「お願い騒動」


「幸運のランプ?」 「そう!!ほら、ここ見てよ!」 怪訝そうなあたしの目つきをなんともせず、 親友の扶美は持っていた本のあるページを見せてきた。 一体何処から見つけてきたのか、異様なまでに古びた本だ。 『海底一万里の歴史!!しかし全ては謎に包まれたまま』 訳のわかんないタイトルね。海底二万里なら聞いた事もあるけど、歴史ってどういうことよ? “しかし”なんて書いてあるけど、最初っから謎だらけじゃない。 「どうしたのよ、陽子。ほら、これ見てってば!」 あたしの目の焦点があってない事に気付いた扶美は、しきりに一枚の写真を指差している。 その写真に写っていたのは・・・いかにもあやしそうなランプ。 「・・・これ?」 「これ!」 頭が痛い・・・。 こんな訳のわかんない写真を見せるために、 図書館なんてとんでもない場所に付き合わされるなんて・・・。 (言いたかないけど、あたしは図書館って場所が大っ嫌いなの。) だいたいねえ、こんな休日の時間をつぶしてまで来る所じゃないでしょうに。 「ねえ、もう帰ろう。」 「ちょっと、ちゃんと見たの?これを見つけた人は・・・」 「はいはい、分かった分かった。」 「分かってない!!」 いきなり扶美が椅子からがたっと立ち上がった。 ちょっとお、図書館じゃあ静かにしないと駄目でしょうが・・・。 「あのねえ、もし見つけてそのままにしておいたらとんでもない災いが起きるのよ! だから“私は欲が無いから”なんて見栄はってないで、見つけたら素直に・・・。」 座り直したと思ったら扶美が長々と語り出した。 もっとも、本に書いてある事柄そのまんまだけどね。 災いは、灼熱地獄だとか針千本のまされるとか・・・。 持って帰った場合にどう対処してどう手放せば良いかとか・・・。 すっかり夢中になってるなあ。なんだか話の目的が違ってる気もするけど。 いいかげん喋り尽くした様で、扶美は一つ咳払いをした。 「とにかく!見つけたら是非!!」 「はいはいはい、もう分かったから帰りましょ。」 力む扶美の両方に手をぽんと乗せる。 相変わらずの彼女だったけど、あたしは有無を言わさず手を引っ張った。 何をそんなに力入れる必要があるのかしら。見付かるはずないでしょうに・・・。 あたしに引っ張られながらも扶美はまだしきりに何か言っていたみたい。 でもあたしの耳はそれを聞き流すばかり。 そんなこんなで適当にさよならをいって、扶美とわかれた。 帰り道、あたしは苦笑しながら一生懸命な扶美を頭に思い浮かべていた。 なんでも願いがかなうなんてそんな都合のいいもんがあるわけ・・・ん、あれは? 丁度ゴミ捨て場の脇を通ったときの事だ。古びたソファーの上に何か乗っかっている。 異様に目立った輝きを見せるそれにあたしは目がいった。 「・・・ランプ?」 今時ランプなんてどこから・・・って、これってもしかして? 「扶美が言っていたあのランプ!?」 ぱっと見はまさしくそれに見えた。散々見せられたあの写真とほぼ一致。 何度も何度も上から下から右から左から斜めから見てみる・・・本物だ。 「うそー!?あんなのが実在・・・あ、いやいや、巧妙に出来た偽物かもしれないわ。」 そう思うと、ついさっきまで夢中になって確かめていた自分が馬鹿らしく見えた。 だるそうにランプを元の位置に戻そうとしたが・・・。 『もし見つけてそのままにしておいたらとんでもない災いが起きるのよ!』 何気なく覚えていた扶美の言葉が頭の中に鮮明に蘇ってくる。 最初は迷っていただけのあたしだったが、次第に不安になってきた。 「・・・ま、別に持って帰るくらいならいっか。偽物なら偽物で、また捨てればいいし。 本物なら・・・押入れの奥にでもしまっておこうっと。」 