「う…。えーい、もう、飲めばいいんでしょ飲めば」
柳也「なんだかやけくそだな…」
美汐「誤魔化そうとでもしてたのでしょうね…」
瑞佳「大丈夫、多分食感が違うだけで味は普通…」
どろっ
瑞佳「…ごめん、わたしには無理」
観鈴「そんな言葉でしめくくっちゃダメ」
瑞佳「そう言われても…さすがにこれはきついよ。わたしには無理だもん」
観鈴「が、がお…」
柳也「完全にひらきなおってるな」
友里「開き直りたくなるでしょ、そりゃ…」
美汐「いずれはこのどろり濃厚も伝承として語りつがれそうですね…」
瑞佳「そ、それはとんでもないよ…」
観鈴「よしっ、観鈴ちんの将来の目標っ」
瑞佳「わーっ、本当にやめてよー」

<どろりどろどろ>


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