懲りずに第二十六弾です。
★柳也
神奈「ぱたぱたぱた……ふう、よい風じゃ」
★神奈
ぽかっ
★裏葉
柳也「………」
★美凪
美凪「終了です」
★美汐
柳也「おつかれさん」
<復活まであと少し>
平凡的なテンポがこれですね。
ゲストとの絡みが甘いかもしれませぬ。
ま、特に気にしないのさ。
主旨なんてのはもってのほか。
『4行小説』
「ふう、ようやく元に戻ったぞ」
「色々と面倒があったが、ここからは再び俺が進行役だ」
「お題は扇子だ」
「夏にはまず欠かせないであろうそれを存分に示してくれ」
柳也「自分で効果音発する奴も珍しいな…」
神奈「知らぬのか?柳也殿。これが今の流行ぞ」
柳也「お前美凪に騙されてるだけじゃないのか?」
神奈「な、何を言うか!!美凪殿は人を騙すなどしない!!」
裏葉「そうでございますよ、柳也さま。第一美凪さまに失礼です」
柳也「しかしだな……」
美凪「そうざます」
柳也「おわあっ!」
美凪「じゃん。呼ばれて飛び出たのでやってきましたざます」
神奈「よく来たの、美凪殿」
裏葉「この暑い中大変でございましたでしょう。ささ、水浴びなどいかがですか?」
美凪「……それはさすがに遠慮しますざます」
柳也「さっきからざますざますとなんなんだ」
美凪「今回のテーマは扇子。ですからざますなのですざます」
裏葉「使い方が間違ってはおりませぬか?」
神奈「ざますはもうよい。では早速余が参ろうぞ!」
「とおーっ!!」
「どうじゃ!扇子は戦うときにこのように投げるのじゃ!」
「ただ拾ってくるのが面倒じゃの……」
「柳也殿、命令じゃ。余の扇子を拾ってまいれ」
神奈「あいたっ!無礼者、何をするか!!」
柳也「それはこっちの台詞だ。いきなり扇子を投げるな」
神奈「ちゃんと人がおらぬ方を狙ったぞ?」
柳也「そういう問題ではない!」
裏葉「まあまあ、柳也さま。一度くらいはよいじゃありませんか」
美凪「そうざます」
柳也「お前は黙ってろ」
裏葉「神奈様、しばらくお待ちください。私が拾ってきますゆえ」
神奈「うむ。まったく、何故に柳也殿は裏葉みたいに素直ではないのかのう」
柳也「あれを素直というのはどうかと思うぞ」
美凪「まったくざます」
柳也「だからお前は黙ってろっての」
裏葉「はい神奈様。拾って参りました。今度はしっかり持っててくださいませ」
神奈「うむ、ご苦労であった」
ずしり
神奈「んん!?う、裏葉、なんじゃこれは!」
裏葉「扇子でございます」
神奈「そんなことはわかっておる!何故にこんなに重いのじゃ!!」
裏葉「気のせいでございましょう?さ、しっかり持っていてくださりませ」
神奈「か、斯様な物が余が持てるわけな……」
裏葉「神奈様?ちゃんと持っていただかないと……」
神奈「わ、わかった!ちゃんと持つ!持っておるからな!!……うう」
柳也「……何をやった裏葉」
裏葉「ほほほ」
美凪「おそらくは重り……ざます」
柳也「もうざますはいいっての。…それにしてもえげつないことを」
裏葉「それは心外でございます。私は役目を果たしたまで」
神奈「ぐ、ぐぬぬぬぬ……」
柳也「神奈を鍛える役目か?」
裏葉「そんなところでございます」
柳也「……まあいい。じゃあ次は裏葉」
裏葉「承知しました」
「先ほど神奈様がなさった投げ方は正しくありません」
「花鳥扇とは、このように膝を床につき……」
「あの的めがけて……えいっ!!」
「と、投げるのでございます」
裏葉「いかがなさいました、柳也さま」
柳也「俺に向かって投げるな!俺は的ではない!!」
美凪「的ざます……」
柳也「だあああ!いいかげんざますをやめろー!!」
美凪「やめるざます」
柳也「言ってる傍から使うな!!」
裏葉「荒れておられますね、柳也さま」
