祐一「…まさかこの言葉の意味、お面とか言わないだろうな?」
名雪「それは違うよ。これはつかみだよ」
祐一「別にいらないだろ…。で、これはなんなんだ?」
名雪「女の人は顔が命よりも大切って言うよね」
祐一「…そうなのか?」
名雪「髪は女の命。それより上が顔なんだよ」
祐一「ほう」
名雪「同じく猫さんも顔がすっごく大切なんだよ」
祐一「それはどうしてだ」
名雪「そんなの言うまでもないよ。なんてったって可愛いからだよ」
祐一「………」
名雪「そんなわけで“命より大切なもののたとえ”なんだよ」
祐一「じゃあなにか?猫は命より顔を大事にしてるってか?」
名雪「信じられないなら証拠を言ってあげるよ」
祐一「どんな証拠だ」
名雪「以前猫さんは天気予報士さんだって言ったよね」
祐一「…そんな事言ったっけか?」
名雪「もう、駄目だよ忘れちゃあ。で、天気予報する時手で顔を洗うよね」
祐一「…ああ、そうかそうか、あれか。…それが何の関係があるんだ?」
名雪「顔を大事にしつつ天気予報!これでばっちりだよ」
祐一「それはさすがに…」
名雪「………」
フッ!
祐一「うっ!」
…ぱたり
名雪「吹き矢を食らった気分はどう?」
祐一「お、お前、これ、痺れ薬…付き?」
名雪「そうだよ。逃げられないようにね」
祐一「な、何をする気だ…」
名雪「顔でちょっと遊ぶんだよ。猫さんの顔を信用しない罰だよ」
祐一「や、やめろ〜!」
名雪「やめないよ。もう油性マジック用意してあるもん」
祐一「う、うわあ…!」
………………
栞「祐一さん…可哀相…。
えっと、『猫面(ねこづら)』
“猫の顔に似て短い顔の人を卑しめていう語”だそうです」
香里「可哀相と思うんならあんたがアシスタントしてきなさいよ」
栞「そ、それは遠慮する…」
香里「何にせよ、もし交替しなきゃならない時が来たら…」
栞「…来たら?」
香里「あたしは涙をのんで栞を出すわ」
栞「お姉ちゃん!そんなのやめてよ!」
香里「可哀相な栞…でも大丈夫。あたしはしっかり見守っててあげるからね」
栞「あーん、縁起でもないこと言わないでー!」
<おしまいだよっ>