『AIR偽小説第四弾』

また懲りずに第四弾です。
だんだん変になってゆく……。
既にAIRだとかいう事も関係なくなってきてますね。
すっかり佳乃りんの魔法誘拐技が定着しちゃってるために……。
ま、いいか、偽だし(蹴)


『8行小説』

★往人
「前回はえらい目に遭ってしまった……」
「おとなしく原点に帰って、再び八行小説だ」
「それで今回は何をやるかだが……」
「ずばり、俺の華麗な人形劇についてコメントしてもらおう」
「各自8行ばっちり語るように」
「8行より少ないのは認めないからな」
「ではいくぞ」
「さあ、楽しい人形劇の始まりだ……」

★晴子
「………」
「…………」
「……………」
「………………」
「…………………」
「……………………」
「………やっぱこいつセンスないわ」
「あん?もう他に言うことなんかあらへんでー」

往人「くそっ………」

★聖
「………」
「以前見せてもらったものとなんら変わりがないな」
「はっきり言って私には退屈だが……」
「それでも、ファンがいるのだからあからさまに否定は出来ない」
「しかし私が見ていても価値はなかろう」
「やはりここはそのファンに見せるべきではないかな」
「患者が少ないのは確かだが、人形劇をじっと見るほど私も暇ではない」
「つまりは無駄だ」

往人「くそっ、こいつもか………」

★みちる
「おーっ!凄い凄いー!!」
「でも前見たのとなんにもかわんないねえ」
「国崎往人ぉ」
「これでよく今まで食べてこられたねえ?」
「みちるの七不思議に加えておくから!」
「それにしてもまた汚れたよね」
「美凪にまたなおしてもらった方がいいんじゃないの」
「めいっぱい可愛くしてもらいなよ」

往人「途中から話がそれたししかも失礼な事言ってないか?」
みちる「んに?きのせいきのせい」
往人「いいや、確かに言ってたぞ」
みちる「国崎往人も年をとったんだよ」
往人「………………」

★神奈
「おおっ、おおっ!!ふ、不思議じゃ!まこと不思議じゃ!!」
「手を触れずに動かしておるのか?むむう、奇妙な術じゃのう…」
「で、動くことはわかった。余は大変感心したぞ」
「それで、他に何が出来るのじゃ?」
「おおっ!宙返り!!」
「……って、余を馬鹿にしておるのかっ!」
「もっとこう、華やかな芸はできないかと申しておるのじゃ」
「できんのか?まったく、この益体なしが……」

往人「いい反応を見せたと思ったらこれだ。最近のガキは……」
神奈「余をガキ扱いするとは無礼な!」
往人「しかも最後のセリフはなんだ。とてもガキのものとは思えないぞ」
神奈「……おぬしは柳也殿以上に失礼な輩じゃの」
往人「事実を言ったまでだ。ところで俺の華麗な人形劇を見たんだ」
神奈「なんじゃ?その手は」
往人「見物料を出せ」
神奈「他の者にも見せておきながら余だけにそれを要求するというのか?」
往人「他の奴らはいっぺん見てんだよ。お前は初めてだからな」
神奈「……そんな理屈が通るものか。第一余は特別扱いではないのか」
往人「えらそーだな……。お手玉を失敗してたくせに」
神奈「!!そ、そのような過去の事をほじくり出すでない!!」
往人「まあいい。俺はおおらかな奴だからな。お前からは徴収しないことにする」
神奈「おぬしこそとんでもなく偉そうじゃな」
往人「お前の分は次の奴からまとめてもらう事にする。とりあえずそこで待ってろ」
神奈「余はもう帰るぞ」
往人「おとなしく待たないと方術であんな事やこんな事の餌食にしてやる」
神奈「………(こやつ本気なのか?)」
往人「さあどうする?」
神奈「仕方あるまい。余は寛大だからな。待ってつかわす」
往人「………気を取り直して、最後の奴いくか」

★名雪
「わ、びっくり」
「へえ〜、手品じゃないんだ?」
「うーん不思議だよ〜」
「うー………」
「………くー」
「………」
「………はっ」
「いけないいけない、劇の途中で寝ちゃったよ」

