『AIR偽小説第二十九弾』

懲りずに第二十九弾です。
ちょっぴり原点に戻ろうと試みました。
でも相変わらずなのは変わりませんでしたね。
こんな調子でどこまでいけるやら。


『4行小説』

★往人
「一度初期のものに戻ろう」
「黒と白と二つの色がある」
「色関係じゃなくてもいいから、これから連想するものをいってくれ」
「俺は最後でやってやろう」

★観鈴
「えーと、黒は……そら、そして往人さん」
「でも真っ暗闇じゃないよ」
「暑い日に熱をいっぱい吸収して暑そうだね」
「でも黒は黒だから」

往人「それは喜んでいいのか?」
観鈴「別に無理に喜ばなくても……」
往人「むう……」

★観鈴
「白は羽!」
「空を飛ぶ為に必要だね」
「白くない羽もあるけど……」
「それはそれだね、ぶい」

往人「どういうこっちゃ」
観鈴「往人さんが前言ったじゃない。白い羽はあるか?って」
往人「“白い”と言った覚えはないんだが……」
観鈴「でもがおがおTシャツの布地は白だったよね」
往人「だからそれが何の関係が……」

★美凪
「黒……」
「まっくろくろくろはんばあぐ」
「失敗しちゃいました」
「みちるに食べさせると大変なので、国崎さんに差し上げます」

往人「要らん」
美凪「遠慮なさらずに召し上がれ」
往人「匂いからして怪しいぞ!?」
美凪「ただの新薬の実験ですので」
往人「そんな言葉が出てる時点で、ただの、じゃないー!」

★美凪
「白、それはお米の象徴色です」
「さきほどのお詫びとして国崎さんにご馳走するとしましょう」
「でもお米の色は白だけとは限りません」
「ぬかがついてたりするとまた色は変わるのです」

美凪「さ、どうぞ」
往人「遠野、これ炊いてないだろ?」
美凪「国崎さんなら大丈夫です」
往人「大丈夫なわけあるか!!」
美凪「お腹を壊すか歯を痛めるか……二つに一つ」
往人「そんな選択肢にするな!!」

★佳乃
「黒……黒……」
「そうだっ、なぎーじゃないけどあたしもお料理を失敗したんだよぉ」
「まっくろになっちゃった、サラダ」
「でもよかったぁ。往人くんが食べてくれるよね?」

往人「誰が食うか!!」
佳乃「往人くんだよぉ」
往人「俺は食わん!!つーかなんでサラダが真っ黒になるんだ!?」
佳乃「イカスミをかけようとしたからだよぉ」
往人「あ、なるほどな。それなら食えるかもしれない」
佳乃「でもイカスミがなかったから墨汁で代用したんだよぉ」
往人「そんなふざけた料理を作るな!!」
佳乃「食べてくれないのぉ?」
往人「食わんと言ったら食わん!!」

★佳乃
「仕方ないので白いもので対抗するよぉ」
「下着……はさすがに破廉恥だからやめておくとして…」
「このワンピースで勝負だぁ」
「ほらほら、往人くん、どお?」

往人「…俺にどうしろと言うんだ」
佳乃「食べて?」
往人「服なんか食えるか!!」
佳乃「据膳食わないなんて男の恥じだよぉ」
往人「そういう問題じゃ……いや待て、服は無理だが佳乃なら……」
キラン
聖「国崎君、佳乃がどうしたんだって?」
往人「なんでもないです……」
佳乃「あっ、お姉ちゃんの登場だぁ」
聖「久しぶりだな。私は長期にわたってないがしろにされてきた気がする」
往人「単に出番がなかっただけだろ」
聖「国崎君が司会を投げ出すから出るに出られなかっただけのことだ」
佳乃「でもお姉ちゃん、ちょこちょこでてたんじゃないのぉ?」
聖「……まあな」

★聖
「黒、これはあまりいいイメージでは使われない」
「腹黒いだとかいう言葉がある様にな」
「しかしこの色は医学においては重要だ」
「なぜなら、とある本に登場する名医は……」

往人「オチは読めた。そこまでだ」
聖「別に真実を語るつもりはない。勝手に分かった気になっていろ」
往人「……違うのか?」
聖「何がかな?ふっふっふ」
往人「何故笑う……」

★聖
「白、身近なものとしては白衣だな」
「私は毎日身につけている。まあ医者として当然の事だが」
「実は白衣が白いのには訳がある」
「血の飛び散り具合でアートを描くわけだ」

往人「そんな危ないジョークを吐くな!!」
聖「聞いた瞬間に冗談だとわかるからいいだろう」
往人「世の中にはそれが通じない奴も居る!!」
聖「この場にはそんな人間は居ないと思うが……」
往人「この場……佳乃と、俺と、聖?」
佳乃「そうだよぉ」
聖「そういうことだ」
往人「いいや、これを読んでる読者の方々だ!!」
佳乃「そんな楽屋的な事は言っちゃだめだよぉ」
聖「どのみち公開になどならないだろう?」
佳乃「お姉ちゃんまで……」
往人「そんじゃ、場所を変えるか……」

★みちる
「黒!国崎往人の色!」
「なんでこんなあっつい時に黒なのかな〜」
「さっすがヘンタイ誘拐魔だけのことはあるね!」
「そんな国崎往人には黒いハンバーグを進呈!」

往人「いらん」
みちる「さっきからそればっかじゃん。少しは精進しなよ」
往人「いらんものを受け取るのが精進か!?第一そのハンバーグって…」
みちる「これはみちるの失敗作だよ。だから大丈夫!」
往人「大丈夫じゃねー!!」

★みちる
「白、真っ白な……雲!」
「しゃぼんだまを飛ばしてる時に空を見上げるからねえ」
「それでよく見かけるんだよ」
「まっすぐのびた雲ってきもちいいよねー」

往人「ふう、それじゃあこのへんで終わりだな……」
美凪「黒といえば夜空……」
みちる「あっ、そうだね美凪ー!」
美凪「そして光る星達は見方によっては白……」
みちる「うんうん!」
美凪「それでは早速部活動に向かいましょう」
みちる「わーい、やったー!」
往人「……勝手に行っちまった」

★晴子
「黒?居候でええやん」
「関係無いけどうちの服も黒いなぁ」
「居候からおそろいとか言われたら…」
「うわあっ、きしょっ!」

往人「誰が言うんだ、誰が」
観鈴「往人さん」
往人「俺が言うか!!言いそうなのは観鈴、お前だ」
晴子「あっ、言われてみればそうやなあ。観鈴、言うたらあかんで?」
観鈴「が、がお……」
ぽかぽかっ
観鈴「イタイ…私言わないのに……」
晴子「まあそんなんはええわ。で、次はなんや?」
往人「人の話は聞いてろ。次は……」
晴子「白やろ?わざと聞いたっただけや。はははー」
往人「くそう……」

★晴子
「白っちゅうたら紙やな」
「真っ白な紙に色んなもん描いて……」
「まったく別なもんを作り上げるんや」
「ええ作業やで〜」

観鈴「ねえお母さん、お絵描きしよ?」
晴子「うちはもう寝る……」
往人「慣れない事を言って頭が痛くなったのか」
晴子「ちゃうわいっ!!つーか居候、さっさとしめや」
観鈴「お母さん、お絵描き〜」
往人「それじゃあここでお終い!」

<半分くらいにまとまったであろう…つーか往人やってねーし>


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