『猫石』だよっ


名雪「日本各地には不思議な石があるって知ってる?」

祐一「世界の間違いじゃないのか。モアイとか…」

名雪「うー、違うよ〜。日本にもそういうのあるんだよ」

祐一「例えばなんだよ」

名雪「二面石とか猿石とか亀石とか酒船石とか…」

祐一「…なんだそりゃ?何かの呪文か?」

名雪「はあ…。まったく、祐一ってほんと物知らずだね」

祐一「悪かったな…」

名雪「でね、それらの中に、猫石っていうのがあるんだよ」

祐一「ほうほう」

名雪「文字通り猫さんをかたどった石でね、ねこーねこー、なんだよ」

祐一「………」

名雪「あれ?どうしたの、祐一」

祐一「い、いや、なんでもないぞ。で、その猫石がどうしたんだ?」

名雪「実はね、この猫石にはね、猫さんのことが濃縮凝縮されて封印されてるんだよ」

祐一「また突拍子もないことを…」

名雪「本当だよ。“猫さんの事実が詰まった不思議な石”なんだよ」

祐一「お前それ、誰かが確かめたのかよ」

名雪「一度祐一も傍に行ってみるといいよ。猫さんを物凄く感じられるから」

祐一「感じられるってどういうことだよ」

名雪「行ってみれば分かるよ」

祐一「へえ〜…。ま、そう言うんなら行ってみるか。どこにあるんだ?」

名雪「それはわたしが案内するよ。だからわたしも連れて行ってね」

祐一「は?」

名雪「祐一と二人で旅行だよ。あ、当然旅費は祐一が払ってね」

祐一「やっぱそういうオチか…」

名雪「まだオチじゃないよ。これから行くんだから」

祐一「いやだから、オチだろ?」

名雪「ちなみにおやつは3000円までだからね」

祐一「聞けよ人の話…」



………………



栞「本当にそんな石があるんでしょうか…。

  『猫石』これは“板塀などの土台の下端で柱の真下に据え付けた石”という事です」

香里「でもって二人は旅行行ったのかしら…」

栞「行っちゃってたらこの講座はお終いだよね」

香里「甘いわね。どうせ次回には戻ってきてるわ」

栞「そっか…」

香里「それはそれとして、栞は名雪が言ってた石、知ってる?」

栞「猫石?」

香里「じゃなくて、最初に言ってた方」

栞「うーん…私あんまり石に詳しくないから」

香里「遺跡の一部として覚えておきなさいよ。ま、テストには出ないだろうけど」

栞「覚えてどうするの?」

香里「実はね、とんでもない秘密が隠されてるのよ」

栞「秘密?」

香里「これ以上は内緒だけれどね」

栞「ええ〜?」


<おしまいだよっ>


後書き:三度目のなゆちゃんの台詞に出てくる四つのそれは実在します。
(参考資料:三つ目が●おる<爆)
大分苦しくなってきたな…。

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