結局は片手でランプを持って歩き出した。 「しっかしぼろく見える割にはえらく頑丈よねえ・・・。」 ついついクセでそれを持ったままぶんまわしたり壁にゴツンとぶつけたり。 でも、小気味良い金属音が鳴るだけで、決してランプは壊れる事が無かった。 そうこうしているうちに家に到着。ガラガラと扉を開ける。 「ただいまー。」 家からの返事はない。そりゃそうだ、今はまだ昼の3時。 両親は共働きで、夕方を過ぎないと戻って来ない。 階段を上り、自分の部屋へ。無造作に荷物を置き、押入れを開ける。 とりあえずはこの得体のしれないランプを奥にしまいこみたかったから。 「えーっと、どこにしまおっかなー。」 ごそごそと奥を引っ掻き回す。整理を怠っていた所為で、中はかなりぐちゃぐちゃだ。 「たくもう、なんだってこんな・・・。」 邪魔な物をぽいぽいと後ろに放り投げる。 たまたまそれがランプに当たっているのか、カンカンとみょうちくりんな金属音が。 そのうちにそれは止んだみたい。うもれちゃったのかな? けれどもまだまだ押入れの中には物がある。半身を突っ込んで次々と物をかき出す。 そのまま何分たったろうか、背中を誰かがちょいちょいとつついた。 「ちょっとー、今忙しいんだから後にしてよ。」 うるさそうに答えて作業続行。しかし、再び何者かがちょいちょいと突つく。 「うるさいなあ、もう。後にしてって言って・・・。」 二度目、怒鳴りかけてあたしはハッとなった。家の中にはあたししかいないはずなのに? 恐る恐る首を曲げて振り返ると、変なカッコをした人物が目に入った。 ターバンをつけ、白いスカーフを首に巻き、神父さんが着る様な衣装を身に纏っている。 そして、足には先が尖った靴。まあるくまがって、丸い物がついている。 顔はごく普通の青年という感じがして、肌の色はちょっと褐色がかっていた。 「おっす、おれ魔人!そこんとこよろしくう!!」 そいつが喋った。一瞬理解できなくって数秒の沈黙の時が流れる。 改めて見て、Vサインをしているそいつに目が点になった。 「ええー!?」 ゴン!! 「!!!!」 頭を思いっきり上げた所為で、押入れの天井に頭をぶつける。 頭を抱えてうずくまっていること約一分。 そしてあたしは痛みに涙を流しながらはいでて、魔人と向かい合った。 「・・・魔人?」 「ウス!!」 「・・・本物?」 「ウス!!」 「うそぉ!?」 「ウス!!じゃなくてうっそぴょ〜ん!!じゃないよ〜ん!!」 「・・・・・・。」 別の意味であたしは目が点に成る。 何コイツ、すっごく寒い奴なんじゃ・・・。 半分疑わしげな目で見ていると、そいつは勝手に喋り出した。 「実はさあ、あのランプに十回ほど攻撃を加えると俺が出てくるようになってんだよねー。 で、ともかく出てきたからには、 その攻撃を加えた奴の願いを強制的に叶えるって決まりなんだ。」 「ほほお・・・。」 十回の攻撃ねえ。そいつあうかつだったわ。 帰る途中もボコボコぶつけてたし、押入れの物をぶつけまくってたし。 「・・・ねえ、強制的にってどういう事?」 「そのまんま。一日で百個の願いを叶えさせる。 出来なければ、魔人交替。」 「は?」 百個という数に驚いたが、最後の言葉で“ん?”となった。交替ってまさか・・・。 「俺のかわりにあんたが魔人になる。で、俺は成仏できる。すーばらしい!!」 「なんですってー!?」 勢いで立ち上がる。冗談じゃ無い、あたしに魔人がなるだなんて。 こんな汚いランプに閉じ込められて・・・イヤ!絶対イヤ!! 「ちょっと!!あたしはそんなのイヤだからね!!」 「だったら強制的に願いを叶えさせるこったね。ただし、同じような事柄は却下。 