往人「所詮はこんな反応なのか……って、お前は誰だ」
名雪「えーと、水瀬名雪です。よろしくお願いします」
神奈「ほう、礼儀正しいのう。どこかの人形使いとはえらい違いじゃ」
往人「うるさい。……まさかまた佳乃が連れてきたのか?」
名雪「佳乃?えーと……うん、たしかそうだったと思うよ」
往人「まったくあいつは……」
神奈「余の事は不思議に思わぬのか?」
往人「お前は特別ゲストだからな、問題ない」
神奈「そういうものなのじゃろうか……」
名雪「ねえ、ところでこれはいつ終わるの?」
往人「もう終わった。ろくでもない意見しか得られなかった……」
神奈「それだけおぬしの人形劇が面白くないという証拠じゃ」
往人「いちいちムカツク奴だな、こいつ……」
名雪「わたしもう帰りたいんだけど」
往人「ああ、もう帰っていいぞ」
名雪「どうやって帰ればいいのかな?」
往人「は?」
名雪「帰り方がわからないんだけど……」
往人「……一生この地で暮らすのはどうだ?」
名雪「うー、そんなのごめんだよ……」
神奈「余も帰りたいのじゃが」
往人「お前はすぐに帰られるだろうが」
神奈「帰りはお主に頼めと裏葉から言われたのじゃが」
往人「……俺は知らないぞ」
神奈「なんじゃと?」
往人「そうにらまれても、俺は単に司会進行だし」
名雪「もしかしてわたしが帰る方法もわかんないの?」
往人「お前の場合は佳乃にでも頼めば大丈夫だろうが……神奈も大丈夫なんじゃないか?」
神奈「呼び捨てするとはますますもって無礼な……だがあらがっても仕方あるまい」
往人「俺は一方的に悪者か?」
神奈「そうかもしれぬな。さて名雪殿、共に佳乃殿の所へ参るとしようぞ」
名雪「う、うん。……で、佳乃さんはどこにいるのかな?」
神奈「……そういえば余は知らぬな。おい往人とやら、案内いたせ」
往人「そこまでえらそーに言われて俺が素直に案内すると思うか?」
名雪「案内しないと、往人さんの今夜のご飯はべにしょうが」
往人・神奈「は?」
名雪「お茶碗やまもりのべにしょうがにべにしょうがをかけて食べるの」
往人・神奈「………」
名雪「そして飲み物はべにしょうがの絞り汁」
神奈「ぞぞおぉ……余はそんな食べ物は絶対に食したくないぞ!!」
往人「というかお前は俺の食権をにぎってないだろうが」
名雪「観鈴ちゃんから、そう言って説得しろって言われてるから」
往人「……あのアマ、ラーメンセットのセットじゃあきたらずこんなとこまで……」
名雪「ふぁいとっ、だよ」
往人「……わかったわかった、案内してやる。けど案内するだけだからな」
神奈「よくわからんが、これは脅迫というやつではないのか?」
名雪「気にしちゃダメだよ。さ、行こう〜」
往人「トホホ。俺って一体……」



数時間後。
往人「着いたぞ。ここが霧島診療所だ」
神奈「この鼻を突くような匂いは一体……」
名雪「病院だもんね」
聖「おや、国崎くんではないか。両手に花で登場とはいい度胸をしているな」
往人「こ、こら、メスを取り出すな!俺は佳乃の元へこの二人をつれてきただけなんだから!!」
神奈「……何やら物騒な輩じゃな」
名雪「わ、綺麗な人……でも恐いかも」
聖「……国崎くん、私は少し不機嫌だ。何故初対面の人間にここまで言われる?」
往人「落ち着けっての。ともかく佳乃を呼んで欲しいんだが」
聖「佳乃なら留守だぞ。なんでも今度は、あぅーっを連れてくるとか言って張り切っていた」
往人「は?なんだそりゃ……」
名雪「あぅーっ、ってもしかして真琴の事かな……」
神奈「なんでもいいから早く余を帰らせよ。疲れておるのじゃ」
聖「疲れてるならそこらに座ればいいだろう」
名雪「そうだね。ふかふかのソファーがあるよ」
往人「休んでる場合じゃなくてだな……佳乃はいつごろ帰ってくるんだ?」
聖「だからそのあぅーっを捕獲したら帰ってくるだろう。私が言えるのはそれだけだ」
往人「そうか……。じゃあそういうことで」
ぐわし
聖「何を一人逃げようとしている」
往人「俺が出来る事なんてこれ以上ないだろ?」
聖「二人を連れてきたのは国崎くんだろう?ならば帰る現場を見届けるべきではないのか?」
往人「佳乃に任せる」
聖「前回はそれで酷い目にあったと聞くが?」
往人「酷い目にあったのは俺の方だ」
聖「佳乃は泣いていたんだぞ?」
往人「それは俺の責任じゃない」
聖「……やはり君ははぐれ人形使い不純派にすぎなかったというわけか」
往人「わーったよ、居ればいいんだろ、居れば!!」

神奈「余達はすっかりおいてけぼりじゃな。何がどうなっているのやらさっぱり理解できん」
名雪「うーん、もしかしたらお母さんが来ちゃうかも……」

<続くかな>


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