『猫も茶を飲む』だよっ


名雪「一息つくにはお茶を飲むよね」

真琴「うん、そうそう」

名雪「“毎日忙しい猫さんも時にはお茶を飲んで一息つく”っていう事だよ」

真琴「へえ…って、どう忙しいの?」

名雪「色々だよ」

真琴「色々?」

名雪「残念ながらわたしの口からは言えないよ」

真琴「あぅーっ、そんなにヤバイの?」

名雪「………」

ぼぐぉ!

真琴「あぅーっ!」

名雪「もう、ヤバイわけないじゃない。何言ってるの?」

真琴「げほっげほっ…な、名雪、その手にはめてるのなんなのよぅ…」

名雪「これは拾ったものだよ」

真琴「ど、どこで?」

名雪「どこでもいいじゃない。それより真琴ちゃんと謝ってね」

真琴「何に?」

名雪「………」

ぼぐぉ!

真琴「あぅーっ!」

名雪「何、なんていう人嫌いだよ」

真琴「げほっ、げほっ…み、みぞおちはやめてよぅ…」

名雪「何に謝るなんて…猫さんに決まってるよ」

真琴「そ、そうなの?」

名雪「そうだよ」

真琴「あぅーっ…ごめんなさい…」

名雪「うんうん、素直でよろしい」

真琴「素直っていうよりこれは…」

名雪「何?」

真琴「なんでもないぃ!」

名雪「さあて、ちょっと一服しようか」

真琴「い、一服?」

名雪「そ。ちゃんと真琴の好きな肉まんもあるよ」

真琴「わ、わーい…でも、あんまり食欲ない…」

名雪「そうなんだ?大変だね」

真琴「誰のせいよぅ…」

名雪「………」

ぼぐぉ!

真琴「あぅーっ!」

名雪「真琴、わたしの所為だと言いたいの?」

真琴「う、ううん、真琴体調悪いの…」

名雪「ああやっぱり。大変だね、ほんと」

真琴「あぅ…(もぉいや…)」



………………



香里「え、えーと、『猫も茶を飲む』ってのは、

   “偉そうに分不相応なことをすることのたとえ”よ」

栞「ひどい話…」

香里「そ、そうよね…」

栞「真琴さん、もう逃げ出すんじゃ…」

香里「そうかもね…」

栞「お姉ちゃん、何焦ってるの?」

香里「な、何よいきなり。あたしは何も焦ってないわよ?」

栞「もしかして…」

香里「え?」

栞「今回の名雪さんの武器ってお姉ちゃんが落した物なんじゃ…」

香里「ぎくっ…な、なんのことかしら?」

栞「やっぱり…」

香里「仕方ないじゃない!ふと気付いた時にはどっかいっちゃってたんだから!」

栞「だからって名雪さんの力を増してどうするの!」

香里「あたしに言われたってでどうしようもないわよ!」

栞「…とにかく、これで戦えなくなったんだよね」

香里「はなっから戦うつもりなんてないわよ」

栞「お姉ちゃんが頑張らないと誰も対抗できないってのに…」

香里「ええい、うるさいうるさい!」

<おしまいだよっ>


後書き:酷い話ですわ、ほんと(だったら書くなよ)
それにしてもこんな言葉あったとわねえ…。

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