今日という日が替わるまでにそれをさせる事だ。」 「日が替わるまで?今が午後三時半だから・・・後八時間半!? なんで二十四時間じゃないのよ!!」 「うるさいな、そういう決まりなんだから仕方ないだろ。」 「ケチ!」 「なんとでも言いな。とにかく願いを百叶えさせないとあんたの負けだ。」 「さっきは強制的に願いを叶えるって言ってたくせに・・・。」 「別にどうでも良いさ。入れ替わりたくなかったら結局は願いを言う訳だからな。 しかも強制的に。ま、そういうこった。」 くうう、なんてことなの・・・。 それにしても、突然出た奴の言う事をほいほい信じちゃってるけど・・・ あたしってこんなに他人を信用する奴だったっけ? けど、もし本当だったらやっぱり困るし・・・。 「おいあんた、願いを言わないのかい?ヘイヘイ。」 ムカツク。さっきからこいつ勝ち誇った様にずっと喋っちゃって・・・。 まあいいわ、とにかく100願いを叶えさせれば私の勝ち!・・・まてよ。 「ちょっと、100の願いを叶えさせたらあんたはどうなるわけ?教えてよ。」 「うっ、早速一つ目の願いか・・・。 願いを全て叶えたら俺はおとなしくランプに帰るさ。 そしてあんたはランプをどっかに捨ててくりゃいい。」 「なんだそうだったの・・・って、一つ目の願いって?」 「教えてって言ったじゃんか。そういう事だよ。」 なるほど、そういうのも願いに入るのか。 となると100って数は案外すぐかも。 「ねえ、どんな願いでも叶えられるの?」 「いーや、制限が色々ある。それからもう一度言うと、似たような事はだめだ。」 「似たような事って?教えてよ。」 「だからそういう事。同じ教えては駄目なのさっ。」 「でも、今言ったじゃない。」 「・・・てやんでえちくしょう!!」 訳も分からずそいつは頭を抱えて叫んだ。 ちょっと、近所迷惑じゃない・・・ってそんな事考えてる場合じゃなくって。 そっかあ、似たような事ってそういう事かあ。 ま、どうせ百なんてすぐよね。 「じゃあさ、二つ目の願い。宿題やって。」 「・・・おう。」 問題集を鞄から取り出して手渡すと、魔人は椅子に座ってそれをやりだした。 へえ、なかなかいいじゃない。感心感心・・・ってちょっと待ったー!! 「あんたねえ、ちゃんとやってよ!でたらめ書いてんじゃないわよ!!」 「宿題をやれって言ったじゃないか。だからそういう事だよベイビー。」 ボカッ!! 「うぐっ!!何しやがんでい!!」 「うっさい!!誰がベイビーよ!?やめろっつてんでしょ!!」 「おし、じゃあ止める。これで三つ目だ。」 あっさり魔人は宿題を止めた。 単純な奴・・・ってくだらない事に二つ使ってしまった気が。 「じゃあ次のお願い。たーくさん・・・じゃなくって、一億円のお金が欲しいな〜。」 「・・・はいよ。」 魔人がパチンと指を鳴らすと、そこにスーツケースに入った一億円が現れた! 「きゃー!!すごいすごいー!!」 浮かれて札束ばさっとかきあげて大はしゃぎ。 実は願いを言った後に、一万円札でというのを付け足すべきだったかと後悔したんだけど、 うんうん、ひねくれてなくて良かったわあ。 「さてと、次は・・・部屋を綺麗に片付けてね。」 「はいよ。」 魔人が指をパチンと鳴らす。部屋の中があっという間に片付いた。 物が消えたんじゃなく、しっかりと押入れに納まったって事ね。しっかりと一億円も一緒に。 「さて次は・・・あっ、あたし制服のままだった。」 ちらっと魔人を見ると、なにも言わずに座っている。 「これから着替えるから見ないでよ。」 「はいよ。」 くるっと後ろを向く魔人。・・・ま、信用して良いだろう・・・ 「なんて信用できない!!」 「おっ!?