『AIR偽小説第五十二弾』

懲りずに第五十二弾です。
無意味に分けたのは、単に容量の関係です。
今後どうするかは・・・さあねえ?(笑)


『2行小説』

★美凪
「…司会を頼まれました」
「お米券を携えて、頑張っちゃいます」

留美「そしてあたしがアシスタントってわけなのね」
美凪「るみるみさん、よろしくお願いいたします」
留美「あの、あたしの名前、七瀬留美なんだけど…」
美凪「…?」
留美「?じゃなくて…」
美凪「では…」
留美「何?」
美凪「るみー、とお呼び致します」」
留美「ちょ、ちょっと!」
美凪「…やっぱりるみるみがしっくりきます」
留美「うう、そんなあ…」
美凪「七瀬さん。乙女たるもの、可愛い呼び名はあって損はありませんよ」
留美「なんだ普通に呼べるんじゃない…って、乙女の条件ってそれなの!?」
美凪「たとえばみちるなら…ちるちるという呼び名があります」
留美「いや、あの子は乙女っていうものでも…」
美凪「乙女の条件は、かわいい、です。みちるはかわいい、です。だから乙女、です」
留美「そ、そうなの…」
美凪「七瀬さんも、十分かわいいですよ」
留美「え、えへへ、そうかな?」
美凪「はい…神奈ちんもびっくり」
留美「そう言われると照れちゃうな〜…って、神奈ちんって誰?」
美凪「実は…かわいいみちるの、かわいいらいばる、です」
留美「へえ…」
美凪「負けてはいけません、ガッツ…みちる」
留美「あ、そ…」
美凪「さて、七瀬さんどうぞ」
留美「…何が?」
美凪「…乙女失格、です。目的を忘れてはいけません」
留美「あ、ああ、2行だったわね」
美凪「忘れっぽくなったで賞、進呈…」
留美「い、嫌な賞ね…。って、これ何?」
美凪「空けてびっくり…玉手箱…」
留美「へえ…」
美凪「おばあさんになっちゃいます」
留美「…冗談でしょ?」
美凪「男の人があけると…おじいさん。女の人があけると…おばあさん」
留美「…この封筒は大丈夫よね?」
美凪「…秘密です」
留美「………」
美凪「そんなことより、2行を…」
留美「あ、はいはいはい」

★留美
「企画うんぬんより、いい機会よね」
「ここで真の乙女になってみせるわ!」

美凪「…夢は、果てしないのですね」
留美「それってどういう意味?」
美凪「いえ…がんばってください…」
留美「う、うん…というか、あたしは美凪に秘訣を教えてもらいに来たんだけど」
美凪「…そうだったのですか?」
留美「あのねえ…いっちばん最初会った時に言ってたでしょうが…」
美凪「………」
美凪「…了解しました」
美凪「七瀬さんを乙女にするため、頑張っちゃいます」
留美「た、頼んだわよ…(何、今の間は…)」
美凪「では、お客様のご紹介に移ります…」
真琴「あぅーっ、なんであんたたちそんなに勝手にやってるのよぅ」
美凪「沢渡さんでしたか…」
留美「…誰?」
真琴「あたしは沢渡真琴よう。よろしくね」
留美「へえ〜、あたしは七瀬留美。…やけに元気よね?」
真琴「やるからには楽しくやるんだから!」
美凪「プラス思考は良い事です。乙女にも必要です」
留美「そ、そうなんだ。よっし!」
真琴「…乙女?」
美凪「こちらのことです。では2行どうぞ」

★真琴
「企画はともかくとして、真琴はあぅーっちゃんとか呼ばれて連れられて来たの」
「あぅーっ、わけがわかんない…」

留美「あぅーっって言ってるからじゃないの?」
真琴「あぅーっ…」
美凪「言ってる傍から連呼されてますね」
真琴「あたしは沢渡真琴っていう自分の名前が好きなのにぃ」
留美「自分の名前、好き?」
真琴「もちろんよぅ。留美も好きだよね?」
留美「う、うん」
真琴「自分の名前を好きになるってのは大切なことよぅ」
美凪「…そうですね…そうです…」
留美「そうよね…」
真琴「じゃあ真琴はこれでねっ。ばいばいー」
留美「ばいばい〜…いいことを聞いたわ」
美凪「まったくです。では、次の方…」
敬介「やあ、やってるね」
留美「うわっ、こんなダンディーな人もいるんだ…」
敬介「ははは、ありがとう」
美凪「ご紹介します。橘敬介さんです」
留美「えっと、七瀬留美です」
敬介「どうも、よろしく」
美凪「早速ですが二行をよろしくお願いします」
敬介「ああ」

