『AIR偽小説第三十九弾』

懲りずに第三十九弾です。
減りに減ってこんな状態。
ちょっと穏やか。
さあて、次はどうしようかな。


『4行小説』

★敬介
「いやはや、本当に司会が出来るとは思ってもみなかったよ」
「しかし人がほとんど居ないというのは…」
「それでも司会はきっちりこなさないとね」
「お題は落とし穴だ」

柳也「わざわざ社殿までご苦労な事だな…」
敬介「ははは、そう言わないでくれよ」
柳也「というかあんたどうやって来たんだ?」
敬介「裏葉さんのおかげかな」
柳也「………・」
敬介「僕の事はいいから、君も四行頼むよ」
柳也「…まあいいだろう」

★柳也
「落とし穴か…」
「そういえば庭を見まわってた時に、妙な穴に足を取られたな」
「幸いびっくりした程度ですんだのだが…」
「あんな子供じみたことをするのは一人しかいない…」

神奈「この痴れ者が!余がやったと申すか!!」
柳也「ん?なんだそうか、やはり神奈がやったのか…」
神奈「な、なんじゃと!?余はやっておらぬ!!」
敬介「こうして反応して登場してる時点で認めてるのと同じだよ」
神奈「敬介殿までその様な事を申すのか!?余はやっておらぬ!!」
柳也「やってないというのならその証拠を見せろ」
神奈「うっ、そ、それは…」
敬介「さすがに難しいんじゃないのかい?やった証拠ならともかく、やってない証拠というのは…」
柳也「出せなければ神奈だと断定するまでだ」
神奈「うう…余は本当にやっとらぬのに…」
敬介「…どうやら犯人は他に居るみたいだね」
柳也「いいや、泣き落としは通用しないぞ」
神奈「ええいこの益体無しが!余を信用せぬか!!」
柳也「だからな、やってないという証拠を…」
くいっ
柳也「うっ!…誰だ!俺の髪の毛を引っ張ったのは!!」
ポテト「ぴこぴこぴこ」
柳也「…またお前か」
敬介「おや、君はたしか…」
ポテト「ぴこ!」
敬介「そうそう、ポテトだったね」
神奈「…余はなんだか頭が痛くなってきたぞ」
柳也「現代人は犬と会話ができるのか…」
敬介「いや、僕はただ思い出しただけなんだが…」
ポテト「ぴこ?」
敬介「…そうだ、もしかしたら落とし穴の犯人はこのポテトかもしれないね」
柳也「なんだと?こいつが?」
ポテト「ぴこ、ぴこ〜…」
神奈「何やらおびえておるぞ」
敬介「ふむ…どうやら当たりのようだね。犯人はポテト、君だね!?」
ポテト「ぴ、ぴっこり」
敬介「やっぱりな」
柳也「…やっぱり現代人は犬と会話ができるんじゃないか?」
神奈「その様じゃの。見事に反応を読み取っておった…」
敬介「いやいや。こちらの言葉は理解できるみたいだからね。反応を読み取ったのは間違い無いけど」
ポテト「ぴこ〜…」
柳也「…なんだか犯人がどうとかどうでもよくなってきた」
神奈「なんじゃと?ならば余は追いつめられ損ではないか!!」
敬介「まあまあ。さて神奈さん、次4行やるのはあなただよ」
神奈「う、ううむ…」

★神奈
「柳也どのに濡れ衣を着せられ…とんだ災難じゃった」
「話題に出たからといってのこのこと顔を出すべきではないの」
「人の噂に落とし穴あり、じゃ」
「特に裏葉となると見境がないから…」