なんでも願いを叶えてる俺が信用できな・・・」 ボコッ! 「ぶっ!」 「いいから外へ出ててよ!入って来たらただじゃおかないからね!」 「なんでい、見るなって言ったり出てけって言ったり・・・。 おれはお前のちんけな着替え姿なんか・・・」 どげん!! 「ぶわっ!!」 「とっとと出てけっての!!」 結局は魔人を蹴っ飛ばした。 ドアの外に転がり出たかと思うと、そのすぐ後にパタンとドアが閉まった。 「ふう、やれやれ。」 息をついた後に手早く着替えを済ませる。 そして、ガラッと扉を開けて、待ってた魔人に入るように指示した。 「ぷっ、それにしても顔に足跡くっきり・・・。」 「誰の所為だ、こんちくしょう・・・。」 ぶつぶつ文句を言いながらも魔人は入って来た。 さて次なる願いを・・・ん?そういえば制服、しわになってるなあ。 「ねえ、制服にアイロンがけして。」 「はいよ。」 どこからかアイロンを取りだし、制服のしわを丹念に伸ばす。 おおー、こいつやっぱ使えるじゃん。 数分後にはすっかりしわはのびた。 「じゃあ制服をかけて。」 「あいよ。」 制服をハンガーにかける。 「さてと、そんじゃあ肩でも揉んでもらおうかしら。」 「ちくしょう・・・。」 さすがにつらつらと言われて悔しいみたい。でも、肩はしっかり揉んでもらう。 「ああ〜、気持ちいい〜。」 万能な使用人ってとこかしら。世の中上手い話もあるもんよね〜。 そんなこんなで、ドンドン願いを言っていく。 とりあえず、帰ってきた親には内緒にしておいて、ばしばしと。 いつのまにかそろそろ日がかわりそうだって時間になっちゃった。 「あーあ、今日ももう終わりね。それにしてもあんた馬鹿じゃ無い?」 「そいつはどういう事だよ。」 「今の世の中、100の願いなんてあっという間よ? 現にもう、あたしは全部を叶えさせてもらったしねー。」 そう。100という数はやはりあっという間だったのだ。 最初は大変かと思っていたけど、言い始めるとあれよあれよと出て来る。 人間の欲望ってのはほんときりが無いって事だ。 あたしみたいな一般人ですら100がすぐって事は、人によってはもっとあるんだろう。 けれども、魔人はしばらくして“クククク”と笑い出した。 「馬鹿はあんただよ。実は叶えさせなければならない願いは1000なのさ。」 「なっ、嘘でしょ!!?」 「そう、おれは最初っから嘘をついてたんだ。 本当の事を言ったとしたらとにかくなんでも言いまくるに決まってるからな。」 「うっ・・・卑怯者!」 「なんとでも言いな。おれはとにかく解放されればそれでいいのさ。 いいように扱いやがって・・・今度はあんたの番だ。」 なんてこと・・・。今、午後十一時。 とても残り900の願いを言ってる余裕なんて無い! 「ほらほら、願いを言わないのかい?」 本当の意味で余裕の表情をみせはじめる魔人。 しかしここであたしはいい考えが浮かんだ。ゆっくりとそいつに向かい合う。 「とりあえず一つお願い言わせて。」 「おおっし、なんだ?」 「残りの願いを後一つ!という状態にしなさい!!」 「ななななっ!!?はは、○○の状態にしろって願いはまだ言ってなかったな・・・。 ちきしょー!!ほい、後一つだ!!!」 怒り狂った顔をしながらも,魔人はしっかり願いを叶えてくれたみたいだ。 うむうむ、それじゃあ残り一つを言うとしましょうかね。 「ランプに戻った後、日本海溝の奥深くにでも沈んじゃってちょうだい。」 「お前、それはあれか?おれに二度と・・・」 「うっさい!とっとと願い叶えて消えなさいっての!!」 「うおおーん!」 泣き叫んだかと思うと、魔人はランプにひょいっと戻って姿を消した。 そしてビューンともの凄い勢いでランプが飛んで行く。 