懲りずに第五十六弾です。
★北川
香里「無理に決まってんでしょ。身の程を知りなさいよ」
★香里
北川「なるほど、言われてみればそうだな…」
★佳乃
香里「そりゃあ、そんなの当たり前じゃないの?」
★聖
香里「…真顔で凄い事言ってるわ」
★栞
香里「発酵、ねえ…」
………
美凪「…もしもし」
★美凪
北川「………」
<北川脱落>
なんかくだらんことやってるなあ…。
くだらないことの中の、更にくだらないことって事。
『4行小説』
「国崎から条件を出された」
「それはそれとして二回連続司会だ」
「こんな快挙があるだろうか?いやない!!」
「ふっ、オレは見事永久司会の座を獲得して見せる」
北川「美坂…応援に来てくれたのか?」
香里「慰め役よ。じょうだんじゃないわ、ったく…」
北川「心配するな美坂、お前の不安をオレがすべてぬぐってやる」
香里「言ってる事はかっこいいんだけどね、先が見えてるから期待はしないわ」
北川「…おい、そりゃないだろ?」
香里「どうでもいいけど、テーマは何よ」
北川「あ、えっとだな、ゴミ袋にしよう」
香里「なんでそんなテーマなんだか…」
「ごみ袋っていうと、燃える燃えないとかあるやつね」
「言っておくけど、あの表記間違ってるわよ」
「物ってのはね、温度を上げれば絶対に燃え尽きるのよ」
「だから燃やしていいものと燃やしてはいけないものとするべきね」
香里「感心してる間に次の人物が来るわよ」
佳乃「やっほー、かのりんだよぉ」
香里「ほら来た」
佳乃「ああっ、かおりんだぁ。どうしたの?こんなところで」
香里「だから!そのかおりんって呼び方止めなさいって言ってるでしょ!?」
佳乃「ええ〜?かおりんはかおりんだよぉ」
香里「はあ…。ちょっと北川君、黙ってないでとっとと相手しなさいよ」
北川「あ、ああ、すまん。…そうか、呼んでおきながら人の名前を知らないとかぬかしてやがったな」
佳乃「ふえっ?キミだあれ?」
北川「言ってるそばからこれかよ!」
佳乃「えへへへぇ。冗談だよぉ、潤君」
北川「くっ…」
香里「早くもダメージ受けちゃってるわね…」
佳乃「テーマはごみ袋だね?それじゃあかのりんいくのだぁ〜」
「ごみ袋といえばねえ…」
「うちってほら、診療所でしょ?」
「だから捨てるのに気を遣う器具とかいっぱいあるんだよぉ」
「お姉ちゃんはしっかり分別してるんだよ、凄いなぁ」
聖「その通りだ」
北川「うわっ、また唐突に現れた…」
ぼかっ
聖「君は司会としての態度がなっとらん」
北川「す、すみません…」
聖「ほう…謝るということは将来性があるかもな」
香里「たきつけないでくれます?どうせ北川君に司会なんて無理なんだから」
聖「…君は慰め役ではなかったのか?」
香里「先が見えてるのに慰めても…」
佳乃「駄目だよぉ、かおりん。ちゃんと遊んであげないと」
香里「………」
聖「佳乃、遊ぶんじゃないんだぞ。語りをするんだぞ」
佳乃「でも遊び気分じゃないと面白くないよ、お姉ちゃん」
聖「…そうだったな。そうだ。その通りだ」
香里「ったく、同じ姉としてどうしてこうも違うのかしら…」
聖「そういえば君の妹君は来ていないのか?」
香里「栞は今回参加しない予定ですから」
聖「そうか、それは残念だ…。折角姉妹同士での語らいが出来ると思っていたのに」
佳乃「お姉ちゃん!あたしが今から連れてくるよぉ!」
聖「…だそうだ。構わないか?香里さん」
香里「あたしは別に構わないですけど…」
佳乃「よしっ、早速しおりんを連れに行ってくるよぉ」
香里「…行っちゃった」
聖「姉想いのいい妹だ」
香里「あれを姉想いって言うのもどうかと思うけど…」
北川「あのー…」
香里「あら、北川君まだ居たの」
北川「がーん…」
聖「香里さん、そんな事を言っては司会は務まらないぞ」
香里「どのみち北川君には務まらないもの。酷い目に遭うのがオチだわ」
聖「…そうだな。北川君、君はもう司会を投げ出して帰るのがいいだろう」
北川「う…。そ、そんな事言わずに四行お願いします…」
香里「根性で動いてるわね…」
聖「ふむ。では…」
「ごみ袋。要らないものを詰めるものだな」
「例えば用済みになった粗大ごみ。代表的な者は扇風機」
「または使えなくなったバイトだな」
「掃き捨てて燃えないごみの日に出す」
聖「実は暗に表しているものばかりだ。気にするな」
北川「うーん…。どうも司会ってのは、別の基準があるような…」
佳乃「どーん!」
北川「ぐはっ!」
佳乃「えへへへ、大急ぎで連れてきたよぉ」
栞「ふう、ふう、佳乃さん走るの早いです」
香里「本当に連れてくるなんて…」
栞「あれっ、お姉ちゃん」
香里「そうよ、お姉ちゃんよ。聖さんが姉妹同士で語りたいって言うから…」
栞「そうだったんだ…佳乃さん、何の前触れもなくさらうんだもん…」
佳乃「えへへ、ごめんねぇ。早く連れてきたかったんだよぉ」
聖「ご苦労だったな、佳乃。そしてようこそ栞さん」
栞「は、はいっ、こんにちわ」
聖「さて、では早速家に招待しよう。そこでゆっくりと語らおうではないか」
佳乃「わーいっ」
香里「はあ、まあいいわ。折角来てるんだし…」
栞「あの、ところで…」
佳乃「どうしたの?しおりん」
栞「そこにのびてる潤さんを放っておいていいものでしょうか…」
香里「ああそういえばそうね。最後に栞も四行やっときなさい」
栞「四行?」
聖「彼を弔う意味でもな。テーマはごみ袋だ」
栞「は、はいっ」
「ごみ袋…」
「食べ物を沢山食べてるとあっという間にいっぱいになってしまいます」
「張り切ってお弁当を作ってると、ほんとすぐですね」
「生ごみは発酵が早くて困ります」
栞「ふう、疲れました」
聖「ご苦労様。さあ案内しよう」
香里「………(ごめんね、北川君)」
栞「お姉ちゃん?」
香里「な、なんでもないわよ。さ、行くわよ!」
佳乃「よーし、でっぱーつ!」
北川「…はっ!?」
美凪「やっと、起きられましたね…」
北川「…あんたは?…って、たしか遠野美凪さんだっけな」
美凪「はい…。北川さん、ここでお亡くなりになっておられました…」
北川「…もういい。やっぱオレには無理なんだ」
美凪「諦められたのですか?」
北川「ちょっと前に相沢が愚痴ってた理由がよくわかった…。とにかく遠野、四行だ」
美凪「…四行?」
北川「ああ。テーマはゴミ袋だぞ」
美凪「…了解」
「ごみ袋…」
「北川さんをポイしようと思いました」
「何故って、ごみを道端に捨ててはいけません」
「けれどもその前に…私には持ち上げられません」
美凪「…残念です」
北川「もう終わるわ」
美凪「…女性?」
北川「いや、たしかに見た目は女性言葉にみえるが、実は違うぞ」
美凪「…それは、どのようなものでしょう?」
北川「それはだな…って、また今度な」
美凪「…残念です」
北川「そんなところで終わりだ〜」
美凪「…終わりです」
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