『猫頭巾』だよっ


名雪「わたしは、一度はこれをかぶってみたいんだよ」

あゆ「これは一体なんなの?」

名雪「“猫さんの加護を得たすーぱー頭巾”だよっ」

あゆ「す、すーぱーなんだ」

名雪「そう。猫さんだからね」

あゆ「うぐぅ…あっ、加護っていうのはどういう加護なの?」

名雪「にゃーにゃーなんだよ」

あゆ「にゃーにゃー?」

名雪「そう。これをかぶるだけで!」

あゆ「だけで?」

名雪「猫さんいっぱいの幸せいっぱいの…とにかくすーぱーなの!」

あゆ「お、怒らなくても…」

名雪「何言ってるの?怒ってないよわたしは。強調してるんだよ」

あゆ「そ、そうだね。あははは…」

名雪「さて、落ち着いたところで」

あゆ「ところで?」

名雪「あゆちゃん、猫頭巾を入手してきてね」

あゆ「えっ…」

名雪「入手するまでたい焼きはおあずけだからね」

あゆ「な、なんでそうなるの…」

名雪「極寒の地や灼熱の大地を尋ね歩いてね」

あゆ「だ、だからなんでそうなるの…」

名雪「そして、“うぐぅ、ボクには見つけられなかったよ”と泣きながら帰ってきたら」

あゆ「うぐぅ…」

名雪「“え?もう届いてるよ”とわたしが余裕をかます予定だからね」

あゆ「そんなの嫌だよ!!」

名雪「これは某CMの真似だからすぐ実現できるよ。頑張ろうね」

あゆ「うぐぅ、ボク頑張りたくない…」

名雪「もうすぐヘリがやってくるからね。あゆちゃん、ふぁいとっ、だよ」

あゆ「うぐぅぅぅぅ!!」



………………



栞「本当に世界へ出かけたのでしょうか…。『猫頭巾』とは、

  “江戸時代に火消人足などが火事場でかぶった綿入れ木綿製の頭巾”です」

美汐「色について言いますと、表は紺無地または型染め、裏は茶または萌黄ですね」

栞「頭巾という共通点はありますね」

美汐「しかし内容があまりにも違います」

栞「そうですよね…」

美汐「ところで栞さん」

栞「はい」

美汐「アイス頭巾というものは無いのでしょうか」

栞「…そんな事言う人嫌いです」

美汐「栞さんだからこそ尋ねているのですが」

栞「だからそんな事言う人嫌いです」

美汐「…なるほど隠すつもりですね」

栞「隠していません」

美汐「こうなったら後で香里さんに尋ねてみます」

栞「お姉ちゃんに尋ねても何も出てきません」

美汐「果たしてそうでしょうか?」

栞「うう…そんな事言う人嫌いです…」


<おしまいだよっ>


後書き:相変わらず思うのは“なんじゃこりゃ”ですが…。
残り少なくなってきました。100より手前で終わりそうです。
良かった、そんなに無くて。

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