あの方向は確かに日本海溝だ。うんうん、正直な奴。 「良かった、途中できれものの頭にしてもらってて。 もっと早くに頭を良くしてもらってればよかったなあ。 そうすればもっと効率良い願いが言えたのに。」 とにもかくにも好き放題出来て満足。 あくびをした後仕度をして寝に入る。 そしてその翌日・・・ 学校に向かった私は真っ先に親友の扶美に昨日の事を伝えたかった。 なんといっても、妙なランプから色んな願いを叶えさせてもらうきっかけになったしね。 「おはよー扶美!」 「こんにちは。」 「・・・扶美?・・・じゃない!!あんたは・・・。」 学校で出会った親友の扶美。 しかしそれは扶美じゃなかった。あたしを認識してか、ふわっと姿を変える。 あの・・・魔人だ! (服装だけは制服。つまり女子の制服。気持ち悪いったらありゃしない) 「ちょっとあんた!日本海溝に沈んだんじゃなかったの!?」 胸倉をひっつかんで詰め寄ると、そいつは手をぶんぶんと振った。 「そ、それはあんたと出会った魔人の事だろ? 俺は別の奴と願い騒動をやって勝ったんだから。」 「うそ・・・。もしかして、魔人って二人居たの?」 「いんや、もっとたくさん。昨日は魔人復活デーだったからねえ。」 「はあ!?それより・・・成仏するんじゃなかったの!?」 昨日魔人がした説明を思い返しながら尋ねると、そいつは“いいや”と首を横に振った。 「嘘だよ、そんなの。確かに交替はするが、成仏はしない。 負けた人間のかわりに好き放題生活できるってわけだ。」 「なんですってー!?」 叫んでると、ぞろぞろとクラスの皆が登校してきた。 いや、正確には・・・魔人!!魔人魔人魔人!!! あたしの知ってる顔(いや、魔人自体顔は知ってるけど)は誰もいなかった。 「そ、そんな・・・。」 「そうがっくりくるなって。時間が経てばきっちり呼び出した奴の顔に戻ってるって。 ただ今は気が抜けてて魔人の顔になってるだけなんだけどな。」 「なんで・・・こんな事に・・・。」 「あんたは魔人との願い合戦に勝ったんだろ?だったら喜べや。 もっとも、自分だけが助かる勝ち方をしたんだろうけどな。」 「だって、こんな事になってるなんて・・・。」 魔人の言う通り、勝利したのはあたし一人だけの様だった。 そして、助かったのもあたし一人。もちろんあたしはそういう風に願いを言ったから。 結局、魔人からは最初から嘘をつかれてたってわけだ。願いを叶えるって事以外。 やっぱり、突然出た奴の言う事なんてほいほい信用しちゃいけなかったんだ。 「未来を詠んで皆を助けるって願えば良かったのによ〜。」 「頭が良くなったってその程度だよ、人間て。」 「結局は自分の事しか考えないんだよな〜。」 「そうそう。1000っていう数はすぐだってのに、 そんなだから100もしないうちに詰まるんだよ。」 登校してきた魔人達が、あたしのほうを見ながら口々にもっともな事を言う。 ほとんどがげらげらと笑っていたが、あたしの耳にはそんなものは届かなかった。 茫然自失としているあたしの肩を、傍に居た魔人がぽんと肩を叩く。 「世の中そんなに上手い話はないってこった。 一番最初に魔人に言われた時に、 “全部無かった事に!”とでもとっさに願っておけば良かったよな。」 もはやそんな事はどうでも良かった。もう、どうしようもないのだから・・・。

END


あとがき:あわよくば封印ってものになりそうだったこの話が、 こうして表に出てるのはよしむらさんのおかげです(笑) 背景とか見にくくないかって?気にしてはいけません(爆)
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