『猫足昆布』だよっ


名雪「断食からあゆちゃん復活、だよ」

あゆ「うぐぅ…」

名雪「猫飯は美味しかったよね。良かったね」

あゆ「うぐぅ…うん…」

名雪「おやおや、あゆちゃんはひょっとしてまだ食べ足りないのかな?」

あゆ「う、ううん…」

名雪「遠慮しなくていいよ。目がたい焼きを訴えてるよ」

あゆ「そんなことないよぅ」

名雪「でも残念ながらたい焼きはここには無いんだよ」

あゆ「そうだろうね…」

名雪「でも!そんなたい焼きなんか目じゃない料理を紹介するよ」

あゆ「…どんな料理?」

名雪「まず、昆布って味噌汁とかのダシに使われるよね」

あゆ「うんそうだね」

名雪「とここで!更に猫さんが片足を突っ込むんだよ!」

あゆ「え、ええっ!?」

名雪「滅多にこういうことは無いんだけど、これがまた究極の絶品なんだよ~」

あゆ「ど、どういう状況でそんな料理ができるの…」

名雪「原理はわからないんだけど、何とも言えないダシが出るんだよ~」

あゆ「うぐぅ…」

名雪「“ダシの究極”だよっ」

あゆ「ねえ名雪さん…」

名雪「もっとも、今回は見せることはできないけどね」

あゆ「うぐぅ…もういいや…」

名雪「ごめんねあゆちゃん。食べたかったろうにね」

あゆ「い、いいよ、別に」

名雪「…それは要らないってことなの?」

あゆ「ち、違うよ!できないならしょうがないって事で…」

名雪「ふっふっふ」

あゆ「うぐぅ!…ど、どうしたの?」

名雪「そんな一生悔いが残る様なあゆちゃんに素敵なお知らせだよ!」

あゆ「え…」

名雪「これから真琴と一緒に用意してあげるからね」

あゆ「え…」

名雪「さあて、張り切って作るよ~」

あゆ「うぐぅ、待って待ってー!」



………………



栞「結局振り回されてるのは変わらないのですね…。

  さて『猫足昆布』とは海産の褐藻でして、

  “南千島・北海道北東部の産。茎は扁平、匍匐してやや三角形。

  葉は線状、長さ1~5メートル、基部の両側に耳状の突起がある。

  長切昆布・とろろこんぶとして食用。甘味が強い。ミミコンブ”…以上です」

美汐「えらく棒読みでしたが…」

栞「すいません…」

美汐「未だ慣れないのですね」

栞「そんなことは…」

美汐「ほぼすべて後の締めに出演しているというのに…」

栞「そんな事言う人嫌いです…」

美汐「ところでお腹は空きませんか」

栞「あ、バニラアイス食べます?」

美汐「いえ…」

栞「遠慮しなくてもいいんですよ。たくさんありますから」

どさどさどさ

美汐「…待ちかねたように出てきましたね」

栞「はい。実は買いだめしてたんです」

美汐「私はお弁当を持参してますので…」

栞「要らないんですか?」

美汐「一つなら、後でいただくことにします」

栞「良かったです。どうぞ」

美汐「………」

栞「どうしたんですか?」

美汐「まさか究極のダシがきいてたりしませんよね?」

栞「そんな事言う人嫌いです…」


<おしまいだよっ>


後書き:なんかだれてるのが見え見えっぽいような。
しっかしこういう昆布があったんですねえ。

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