あゆ「うぐぅ、それはどうして？」
名雪「犬さんは庭を駆け回って猫さんは炬燵でまるくなるからだよ」
あゆ「それって歌なんじゃ…。でもたしかに寒さに弱いよね」
名雪「うんうん」
あゆ「…えっと、それでこの言葉との関係って？」
名雪「それはね…。まず、寒さに弱いって事はあったかいものが欲しいよね」
あゆ「うんそうだね。ボクもたい焼きは焼き立てが一番だと思うし」
名雪「えっ、今持ってるの！？」
あゆ「う、うぐぅ、さすがに今は持ってないけど…」
名雪「じゃあ後で買いに行こう。あゆちゃんのおごりだよ」
あゆ「え…」
名雪「さあて、楽しみが出来たところで解説の続き行くよ」
あゆ「あ、あの、なんでボクがおごらなきゃいけないの…」
名雪「言い出したからだよ」
あゆ「うぐぅ、そんなぁ…」
名雪「冗談だよ。後で一緒に買いに行こうね」
あゆ「う、うん…（ほっ）」
名雪「でね、あったかいものの元祖は火だよね」
あゆ「えっ？…あ、うん、そうだよね」
名雪「その火を利用した火鉢！これも日本人の心だよね」
あゆ「うぐぅ、どういうことなの…」
名雪「そういうことだよ」
あゆ「………」
名雪「だから“苦手なものを緩和してくれるありがたい事じゃ”という事だよ」
あゆ「ど、どういうこと？」
名雪「たとえばわたしはイチゴサンデーで幸せになれるんだよ。そしてあゆちゃんはたい焼きだね」
あゆ「うぐぅ、勝手に決められてる…」
名雪「違うの？」
あゆ「…ううん、当たってる」
名雪「やっぱりね。だからそういう事だよ」
あゆ「…？」
名雪「わからない？例えばあゆちゃんが落ち込んでる時にたい焼きをプレゼントされるとどう？」
あゆ「うぐぅ、それは嬉しいよ」
名雪「うんうん。だからそういう事だよ」
あゆ「うーん…うん、わかったよ」
名雪「分かったの？それじゃあたい焼きを買いに行こ」
あゆ「たい焼き？…あ、そうだったね」
名雪「あゆちゃんのおごりだよ、やったね」
あゆ「うぐぅ！違うよっ！」
名雪「あゆちゃんのおごり〜、おごり〜♪しかもイチゴサンデーがついてくる〜」
あゆ「う、うぐぅ、違うのに…」
名雪「遠慮しなくても、猫火鉢になるチャンスだよ？」
あゆ「うぐぅ、だからなりたくないよぅ…」
名雪「う〜」
あゆ「“う〜”じゃないよっ！」
………………
栞「なんだかほのぼのしてました。いいことですね。
『猫火鉢』これは“側面に数個の穴をあけた土製の囲いの中に小火鉢を入れたあんか”です。
これを蒲団の中に入れて足を暖めたりするんですよ」
北川「ある意味こういうのは平和だよな…」
栞「平和ついでに、猫火鉢を早速用意してください」
北川「…俺が？」
栞「はい」
北川「なんで…」
栞「えっと、それはお約束だからです」
北川「どういうお約束なんだ…」
栞「是非実際に使って暖まろうとは思いませんか？」
北川「思わないけど…」
栞「そんな事言う人嫌いです」
北川「いや、そう言われても…」
＜おしまいだよっ＞