懲りずに第二十一弾です。
★柳也
神奈「どこからその様なものを持ってきたのじゃ」
★裏葉
裏葉「さ、柳也様……」
★聖
聖「なんと言っても辞典は……」
★敬介
敬介「うーん、難しいなあ……」
<なんか短いな>
なんか更に短くなってしまったような。
いっそのことそんなのがいいかもしれませんけどね。
『4行小説』
「前回はなんとも酷い目に遭ってしまった…」
「それでもめげずに俺はやる」
「今回のお題は辞典」
「どうだ、分厚いだろ」
柳也「つてを使って借りた。まずは威力を味わってみるか?」
神奈「威力?」
ごんっ
神奈「!!!!……つう……いきなり何をするか!!」
柳也「どうだ、辞典の威力は」
神奈「余でそのようなものを試すでない!!」
柳也「試したとは心外な。まあそんなことはどうでもいいとして……」
神奈「よくない!」
裏葉「そうそう、よくありませんよ柳也様」
柳也「裏葉…前回俺を丸太で殴っておいてよく顔が出せたな?」
裏葉「まあまあ。ただのおふざけでございますゆえ」
神奈「余から見ればあれはおふざけには到底思えぬ」
柳也「……そうだな、おふざけでゆるしてやる。で、裏葉。何がよくないんだ?」
裏葉「私めにも威力を味あわせてくださいまし」
柳也「……本気か?」
裏葉「はい。これで神奈様をびしっとやらせていただきまする」
神奈「“びしっと”でないわ!!」
柳也「いつまでもこんな事をやってると話が進まないから本題行くぞ」
裏葉「ああ、そんなご無体な……」
神奈「ご無体な、ではないっ!!」
柳也「ではいくぞ。裏葉。辞典についてさあ四行」
裏葉「……承知しました」
「辞典とは様々な言葉について書かれている優れた書物でございます」
「しかしながら、その真価は内容にあらず」
「このような辞典という存在そのものにございます」
「早速柳也様からお借りして、この私がその効果をお見せ致します」
神奈「柳也殿!ぜっっっっったいに渡してはならぬぞ!!」
柳也「やろうとしてることはともかく、なかなかどうして、裏葉もいいことを言うな」
裏葉「感心なさるくらいでしたら早く手渡してくださいませ」
神奈「えーいやめんかー!!」
聖「まったくもって騒々しいな……」
柳也「お、きたか。辞典並の分厚さを持つ書物と戯れていたであろう御人よ」
聖「戯れているほどではないが……まあたくさん読んだのは間違いない」
柳也「さあいってくれ。騒いでる二人は無視して構わぬ」
聖「元よりそのつもりだ」
裏葉「柳也様!早く辞典を貸してくださりませ!!」
神奈「柳也殿!貸してはならんぞ!!」
聖「………」
「辞典に限らず、書物とは知識の集大成だ」
「それぞれに書いた人の想いがぎっしりと込められている」
「読む際にはそのひとつひとつの想いを受け止めてゆくことも重要だろう」
「特に辞典など、私は最初に作り出した人を尊敬するぞ」
裏葉「だからその真価を私が直にー!!」
神奈「ええいっ、裏葉などに任せたらとんでもないことになるに決まっておる!」
裏葉「そのような酷い事を申されるとは……裏葉は悲しゅうございます!」
神奈「なんとでも言うがよい!余は絶対に裏葉に辞典は渡さぬ!!」
聖「すっかり自分の世界だな」
柳也「こりゃあ締めがくるまでこのままか?」
敬介「やあこんにちは」
柳也「おっ、珍しい人物の登場だな」
敬介「初めまして。もっとも、初対面じゃない人も何人か居るようだけど」
聖「この前は言付けを頼まれてくれてありがとう」
敬介「いやいや、あれくらいおやすい御用だ」
柳也「今回はいつもの二人がふざけてるからな。真面目にやってくれ」
神奈「柳也殿!聞き捨てならぬな、余のどこがふざけておるのじゃ!」
裏葉「私の邪魔をしておることがです!」
神奈「そんなもの邪魔をして当然の事じゃ!」
敬介「……さて、手短にいかせてもらうよ」
「辞典の内容は時と共に変わる物」
「それは何故か?真実が変わるという事だからだ」
「過去の事実を伝えるものではない、今活用するための物であるから」
「だがそれでも、知識的にはなんら問題はないけどね」
柳也「そんな難しい事を語るな」
聖「いや、まとめるのが難しい、ということなのだろう」
敬介「そのとおりだよ。やはり僕はまだまだ不器用なようだ」
聖「それでも私には興味深いテーマであった。いい考え方だ」
敬介「そう言ってもらえると嬉しいね」
柳也「さてと、今回はここいらで締めるか」
神奈「ほっ……って、余がまだ四行をやっておらぬぞ!!」
裏葉「私の邪魔をした罰でございます。今回は神奈様はおあずけということで」
神奈「そのような犬みたいな事を余は受け入れぬぞ!!」
柳也「あーもう、うるさいうるさい!ここで終わりだ!!」
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