真琴「場面的?」
名雪「うん。まあそれは後で言うとして、この言葉はどういう意味だと思う?」
真琴「うーん…猫、あ、ううん、猫さんは九回生まれ変わるってこと?」
名雪「惜しいね」
真琴「あぅーっ、惜しいの?」
名雪「そう。いいセンはいってるけどね」
真琴「じゃあ本当はなに?」
名雪「本当はね“猫さんは九つの世界を生きてきた”ということだよ」
真琴「…どういうこと?」
名雪「既にお話で聞いたことあると思うけど、神様の世界とかあるよね?」
真琴「…う、うん」
名雪「そんな世界を九つ、猫さんはそれぞれで一生を終えてきたんだよ」
真琴「………」
名雪「ものすごいよね。人間だと一つが関の山だよ」
真琴「ものすごいを通り越してると思うんだけど…」
名雪「それじゃあ、場面的ってことを説明するね」
真琴「あ、うん」
名雪「今までわたしは色んな人をアシスタントに迎えてきたんだけど…」
真琴「うんうん」
名雪「最後の人を含めて九人となるんだよ」
真琴「へえ…あれ?一人足りなくない?」
名雪「どうして?」
真琴「だって…」
名雪「真琴、香里、栞ちゃん、あゆちゃん、美汐ちゃん、北川君、佐祐理さん、舞さん。8人だよ」
真琴「えっと、だから…」
名雪「最後にくるお母さんを合わせると九人じゃない」
真琴「…祐一は?」
名雪「誰それ。わたしそんな人知らないよ。あ、人じゃなかったね」
真琴「あぅーっ…なんでぇ?」
名雪「人道を外れた事を言っちゃったからね。認識するわけにはいかないんだよ」
真琴「あぅーっ…」
名雪「真琴もせいぜい気をつけないといけないよ?」
真琴「…どんな風に?」
名雪「口は災いの元だからね」
真琴「そ、そうね…(特に名雪の前だと)」
名雪「どうしたの?」
真琴「なんでもないぃ!」
………………
香里「恐ろしい言葉ね…。さて『猫に九生あり』ってのは、
“猫は何度でも生まれ変わってくると言われることから
その執念深さを言う、またなかなか死なないこと”よ」
栞「名雪さんの解説も本当の意味もどっちもとんでもないね…」
香里「ほんと、どっちもシャレになってないわ」
栞「それにしても祐一さん、すっかり消えちゃった…」
香里「最後までしっかりしてくれてたらこんなことにはならなかったのに」
栞「うーん、でも相手が名雪さんだし…」
香里「じゃあ何?栞はアイス解説で暴言はかれても許せるってわけ?」
栞「なんなの、アイス解説って…」
香里「あ、栞はしないんだったわね。よかったよかった。お姉ちゃんはほっとしてるわ」
栞「う〜、勝手に言って勝手にほっとしてる…」
香里「ところで、名雪は九回もこんなことやるなんて言わないわよね?」
栞「九回って…九回も猫言葉の解説するの?」
香里「猫の様々なことについて語る会を九回、よ」
栞「さすがにないと思うけど…」
香里「もしあるとしても、全力で阻止するか逃げないとね」
栞「そうだよね…」
<おしまいだよっ>