祐一「あんまりそんな話は聞いたこと無いが…そういう言葉があるからそうなんだろうな」
名雪「だから猫さんに合わせて夜逃げしてればまず問題無いよ」
祐一「待て。いちいちそんなことできるか!」
名雪「だったら引越しでもおっけーだよ」
祐一「それも時間と金がかかるんだが」
名雪「もう、祐一贅沢だよ?折角猫さんが地震を予知してくれてるのに」
祐一「だからって家を出る必要があるのか?」
名雪「大有りだよ。猫さんだもん」
祐一「それは答えになって無い気が…」
名雪「あんまりぐだぐだ言ってると、祐一だけ柱に縛り付けておいていくよ?」
祐一「怖い事をさらっと言うな」
名雪「猫さんの好意を無駄にする者には死あるのみだよ」
祐一「ふざけんな!第一猫のそれは好意なのか!?」
名雪「…ぜんっぜんわかってないようだね、祐一」
祐一「何がだ」
名雪「まあいいよ。祐一の処分は後でするとして…」
祐一「お、おい、処分って何をするつもりだ」
名雪「これは“猫さんと一緒に旅をしてれば地震なんてへのかっぱ!”という事だよ」
祐一「……逃げよう」
名雪「わ、逃がさないよ祐一!」
祐一「処分なんてされるくらいなら逃げる!」
名雪「猫さんの名誉を傷付ける事はこのわたしが許さないよ!」
祐一「だからわざわざ家出なくてもいいんじゃないかと俺は言ってるんだよ!!」
名雪「猫さんに付いていくからこそ価値がある言葉なんだよっ!」
祐一「そんなん知るかー!」
………………
香里「付け足しておくわね。相沢君が言いたかったのは、
家を補強するなりすればどうだ、ってことじゃないかしら。
それはそれとして、『猫が出たがる時には地震が起こる』これは、
“大地震の時には遠くの方から地鳴りがしてくるから、猫が驚いて出たがる”
って事らしいけど…」
栞「お姉ちゃん、これって信憑性のあるものなの?」
香里「動物の動きから地震を予知する研究は以前からされてるけどね」
栞「猫だけにはやっぱり任せられないんでしょ?」
香里「当然じゃない。ま、いつかはっきりするわ」
<おしまいだよっ>