あゆ「略称?」
名雪「猫さんの間、じゃないからね」
あゆ「うぐぅ、やっぱり…で、これは何なの?」
名雪「ふっふっふ…」
あゆ「ど、どうしたの?」
名雪「とうとう、語る時がきたんだね。この言葉を」
あゆ「………」
名雪「世界の始まりを…」
あゆ「うぐぅ…」
名雪「さすがに冗談だけどね」
あゆ「なあんだ」
名雪「これは“猫さんが作った超時間の略”なんだよ」
あゆ「なんなの、その超時間って…」
名雪「残念ながら言葉に説明はできないよ」
あゆ「そうなんだ…」
名雪「というわけで実演してあげるね」
あゆ「え?」
じゃじゃん
名雪「さてさて、ここに取り出したるは目覚まし時計だよ」
あゆ「なんか錆付いてない?」
名雪「長年倉庫にしまってあったからね。胎動の時だよ」
あゆ「ごく普通の時計に見えるけど…」
名雪「実はね、この時計は時間を封印できるんだよ」
あゆ「どういう原理で?」
名雪「猫さんのシールが貼られてあるでしょ。そういうわけだよ」
あゆ「おもいっきりいかがわしいんだけど…」
名雪「信じないの?大丈夫、試されれば絶対信じるから」
あゆ「た、試すって何をするの?」
名雪「あゆちゃんとこの時計を一緒に生き埋めにするんだよ」
あゆ「うぐぅ!?」
名雪「あそこに既に穴を掘ってあるからね。それで…」
あゆ「………」
だだだだっ!
名雪「ああっ!なんで逃げるの!?」
あゆ「生き埋めなんて嫌だよっ!」
名雪「ふぐ毒には埋まるといいんだよっ」
あゆ「うぐぅ、そんなの今は関係ないよっ!」
名雪「更に超時間が体験できるのに!」
あゆ「うぐぅ…なんでいっつもこんなパターンなのー!?」
………………
美汐「もはやこれは抜けられないのでしょうか…」
栞「仕方ないかもしれないです。えっと、『猫間』の正確な意味は、
“扇の親骨の透彫の一種”です。或いは円く或いは細く連続して彫りすかし、
の瞳のようにさまざまに形をかえたものでもありますね」
美汐「ところで一つお尋ねしてもよろしいでしょうか」
栞「はい?」
美汐「超時間とはどのようなものでしょうか?」
栞「私にはわからないですけど…」
美汐「時間を超えた、何かでしょうか…」
栞「ただの造語ではないんですか?」
美汐「造語で無かったとしたら…」
栞「無かったとしたら?」
美汐「非常に危険な事態に陥るやもしれません」
栞「…それは恐ろしいですね」
美汐「だからこそ栞さん。あなたが頑張ってください」
栞「はい?」
美汐「私の手にはおえませんので」
栞「あのー、私の手にもおえないと思いますけど」
美汐「大丈夫です。私はそんな気がします」
栞「気がするとかで頼まれても…」
<おしまいだよっ>