懲りずに第三十三弾です。
★往人
敬介「そんなに若いのにもう白髪とは…」
★敬介
往人「よく見ればたしかにあんたは茶色だな」
★香里
栞「うぐ…お姉ちゃん言わないでって言ったのに…」
★栞
香里「あんたそんな事やってたの…」
★裏葉
往人「まあ現役だしな…」
敬介「…なるほど、神奈さんが傍にいないとおとなしいね」
<ちょくちょく気まぐれに>
結構おとなしめ。
っつーか敬介さんのおかげですわ(笑)
彼って結構美味しいキャラなのかも。
『4行小説』
「前回は貴重な犠牲のおかげで難を逃れた」
「さて、今回もテーマは髪の毛の色だ」
「色は黒。パート2ってとこだな」
「何度も言うが俺は白髪じゃないぞ」
往人「あんたは何を聞いていた!!」
敬介「ははは、冗談だよ」
往人「ったく…」
敬介「しかし、白髪ならまだいいさ。髪の毛があるんだからね」
往人「どういうことだ?」
敬介「男性には深刻な問題があるだろう?」
往人「…そうだったな」
敬介「髪の毛自慢も良いが、君もそろそろ気をつけた方がいいよ」
往人「ああ…ってそりゃどういう意味だ」
敬介「気にしない気にしない。さあて、四行いかせてもらうよ」
「厳密に言うと僕の髪の毛は黒じゃない」
「少し茶色がかっているからね」
「海藻類を食べると髪の毛が黒くなるとは言うが…」
「別に気にしない事にしている」
敬介「まんま茶色ってわけでもないさ。茶色がかった黒だ」
往人「まあ、真面目にやってくれた分、良しだ」
敬介「他の人は真面目にやらないのかい?」
往人「そういう連中が多い。特に女性陣がな」
敬介「それは君の態度が悪いからじゃないのかい?」
往人「何を言う。俺のどこが悪いというんだ」
敬介「女性というのは繊細だからね。ちょっとしたことで傷つくものさ」
往人「ほう…」
香里「くだらないこと語らいでないで、さっさと出番よこしなさいよ」
栞「ちょ、ちょっとお姉ちゃん…」
敬介「やあこんにちは。たしか君たち姉妹とは初対面だったね」
香里「え?えと、そうですね…」
栞「こ、こんにちわ。私美坂栞といいます」
敬介「ああ、いいよ自己紹介は。既に往人君から聞いているからね」
往人「準備がいいだろ」
香里「ったく、あたしたちには知らせてないくせに…」
敬介「だろうと思った。さて、僕は橘敬介というものだ。よろしく」
栞「あ、よ、よろしくお願いします…」
香里「ちょっと栞、そんなにあたふたしないでよ、みっともない」
栞「お姉ちゃんこそちょっと緊張してるでしょ?」
香里「何言ってんの。そんなことあるわけないでしょ」
敬介「まあまあ、姉妹で言い争わないで。さて、四行は次君達だよ」
香里「は、はいっ」
栞「先にお姉ちゃん行って」
香里「しょうがないわね。姉のあたしがお手本を見せてあげるわ」
往人「…えらく乗り気だな。俺の時とは随分違うぞ…」
敬介「おっと、滅多に顔出ししない僕が仕切ってしまっていたか。済まなかったね、往人君」
往人「い、いや…」
香里「そうよ、遠慮する事ありませんよ。国崎君がやるよりずっといいわ」
往人「てめえ…」
香里「何よ、やる気?」
かぽっ
栞「お、お姉ちゃん。メリケンサックなんてはめないでよ!」
香里「これはカイザーナックルって言うのよ」
往人「どちらにしてもそんな物騒なものはしまって欲しいだが…」
香里「使った後でしまってあげるわ」
敬介「怪我人が出るのはあまり見たくないんだけど…」
香里「…失礼しました」
すっ
往人「えらくあっさり外したな…つーかなんで俺の時と態度がそんなに違う」
香里「橘さんが悪いんじゃないからね。さてと、四行やるとするわね」
「あたしの髪の毛、ウェーブがかかってるでしょう?」
「これのおかげで幾人もの人が苦労したんですって」
「現に今も栞が苦しんでるわ」
「…何のことかって?人物画よ」
香里「別に質まで言ってないでしょ。苦労してるってことをあたしは言いたかったのよ」
敬介「たしかにそれだけウェーブがかかってると描くのは大変だろうね」
栞「はい、そうなんです…。今まで何枚も失敗しました…」