★敬介
「何気なく参加してて思ったんだが…」
「言いたい事を一定の形に纏めるのは難しい事だね」

留美「そうよねぇ…」
敬介「君も無理はしない方がいいよ」
留美「はっ?あ、あたしですか?」
敬介「そうだ。綺麗にできればいいが、余計歪むようなら無理はしない方がいい」
美凪「…随分と、抽象的ですね」
敬介「あえて具体的に言わずともいい内容だろうからね。じゃあこれで失礼するよ」
留美「あ、は、はいっ」
美凪「…なるほど」
留美「美凪、何がなるほどなの?」
美凪「色々と…。では次の方…」
雪見「こんにちは、深山雪見です」
留美「あ、たしか折原君が言ってたわ。演劇部の先輩だって」
雪見「あなたの事も折原君から聞いてるわ。男っぽい自称乙女が居るって」
留美「………」
美凪「…やけに、矛盾した乙女さんですね」
雪見「まあ彼は冗談が好きでしょうから」
留美「今のはとっても悪質な冗談だわ」
美凪「…ご機嫌を直してください。どうぞ」
留美「あれ、またお米券?」
美凪「の、封筒です」
留美「…あんたまであたしを馬鹿にするのね…」
美凪「冗談です…」
留美「もういいわよ、冗談は…」
雪見「ところでわたしは…」
美凪「二行、お願いいたします」
雪見「はいはい」

★雪見
「企画うんぬん以前に、やっぱり不思議よねえ」
「どうしてわたしがここに居るのか、ってのが」

留美「深山先輩、多分それ気にすると負けるわよ」
雪見「そうなの?」
留美「ええ、美凪がそうだから」
美凪「……ぽ」
雪見「って、なんで照れてるの…」
美凪「将来の目指す道がそこにあるからです…」
留美「わかんないわね…」
雪見「じゃあわたしはこれで失礼するわね」
留美「さようなら、先輩」
美凪「そんなところで、次の方です」
香里「はあ…よりによってあんたが司会の時に呼ばれるなんてね」
留美「へえ〜美人…」
香里「そ、そう?…どうでもいいけど、そんなこと」
美凪「七瀬さん、乙女の条件。自分の長所をむやみにひけらかしてはいけません」
留美「うっ、そ、そうよねえ」
美凪「そうです。えっへん」
香里「なんであんたが威張るのよ…。あたしはとっとと2行やって終わるわ」

★香里
「できれば二度と呼ばないでほしいんだけど…」
「そういうわけにもいかないんでしょうね…」

留美「なんだか凄く不満そうなんだけど…」
香里「当たり前でしょ!?こんな理不尽なとこに呼び出されて…」
美凪「ところで…紹介を忘れていました。彼女は美坂香里さんです」
留美「そ、そういえば…あたしは七瀬留美。よろしくね」
香里「…よく平然としてるわねえ」
留美「今更言っても仕方ないんじゃない?」
香里「でもねえ…」
美凪「追加情報です。香里さんは、成績学年トップ、なのです」
留美「うわっ、そうなんだ」
香里「そういう美凪も学年トップでしょ?観鈴から聞いたわよ」
美凪「…神尾さん、チクっちゃ駄目です…」
香里「チクるって、あんたねえ…」
留美「うわあ、ほんと負けそう…」
香里「何を勝負してんだかしらないけど、張り合っても仕方ないと思うわよ?」
美凪「学校も違いますし…」
香里「そういう問題じゃなくてね…まあいいわ、さよなら」
留美「さよなら…。うーん、やられた気分だわ」
美凪「では、次の方どうぞ…」
聖「済まないが私は急いでいる、手っ取り早く終わらせてもらうぞ」
美凪「聖先生、どうされたのですか?」
留美「先生?」
美凪「そうです。聖先生はお医者様なのです」
聖「要らない会議が入ってな…まったく…」

★聖
「思えば、私はただメスを入れに来ているだけかもしれない」
「…どうだ、上手いか?」

美凪「ぱちぱちぱち、お上手です」
聖「…ありがとう」
留美「??…ああ、医者だからメスってことね」
聖「最後に名乗っておこう。私は霧島聖だ」
留美「えっと、七瀬留美です」
聖「また今度ゆっくりとな。では」
美凪「お気を付けて…」
留美「お医者様か…カッコよかったなぁ…」
美凪「それでは次の方、どうぞ」
詩子「こんちはっ。私はのんびりできるからね」
美凪「お名前をお願い致します。私は遠野美凪…」
詩子「柚木詩子」
留美「七瀬留美よ。ってあたしの事はもう知ってるわね」
詩子「そうね。教室にお邪魔したし」
美凪「ともかく以後お見知りおきを」
詩子「うん、よろしくね。さて、早速語っちゃうわ」