柳也「ほう、上手いな」
神奈「誉めても何も出さぬぞ」
柳也「悪かったって、お前を真っ先に疑ったのは」
神奈「…ふん」
敬介「ちゃんと後で仲直りしておくように。さて、最後にポテトだ」
ポテト「ぴこ?ぴこぴこ〜」
敬介「…もしかしたら最後じゃないかもしれないな」
神奈「また読みおったのか…?」
敬介「少し解説しようか。最初の“ぴこ?”で肯定か否定の意がある」
柳也「どういうことだ?」
敬介「つまり…いやよく考えれば違った。後の“ぴこぴこ〜”だ」
神奈「ほうほう」
敬介「先に“ぴこ?”の方だが、“私?”と言ってると予想した」
柳也「ふむふむ」
敬介「そして後の部分。“頑張るよぉ〜”もしくは“違うよぉ〜”だと思った」
神奈「その言い方は誰かを思い出すの…」
敬介「…以上から、実は更に人が居るかもしれないと思ったわけだよ」
柳也「…おい、司会ってのは最初から誰がくるとか把握してるものじゃないのか?」
敬介「私的にポテトで最後なんだが…この場には突然来る人も居るからね」
ポテト「ぴっこり」
柳也「なるほどな…」
美汐「さすがですね…」
神奈「な、なななな!?」
敬介「ホラ。本当に来ただろう?」
美汐「秘密にしてたんですが…参りました」
ポテト「ぴこぴこ〜」
敬介「ん?ああそういえばポテトがまだだったね。先に済ませるといい」
ポテト「ぴっこり」

★ポテト
「ぴこぴこぴこ」
「ぴこ!?ぴこぴこ〜…」
「…ぴこ?」
「ぴこ…ぴこぉーっ!!」

敬介「…なんとなく場面が想像できたな」
柳也「俺にはさっぱりだ」
神奈「余も同じくじゃ。敬介殿は凄いんじゃの」
美汐「…ある日歩いていると、落とし穴が。落ちてしまって…ここは一体!?ですね」
ポテト「ぴ、ぴこ〜…」
敬介「当たりみたいだ…凄いねキミ」
柳也「…もはや俺は現代人に付いていけない」
神奈「情けないのう柳也殿。余は対抗心バリバリじゃぞ?」
柳也「お前は横文字辞典に毒され過ぎだ」
美汐「あの…」
敬介「ん?ああ済まない、次はキミの番だ」
美汐「いえ、そうではなくて…」
敬介「?」
美汐「お二人にコツをお教えしようかと…」
敬介「コツ?ああ、ポテト語を読み取る術かい?」
美汐「はい」
柳也「…俺は遠慮する」
神奈「余は学んでみたいぞ」
ポテト「ぴこぴこ〜」
柳也「お前なそんなことしてる暇があったら和歌を覚えろ」
神奈「嫌じゃ嫌じゃ!たまには気分転換をするのじゃ!!」
美汐「では後ほどいらしてください。遠野さんと御一緒に…」
神奈「なんじゃと?」
美汐「先生は遠野さんです」
神奈「…美凪ちんの勢力はここまでのびておったのか…まあ良いぞ」
柳也「俺は良くないんだが…まあ神奈がそこまで言うなら仕方ないか」
ポテト「ぴこぴこ〜」
美汐「話がまとまったところで、四行いきます」

★美汐
「日常の何気ない場所に、落とし穴は潜んでいます」
「話し言葉、物、そして授業…」
「きっと遠野さんはいい落とし穴を用意している事でしょう」
「更に、後戻りするならば私が落とし穴を用意しましょう」

神奈「………」
美汐「では行きましょう、神奈さん」
神奈「や、やはり余は…」
美汐「後戻りなさいますか?先に進みますか?」
神奈「う、う、う…」
美汐「…では柳也さん、橘さん、ごきげんよう」
柳也「あ、ああ…」
敬介「気をつけてね」
ポテト「ぴこぴこ〜」
柳也「…自業自得だな、神奈の奴」
敬介「別にとんでもないことをするってわけでもないだろうけどね」
柳也「ところで俺達はこの後どうするんだ?」
敬介「さあ?誰かが帰ってくるのを待つしかないね」
ポテト「ぴこ」
柳也「はあ…」
敬介「もっと別な形で司会をやりたかったものだよ」
柳也「平和だからいいと思うが…」

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