『AIR偽小説第四十弾』

懲りずに第四十弾です。
ちょっと間が空くと変になってるかも。
(単に変な続き物をしてしまった所為)
こっからまたまいペースです。


『5行小説』

★往人
「壮絶だった観鈴の恐竜語りは幕を閉じた」
「俺達は無事に水瀬家から戻ってきた」
「ジャム出現を止めてくれた面々には感謝するぞ」
「そして何事もなかったように普段に戻る…」
「テーマは無事。しかも五行だ」

観鈴「がお、無事でよかった…」
ぽかっ
観鈴「イタイ…無事じゃない…」
往人「お前がいけないんだぞ?折角司会を任せたのに…」
観鈴「だってお母さんが恐竜について語ってって言ったから…」
往人「司会がそんなことでどうするんだ!まったく、お前にはまだまだ無理だな」
観鈴「が、がお…」
ぽかっ
観鈴「うう、イタイ…」
往人「さてと、司会からアシスタントに降格した観鈴だぞ、一番手は」
観鈴「…降格?」
往人「多分降格だ」
観鈴「多分?」
往人「いちいち尋ねるなっての。この企画はいっつも登場人物が幅を利かせてる。だからだ」
聖「それはひとえに君の不甲斐なさゆえだろう」
往人「どわっ!…なんだ聖か」
聖「随分な挨拶だな…。もっとも、今は佳乃が無事に見つかって機嫌がいい、許してやろう」
ぽんっ
観鈴「聖先生のおかげで思い付いた。早速5行やるねっ」
往人「ん?あ、ああ…」
聖「私のおかげ?」

★観鈴
「聖先生はお医者さま、にはは」
「ぴんちっ、な患者さんを助けるの」
「病魔なんかと闘って…人の命を救うの」
「その人が回復すれば、救われた人は無事」
「そして聖先生の心も無事、つまり安心。にはは」

聖「ほう…上手いな」
観鈴「にはは」
往人「しかし他人について語ってるぞ?」
聖「そんな細かい指摘はどうかと思うぞ。立派にできた、いいことではないか」
観鈴「にはは、ばんざい」
往人「はいはい。ま、何がどうOKというわけでもないが…」
聖「それにしても心が無事、か…いい表現だ…」
観鈴「あの、そんなによかったですか?」
聖「医療ミスなど私はしたことないが、それでも救えない人物が居ると…悔しくなる」
観鈴「………」
聖「自分は医者になったのに、どうして…とな」
観鈴「聖先生…」
往人「暗くなってないで、聖もやってくれないか」
聖「…そうだな、しんみりしたのは私も好きではない。さてと…」

★聖
「観鈴さんも言ったが、患者の無事は医者にとって何より大事だ」
「その前に私たち医者が無事であるためには…」
「適切な側近が必要となる」
「佳乃は素晴らしかった…」
「国崎くんも修行してみてはどうだ?」

往人「…お前、そんなでたらめ言ってるとバチが当たるぞ」
聖「要は家族という事だ。すぎた比喩表現だ、気にするな」
観鈴「うーんそういえば…」
往人「どうした観鈴?」
観鈴「なゆちゃんの家であぅあぅ言ってた真琴ちゃんはどうしたのかなって」
聖「…どうして彼女の事を思い出したんだ?」
観鈴「うーんと、何かの修行をしてるように見えた」
往人「修行?」
真琴「あぅーっ!変なこと言ってないでよぅ!!」
聖「おや、言ってる傍から本人の登場だな」
観鈴「いらっしゃい、にはは」
往人「すっげえ白々しいぞ…」
真琴「そうよう!真琴についてなんて言ってたの!?ばっちり白状しなさいよぅ!」
観鈴「えっと、別に大した事ないことだから…」
聖「ここに自白剤があるが…これを使わずとも大丈夫だろう」
往人「お前はなんでそんなものを持ってるんだ」
聖「護身用だ」
往人「自白剤が護身用になるのか?」
聖「なる時もある」
往人「………」
観鈴「わっ、わっ、え、えっと…何かの修行をしてるんじゃないかなっ、って」
真琴「修行?何の修行?」
観鈴「それはわからないけど…」
真琴「真琴はそんなことやってないわよぅ!!」
観鈴「うーん…あ、もしかしてジャムの修行?」
真琴「ますますしてないぃ!」
往人「言い争うのは後にして、真琴もGOだ」
真琴「ごうってなに?」
往人「くっ…うっ…」
聖「もしかして、5とGOをかけたのか?」
観鈴「わ、往人さんスゴイ。観鈴ちん全然わからなかった」
聖「観鈴さん、それだと凄くないと思うぞ」
観鈴「わ、そうなんだ。じゃあ往人さんスゴクない?」
聖「そういう事になるな」
真琴「もーう、凄くない事やってないで要件を言ってよぅ!」
往人「はいはい、5行小説、テーマは無事、をやってくれってこと」
観鈴「なんだか声に張りがない…」
聖「ツヤもないな。老人だ、これは」
観鈴「でも先生、老人だとしゃがれてるんじゃ?」
聖「そういうわけでもない。年老いても立派な声の人も…」
往人「ええーい!さっさとやれー!!」
観鈴「わ、怒った…」
聖「理由はさっぱりわからないが、イライラしてるようだな」
真琴「あぅーっ、言われなくてもやるわよぅ」

★真琴
「この前祐一の部屋に侵入した時のことなんだけど…」
「危うく気付かれて反撃を食らうところだったの」
「その時真琴は手にパイを持ってたから危なかったあ」
「ま、気付かれなかったからパイをべちゃってぶつけてやったけどね」
「それで見事真琴は生還!無事でよかったわよぅ」

往人「………」
真琴「ん?どしたの?」
聖「あぅーっちゃんとやら」
真琴「あぅーっ、真琴はあぅーっじゃないわよう!」
聖「真琴。今のはただのイタズラじゃないのか?」
真琴「イタズラじゃないわよぅ」
観鈴「でも面白そう。今度往人さんの口にどろり濃厚を流し込もうかな」
往人「やめんかい!」
聖「ならば麻酔薬を持っていくといい。これなら確実だ」
真琴「でも相手が確実に起きないなんてスリル感が失せるわよぅ」
聖「それもそうか…水を差して済まなかったな」
観鈴「わ、そ、そんな、とんでもないです。いざって時にはお借りします」
真琴「あぅーっ、それなら真琴も!」
聖「そうかそうか。うむ、いつでも来るがいいぞ」
往人「こら!お前ら!!」
観鈴「次回、往人さんどろり濃厚をかぶる?お楽しみに!」
真琴「あぅーっ。祐一、ケーキの山にうずもれる?お楽しみに!」
聖「ほうほう、若い者は元気でいいな」
往人「さあて、無視して終わるか…」

<びりびり>


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