あゆ「うぐぅ、ボクはもうアシスタントなんてしないはずだったのに…」
名雪「新アシスタントのあゆちゃんだよ。よろしくね」
あゆ「う、うぐぅ…よ、よろしく…」
名雪「そんなに緊張しなくていいよ。これから猫さんの素晴らしさがわかるから」
あゆ「うぐぅ、ここってそういうコーナーだったの?」
名雪「…ううん、違うよ。そういえば我を忘れてたね、失敗失敗、だよ」
あゆ「名雪さんはいっつも我を忘れてると思うんだけど…」
名雪「ん?何か言った?」
あゆ「べ、別に何もっ!」
名雪「そ。じゃあ早速解説の方にいくね」
あゆ「う、うん」
名雪「お相撲さんに横綱ってあるよね?」
あゆ「うん。…って、もしかして、それの意味だっていうの?」
名雪「あ、そうだよ。よくわかったね」
あゆ「うぐぅ、それは無茶苦茶だよ…」
名雪「…あゆちゃん、何が無茶苦茶だっていうの?」
あゆ「うぐぅっ!じょ、冗談だよ、冗談!」
名雪「もう、全然笑えない冗談は良くないよ?」
あゆ「ご、ごめんなさい…」
名雪「まあいいよ。でね、昔はその横綱を猫綱って呼んでたんだよ」
あゆ「へ、へえ…」
名雪「でもね、途中で人々は思い直して横綱と呼ぶように成りましたとさ」
あゆ「…どうして?」
名雪「だって猫さんの名を語るなんて五千年早いじゃない。そういうことだよ」
あゆ「………」
名雪「とにかく“横綱の昔の呼び名”だよ」
あゆ「…ねえ、名雪さん」
名雪「何?」
あゆ「更にまたなんで横綱に変わったのか良く分からないんだけど」
名雪「いい質問だね。ばっちり答えてあげるよ」
あゆ「う、うん」
名雪「さてあゆちゃんは、いつ寝る?」
あゆ「寝る?…いつ、ってどういうこと?」
名雪「お休みするのはいつかな〜?ってことだよ。朝昼夜どれ?」
あゆ「ああ、そういうこと。ボクは夜に寝るけど」
名雪「あゆちゃんに限らず、人は大抵夜に寝るよね?」
あゆ「うん、そうだね」
名雪「そこで気付かない?夜、寝、横綱の“よ”、猫綱の“ね”」
あゆ「…もしかして、寝るのは夜だから、“ね”を“よ”に変えたってことなの?」
名雪「そうだよ!あゆちゃん、よくできました〜」
あゆ「………(物凄く疑わしいんだけど)」
名雪「どうしたの?」
あゆ「う、ううん、なんでもないよっ!へ、へえ〜、そんな秘密があったんだねぇ」
名雪「よかったねあゆちゃん。また世界の真実に近づいたよ」
あゆ「うぐぅ、それってどんな真実なの…」
名雪「それはまだまだ企業秘密だよ。あゆちゃん、頑張ってつかんでね」
あゆ「うぐぅ…」
………………
栞「…えっと、とりあえず解説しますね。
『猫綱』これは“強情で人の言葉に従わないこと”です」
北川「まるで相沢や水瀬さんの為にあるような言葉だな…」
栞「あの、あなたは?」
北川「ああ悪い悪い。美坂のクラスメートの北川潤だ」
栞「そういえば以前お会いしましたね」
北川「会った事あったっけ?」
栞「はい。たしかあれはおおとろを食べに行った時に…」
北川「…そういう楽屋的な事は話すべきじゃないんじゃ?」
栞「冗談です」
北川「…なんか俄然強気になってない?」
栞「いえ、そんなことないです」
北川「まあいいけど…」
栞「ところで、潤さんはどうしてこちらへ?」
北川「相沢と美坂が居ないってことで、俺が登場すべきかなと」
栞「そんな事言う人嫌いです」
北川「…なんで?」
栞「祐一さんもお姉ちゃんも居なくなってません。おいかけっこをしてるだけです」
北川「結果的に居なくなってるだろ…」
栞「…それもそうですね。では二人が戻ってくるまでよろしくお願いします」
北川「ああ。水瀬さんの相手するより断然いい」
栞「………」
<おしまいだよっ>