柳也「誰の所為だ!?」
美凪「それはもちろん……」
美汐「遠野さんの所為ではないかと……」
柳也「だ、誰だ!?」
裏葉「一度お会いしたではございませぬか。ようこそ、美汐様」
美汐「そういう仰々しい呼び方は戸惑ってしまいます……」
裏葉「これは申し訳ありませぬ。お気に障ったなら謝ります」
美汐「いえ、構いませんから。それより遅れて申し訳ありませんでした」
美凪「天野さんも呼ばれてたのですか?」
美汐「ええ。……あなたとはお会いしましたっけ?」
美凪「それはもう……」
美汐「そうですか……」
柳也「…えーと、挨拶はいいから次いってくれないか」
美凪「わかりました。なぎー参ります……じゃん」
裏葉「そ、そのひらひらな扇子は?」
美凪「この日の為に用意しました。ざます扇子です」
裏葉「ざます扇子……」
柳也「言われてみるとそんな名前がついていてもおかしくなさそうだな…」
裏葉「このふわふわは……鳥の羽でございましょうか?」
柳也「こんなもので扇いでいると余計に暑くなりそうだな……」
美汐「皆さんジュリアナ扇子は初めてのご様子」
柳也・裏葉「じゅりあな?」
美凪「これを持って踊るのです……」
「そぉ〜れ」
「はっするはっする」
「ふぃーばーふぃーばー」
「最後はしゅたっと華麗に着地」
柳也「………」
裏葉「………」
美凪「……どうされました?」
柳也「いや……その……」
裏葉「どう……言葉を付ければいいのかと思いまして……」
美凪「成功でしょうか。ぱちぱちぱち」
美汐「成功とは違うと思うのですが……」
柳也「つ、次いこうか、次」
美汐「わかりました。では参ります」
「扇子とは……」
「見た目にも美しく……」
「使って風をおこしやすく……」
「そして携帯出来る便利な代物なのです」
美汐「どうも最近は何か主旨が違ってきてるように思うのですが?」
美凪「いいのです。作品は自由です」
裏葉「制約が特にない方が楽しめましょう」
美汐「……ところで、そちらに顔を真っ赤にされてる方がいらっしゃいますが」
柳也「は?…か、神奈!?」
裏葉「そういえば先ほどから一言も発せられておりませんでした!!」
美凪「きっと扇子が重すぎたのでしょう……」
美汐「冷静に分析している場合でもありませんね」
柳也「言ってる傍からお前ら二人は冷静じゃないかー!神奈!!」
ずしっ
柳也「ぬ、ぬをっ!?こ、この重さは……」
神奈「う、うう……」
裏葉「神奈様!?しっかりなさってくださいませ!」
柳也「声かけてるのはいいが……裏葉!なんだこの重さは!!」
裏葉「重りの成果でございます!」
柳也「こんなもん持たせたら絶対に息が詰まるわ!!」
神奈「う……けほっけほっ……ふう、死ぬかと思ったわ」
裏葉「神奈様、よくぞご無事で!」
神奈「ご無事で、ではないわ!!裏葉、そなたは余を殺すつもりか!?」
裏葉「そんな、滅相もありません。私はただ神奈様を鍛……」
神奈「言い訳はもうよい!余はもう帰るからな!!まったく……」
ずでん
美汐「あらら……」
美凪「神奈備命は何もないところでこけてしまいましたとさ」
神奈「あ、足が……」
柳也「そらあんなもの正座のまま持ってたらしびれて当然だな」
裏葉「申し訳ございません神奈様。今日はこの裏葉がつきっきりで看病いたしますゆえ」
神奈「え、ええい、ひっつくでない!もとはといえば裏葉!おぬしが……」
ちょん
神奈「ぐわあああ!!」
裏葉「ああ、足の裏に触れただけでこのような悲鳴を……」
神奈「分かっていながらするでない!!」
美汐「……これにて一件落着」
美凪「ぱちぱちぱち」
柳也「勝手に締めるなっての」
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