香里「でも栞が言い出したんだからしっかり描いてよ」
栞「うーん…」
香里「あたしは楽しみにしてるんだから。可愛い妹の描く姉の姿を」
栞「お姉ちゃん…。うん、私頑張る」
香里「そう、その意気よ」
往人「仲がいいんだな」
栞「はい。私とお姉ちゃん仲良しです」
香里「そういえばもう一組姉妹がいたはずよね」
敬介「霧島さんのことかい?そういや最近見てないな…」
往人「あんたは滅多に出ないからな。見てなくても無理はない」
敬介「はは、痛いとこをつくね」
香里「というか不可抗力でしょ、それって」
敬介「まあそこに付いて相談があるんだが」
往人「なんだ?…とりあえず先に栞に四行」
敬介「おっとそうだったね、失礼した。どうぞ」
栞「あ、は、はい」
「以前祐一さんが、私とお姉ちゃんってあんまり似てないって言ってました」
「私もそう思います、とっても」
「だってこの前、お姉ちゃんの髪型真似したら…」
「全然似合わなかったですから…」
栞「う、うん…」
香里「馬鹿ねえ。あんたはあんたでいい髪型じゃない。無理に真似することないわよ」
栞「うん…」
敬介「なかなかどうして、いい姉妹愛じゃないか」
往人「さてと…おっと、あと一人実はいるんだ」
香里「誰?」
往人「急に現れる」
香里「は?」
裏葉「皆様、ごきげんいかがでございましょうか」
栞「うわっ!!わわわっ!!」
香里「…ビックリした。栞!いきなり叫ばないでよ!」
栞「だ、だって…」
敬介「誰かと思えば裏葉さんではないですか。その節はどうも」
裏葉「いえいえ。こちらこそお世話になりもうした」
往人「…あんたら密かに会ってるのか?」
裏葉「滅相もございません!私が勝手に出歩ける立場でございましょうか?」
敬介「一時往人君が司会を抜けていたろう。その時に会ったんだよ」
往人「なるほど…」
栞「ねえお姉ちゃん…」
香里「何よ」
栞「裏葉さん、髪の毛すっごく綺麗…」
香里「そりゃ昔の人だからでしょ」
栞「…そういうもんなの?」
香里「そういうもんよ」
裏葉「そうではござりませぬ」
栞「わっ!」
香里「そうではないって…どういうこと?」
裏葉「今も昔も、髪はやはり女の命でございます。綺麗さに時代は関係ありませぬ」
香里「…ま、別に否定はしないわ」
往人「話はすんだか。じゃ、四行頼む」
裏葉「お任せあれ」
「髪の毛が長いと手入れが大変になりまする」
「しかし神奈さまに対してのそれは、私にとって苦労でもなんでもありませぬ」
「一本一本丁寧に、櫛でといて差し上げるのでございます」
「もちろんその腕は今も健在でございますよ」
香里「それにしてもこの人って神奈のことばっかりね…」
裏葉「さあさあ。折角ですから私が皆さんの髪をといて差し上げましょう」
栞「わ、本当ですか?」
裏葉「ええ」
香里「良かったわね栞、さ、一番にやってもらいなさいな」
栞「でも…といてもらうことに何の意味が…」
裏葉「見違える程に綺麗にして差し上げますよ」
栞「う、うん…」
香里「少なくとも今より美人になりなさいよ」
栞「お姉ちゃん、それどういう意味?」
香里「気にしちゃ駄目よ」
裏葉「ほほほほ…」
往人「そうなのか?」
敬介「ああそうだ。何せ彼女の四行には毎回神奈さんが出てくるからね」
往人「そうだったのか…言われてみれば…」
敬介「では僕はそろそろ失礼させてもらう」
往人「ああ」
敬介「今回は随分平和だったんじゃないのかい?」
往人「かもな」
敬介「次回からも頑張って…そうだ!相談を忘れていた!」
往人「相談?ああ、途中でそんなこと言っていたな」
敬介「時間も少々おしてるので単刀直入に言おう。司会をたまには替えないか?」
往人「司会を替える?」
敬介「そうだ。一度くらいは経験してみたい人物はたくさんいると思うからね」
往人「そりゃそうだが…」
敬介「とりあえず考えといてくれ。それじゃあ!」
往人「あっ、おい!…行っちまった」
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