『AIR偽小説第六十五弾』

懲りずに第六十五弾です。
やっと登場、住井の司会。
けどなんかやけに弱弱しいな…。
まあまたやると思いますから(爆)


『4行小説』

★住井
「長らく待たせたな、俺が今回の司会だ」
「折原のような自爆はしないと宣言してやろう」
「もっとも、あいつは密かにまだやる気みたいだが…」
「そうそう、テーマは炎だ」

佳乃「ほ、ほのお?」
住井「そうだ。人は内に熱い想いを持っているもの」
佳乃「例えばどんなのかな?」
住井「俺なら、通常に司会をやりたいという事だな」
佳乃「むっ、そんなのは許さないよぉ」
住井「…なにゆえ?」
佳乃「だってあたし、往人君から断られたんだよぉ。なぎーと一緒にやりたいのにぃ」
住井「だったら、俺が見事司会の座を勝ち取ったならば、たまには譲ってやろう」
佳乃「たまだったらいらないよぉ。あたしはよくたまにやってるからね」
住井「…さすがに全部は譲れないんだけど…」
佳乃「ええっ!?全部譲ってくれるのぉ!?」
住井「い、いや、そうじゃなくて…」
聖「やるな、住井君」
佳乃「ああっ、お姉ちゃん」
聖「佳乃の為に司会の権限を勝ち取ろうとはなかなかやるな」
佳乃「うんっ。あたしすっごく感動したよぉ」
聖「もてもてだな、佳乃。お姉ちゃんは鼻が高いぞ」
佳乃「えへへぇ〜、もぉお姉ちゃんたらぁ」
聖「ふふふふふ」
住井「…あのう、俺としては全部を譲りたくはなくて…」
佳乃「ええっ?…まぁそうだよねぇ」
聖「全部となるとさすがに辛いものがあるだろう」
住井「そ、そうです、そう」
美凪「私もやってみたいですから…」
佳乃「あっ、なぎー。うんうん、そうだよねぇ」
聖「…ふむ、遠野さんをも狙っていたという事か、なるほどな」
住井「お、おーい…」
佳乃「頑張ろうね、なぎー」
美凪「はい、かのりん。私達の未来はバラ色です」
佳乃「護君のおかげだよね」
美凪「そんな住井さんにありがとうの印。お米券を進呈します」
住井「………」
佳乃「もぉ、お礼くらい言ってよ」
聖「佳乃、遠野さんは感謝を込めて渡したんだ。そういう物言いはよくないぞ」
佳乃「あっ、そうだねぇ。ごめんなさい」
美凪「まあまあ。お祝いにかのりんもどうぞ」
佳乃「わあっ、ありがとうなぎー」
美凪「いえいえ。これからもよろしくお願いします」
聖「二人の門出に乾杯だな」
美凪「あっ、聖先生にも進呈します」
聖「そうか?すまないな」
美凪「いえいえ。お米をたくさん食べましょう」
聖「ははははは」
住井「…あのー」
佳乃「あっ、そうだね。四行を忘れてたね」
美凪「私が先に行ってもよろしいでしょうか」
聖「積極的だな遠野さんは…」

★美凪
「…そういえば、テーマは何でしょう?」

住井「あっ、悪い伝え忘れてた」
美凪「………」
佳乃「もぉ、最悪だよぉ」
聖「住井君、こんな調子では司会など無理ではないのか?」
住井「す、すみません(勝手にやりだしたくせに…)」
美凪「聖先生、住井さんが心の中で文句を言っています」
聖「ほぉ?ますます司会にふさわしくないな…」
佳乃「あたしがっかり。こんな人に司会を譲ってもらおうとしてたなんて」
住井「ま、待ってくれ!ちょっとしたミスだ!!」
美凪「住井さん。司会は自分の責任を他人に押し付けてはいけません」
住井「あ、いやそうだけど…って、やっぱ俺の責任なわけ?」
聖「その通りだ」
住井「…即答?」
聖「即答だ」
住井「………」
佳乃「もぉ、司会が黙り込んじゃあ進まないよ?」
美凪「仕方がありません…。かのりん、テーマは何ですか?」
佳乃「ふぇっ?…えーと、たしか炎だったよぉ」
美凪「では、改めて…」

