祐一「はいはい、そりゃよかったな」

名雪「…祐一、どうしてそんなに投げやりなの？ここからが凄く大事なのに…」

祐一「…どう大事なんだ？」

名雪「その前に、なんで“ねこま”から“ねこ”に名前を変えたと思う？」

祐一「単に省略しただけじゃないのか」

名雪「…ふっふっふ、まだまだ甘いね祐一は」

祐一「なんだ、どういうことだ？」

名雪「実はね、猫さんは空間を操る事が出来たんだよ」

祐一「………」

名雪「“ねこま”の“ま”ってのは間、つまりは空間を差してるんだよ」

祐一「ほんとかよ…」

名雪「そしてその猫さんは、自らの力を使って、必要空間を作り出しましたとさ」

祐一「なんだその必要空間って」

名雪「たとえば祐一、勉強するよね」

祐一「ああ、するな」

名雪「けど連続ではできないよね」

祐一「そりゃそうだな。休憩が必要だ」

名雪「そう！その休憩なんだよ！」

祐一「…どういうことだ？」

名雪「間ってのは、ほっと一息、の間なんだよ」

祐一「…あ、そ」

名雪「だからこれは“人類に休息を与えた証”なんだよ」

祐一「…なんで人類なんだ？」

名雪「祐一…さっきまで何聞いてたの？アシスタント失格にするよ？」

祐一「それは願ったりだ」

名雪「命の保証をしてあげないよ？」

祐一「それは困る…」

名雪「どっちがいい？」

祐一「どっちか選ばなきゃならないのか？」

名雪「そうだよ」

祐一「う…ま、まあ名雪、落ち着け」

名雪「落ち着かないよ」

祐一「猫さんから授かった休息を感じろ！」

名雪「…そうだね。一休みするよ」

祐一「ふう…」

名雪「…さて、一休みは終わりだよ」

祐一「はやっ！」

名雪「さあ、どっちなのかな？」

祐一「どっちも嫌だ…おとなしくアシスタントを続けさせてください」

名雪「うんうん、ありがとう祐一」

祐一「はは…」

………………

栞「祐一さん…頑張ってください。

　『猫（ねこま）』“ネコの古称”という事です」

香里「なるほど、名雪のあれはあながち嘘じゃないのね」

栞「昔の名前って部分は、だけど…」

香里「それにしてもアシスタント交替は結局しないのね」

栞「名雪さんがあの調子じゃあ仕方ないよね」

香里「もう一度アシスタントめぐりをやるべきじゃないかしら」

栞「わ、私はいや！！」

香里「心配しなくても、前回の結果を考慮しつつするわよ」

栞「ふう…」

香里「とりあえず栞はリストに入れておくわね」

栞「だから私は嫌だって！！」

＜おしまいだよっ＞

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