★詩子
「いい企画だと思うわね」
「私はこういうイベント好きだし」

留美「さっぱりしてていいわね」
詩子「まあ、まだ日も浅いしね」
美凪「知らぬが仏…」
詩子「ちょっと…美凪、今不吉な事呟かなかった?」
美凪「気の所為です…」
留美「ほんとに?」
詩子「怪しいんだけど…」
美凪「大丈夫…楽しい事もたくさんあります…」
詩子「ま、いいけど。それじゃあね」
美凪「もう行かれるのですか?」
詩子「人と約束あるのを思い出したの、ごめんね。じゃ」
美凪「さようなら…」
留美「うーん、乙女的にこういうあっさりした面も必要かしら…」
美凪「そうかもしれませんね。では次の方…」
秋子「乙女ジャムはいかがかしら?」
美凪「…七瀬さんにオススメください」
秋子「そうするわね」
留美「ちょ、ちょっとちょっと。…あの、あなたは?」
秋子「名乗るほどの者ではありませんよ」
美凪「だから私がご紹介します。水瀬秋子さんです」
留美「へえ…。七瀬留美です」
秋子「あら、同じ瀬でつながってるのね」
留美「はい」
秋子「だったらなおさらジャムを食べてくださいな」
留美「は、はあ…」
ぱくっ
留美「!!ぐ、ぐあああっ!!」
美凪「ああっ、七瀬さんが巨大怪獣に変身…」
留美「してないわよっ!…ぐ、そ、それにしても、何、この味…」
秋子「いかがでしたか?」
留美「い、いかがもなに…う、ぐ…」
美凪「七瀬さんが苦しんでる間、秋子さんどうぞ」
秋子「それもそうね」

★秋子
「私は嬉しいです」
「色んなジャムを試していただく機会が増えたのですから」

留美「ど、どんでもないぎがぐね…」
美凪「七瀬さん、辛そうです」
秋子「お口直しに別のジャムはいかがですか?こちらも新製品で…」
留美「い、いりまぜん〜」
美凪「…本当にいらなさそうですね」
秋子「残念だわ…。じゃあまたね」
美凪「…はい」
留美「う、うううう〜…」
美凪「大丈夫ですか?残り二人ですが」
留美「た、たぶん…」
美凪「では、次の方どうぞ…」
浩平「…お前が司会か」
留美「折原?…あんたねえ、あたしの知らない間にどんな噂流したのよっ!」
浩平「なんのことだ」
留美「深山先輩が男っぽい乙女が居るって…これ言ったのあんたでしょ!?」
浩平「それは噂じゃないぞ、ネタだぞ」
留美「余計悪いわっ!」
美凪「七瀬さんは…ネタ?」
浩平「ああネタだ」
美凪「…では…これを進呈」
留美「…もういいわよ、お米券は」
美凪「でも…ネタがあるならシャリは必要です…」
留美「何考えてんのよあんたは!」
浩平「多分何も考えてないぞ」
美凪「そんな事、ないです…」
留美「考えてないの折原の方でしょ」
浩平「なんでだ」
留美「美凪から聞いたわよ。無謀にも司会やったそうじゃない。ばっかねえ」
浩平「くっ…あれは登場人物がまともならしっかりできてた!」
美凪「折原さん、めげる前に2行をお願いします」
浩平「………」

★浩平
「めげるだと?俺がいつめげたんだ」
「再び司会をやって俺が世界を支配してやる!!」

裏葉「それは無理でございましょう」
浩平「どわああっ!…あ、あんたは?」
裏葉「裏葉でございます」
美凪「裏葉さん、あなたの出番はまだ…」
裏葉「どのみちもうすぐ終わるのでございましょう?待ちきれずにやってきました」
留美「うっわあ綺麗な人…」
裏葉「それはそれは、ありがとうございます」
留美「ねえ、秘訣は?」
裏葉「すべては神奈様の為…」
留美「は?」
浩平「えっと、俺、もう帰っていいよな?」
美凪「負けを認めたのですね…」
浩平「誰がだ!…とはいえ、知らないところで手強そうなのがいるなあ」
裏葉「それは私のことでございましょうか?浩平様」
浩平「ああそうだ…って、なんで俺の名前を知っているんだ?」
裏葉「おほほほほ」
浩平「………」
留美「すっごい余裕を感じるわ…。あたしには無理かしら…」
美凪「さて裏葉さん、最後を締めくくってください」
裏葉「承知いたしました」

★裏葉
「実は私は、色んな箇所で、裏で働いておりました」
「ですから私の名前は裏葉なのでございます」

美凪「さすが、超人さん」
裏葉「おほほほほ」
留美「…駄目だわ、あたしには無理だわ」
浩平「裏で働くってどういうことだ?」
裏葉「…そうでございますね、あなたがた二人はご存じないでしょう」
浩平「そうなのか?」
裏葉「ええ。初めてお連れしたのは、佐祐理様でございました」
美凪「そして私に後を頼まれたのですよね」
裏葉「そうでございます。これからもよろしくお願いいたしまする」
美凪「…はい。お願いしちゃってください」
留美「…深いわ。これは勝つ気がしないわ…」
浩平「司会をやろうなどと、俺はやっぱり無謀な事を言っているんだろうか…」
裏葉「では、ここでお終いでございます」
美凪「おーる出演。楽しかったです。ぱちぱちぱち」

<終了致しました>


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