★美凪
「炎、ごはんを炊く時必要です」
「かまどもよし、飯盒もよし」
「もちろん、料理をするのにも欠かせません」
「燃える炎…そして情熱」

聖「なるほどな」
佳乃「なぎーさすが!」
美凪「……ぽ」
佳乃「よぉーっし、あたしも負けずにいっくよぉ!」

★佳乃
「炎…って熱いよね」
「手を触れると火傷しちゃう…」
「でも!一瞬なら火傷しないのだあ!」
「見せてあげるから早速ろうそくを用意してよぉ」

美凪「というわけで住井さん、お願いします」
住井「…え?俺?」
美凪「客の頼みを受けるのも司会の役目です」
住井「い、いや、俺ろうそく持ってないし…」
聖「なければ買いに行けばいい事だ。ちなみに折原君はそれをしなかったがな」
住井「折原が?」
聖「花火を1グロス買ってこいと頼んだのにな」
住井「そりゃあ無茶ってもんじゃ…」
聖「…なるほど、住井君も同類ということか」
佳乃「あたしますますがっかりだよぉ」
住井「ちょ、ちょっと待ってくれ!司会が使い走りなんてやるのか?」
往人「時と場合に寄るがな」
住井「うわっ!?」
聖「国崎君?一体どうしたんだ」
往人「住井があまりにも引っ張るんで神奈達から文句が出た」
佳乃「ええっ?神奈ちゃんが怒ったのぉ?」
往人「それで気になって見に来たら…このザマだ。お前がその程度でがっかりだ」
住井「いや、そう言われても…ってその前に、司会って使い走りをやんのか?」
往人「不本意ながらやってしまった実例がある」
美凪「それに関しては私がお答えしましょう」
佳乃「なぎーは真実を知ってるんだよね〜」
美凪「そうです。国崎さんは私が進呈したお米券をその場で交換に走りました」
往人「あの時は腹が減ってたからな…」
聖「どうも国崎君は食べ物が絡むと積極的になるな」
往人「食べ物じゃなくて空腹だ」
美凪「とにかく国崎さんは素晴らしかったのです。ぱちぱちぱち」
往人「交換に行ってる間遠野達は好き勝手やりやがったけどな」
住井「…なんでそれを我慢できるんだ」
往人「我慢できるか。俺は怒ったぞ」
住井「よくやってやれるな…」
聖「そう、それだ」
住井「な、なんですか?」
聖「国崎君にあって住井君にないもの。それは忍耐だ」
住井「に、忍耐ですか?」
聖「そうだ。国崎君は例え理不尽な事が起ころうとも司会を続ける」
往人「無理にやってると言えなくもないんだが…」
佳乃「そこが往人君の偉い所だよぉ。でも大変だよねぇ」
美凪「だからこそ、私とかのりんで代わって差し上げようと思うのに…」
往人「だから!お前ら2人にやらせると誰も付いてこれないだろ!?」
佳乃「ええ〜?偏見だよぉ」
美凪「あんまりです。ちゃんとお話が成り立つのに」
聖「そうだ。そこが国崎君の司会が良くないという点だな」
住井「…結局どっちなんだ」
往人「お前には分からんだろうな。この微妙な複雑さは…」
聖「さて、まとまったところで私も四行するとしよう」
往人「まとまったのか?」
佳乃「まとまった事にしようよぉ」
住井「………」

★聖
「炎といえば火祭りを思い出したな」
「キャンプファイアーもまたしかりだ」
「そうだ、今やるのもよいな」
「というわけで住井君、薪を10キログラム集めてくるように」

住井「…マジですか?」
聖「大マジだ」
往人「それは後にしろって…。最後に俺も四行やるんだから」
美凪「…どうせなら、国崎さんの人形劇を見ながら、火を囲みましょう」
佳乃「あっ、それいい案だよぉ!往人君、ばっちりやってね」
往人「…ふっ、仕方のないやつらめ」
住井「なんだかえらくご機嫌になったな…」

★往人
「炎の人形師、という肩書きもいいかもしれないな」
「今回のを機に技を増やしてみようか?」
「…そうだな、それがいい」
「炎を交えた人形芸を制覇する!」

佳乃「うわっ、往人君やる気満々の発言だよぉ」
美凪「国崎さんの芸に磨きがかかるのですね…」
聖「無謀に違いないだろうけどな」
往人「こらそこ、一言多い」
聖「ふっふっふ、燃え尽きても知らんぞ?」
往人「うっ、それは困るな…」
聖「ところで住井君。すべて終わったのだから今君はやる事があるだろう?」
住井「…え、な、何がでしょう?」
聖「薪だ。薪を100キログラム集めてくるんだ」
住井「あのー、10倍になってる気がするんですけど…」
聖「気の所為だ」
往人「頑張れ仮司会。そうそう、大元司会として言っておこう」
住井「なんだよ」
往人「今回ので分かった。お前に司会は無理だ」
佳乃「そうだねぇ。途中ずっと黙ってたし」
美凪「いくらのまれても…ツッコミは大事です…」
往人「そういうわけだ」
住井「…さいなら」
聖「こらこらこら、早く薪を集めてくるように。1000キログラム」
住井「だあああ!なんで更に増えるんだー!!」

<ごおおおお…>


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