『猫四手』だよっ


名雪「またまた新たなる真実の扉が開かれてしまうよ」

祐一「どうせ猫には手が四本あったとかってことじゃねーのか」

名雪「わっ、すごい。祐一、どうしてわかったの?」

祐一「やっぱりか…。名雪、さすがにそれは違うと思うぞ」

名雪「何が違うっていうの?今から証拠を見せるから黙って聞いてて」

祐一「…証拠?」

名雪「うん、そうだよ。ほら、これ見てよ!」

バンッ

祐一「…猫の絵じゃないか。それがどうしたんだ?」

名雪「わたしは猫さんに触れないからこれで我慢してね」

祐一「ああ」

名雪「さて、見てよ祐一。ばっちり四本あるでしょ?」

祐一「…あるけど、手が四本じゃないだろ」

名雪「何言ってんの。後ろについてるじゃない」

祐一「…それは後ろ足と言うんだ」

名雪「わかってないねえ。実はね、猫さんは昔…手が四本で足が二本あったんだよ」

祐一「それってイツの話だ」

名雪「でもね、四本も手は要らない。代わりに手を欲しがってる人にあげてくださいって…」

祐一「人ぉ?」

名雪「あ、ううん、動物、かな。うん、あげてくださいって神様にお願いしたんだよ」

祐一「へー…」

名雪「けれどそれが意地悪な神様で…足を二本奪っちゃったの!!」

祐一「………」

名雪「でも後でちゃんと後ろの二本の手を足のところに持ってきたんだって。あまのじゃくだよね」

祐一「…それが証拠か?」

名雪「うん、そうだよ」

祐一「………」

名雪「改めて言うね“猫さんは実は手を四本持っていたのだ!”という神話だよ」

祐一「一つ尋ねていいか?」

名雪「うん、いいよ」

祐一「足二本は誰にあげたんだ?」

名雪「北欧神話に足が六本の馬さんがいるよね」

祐一「…ああ、そんなやついたっけか」

名雪「だからその馬さんだよ」

祐一「………」

名雪「どうしたの?」

祐一「いや、なんでも…」



………………



栞「『猫四手(ねこしで)』

   これは植物のことで、“ウラジロカンバの別称。”という事です」

香里「栞、ウラジロカンバってなによ」

栞「えっと、えっと…」

香里「はい、次までに調べてくること」

栞「ええっ!?う、うーん…」

香里「ま、無理にとは言わないわ。あたしはもう調べたから」

栞「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!」

香里「栞は栞で勝手に調べて置いてね」

栞「うう……」


<おしまいだよっ>


後書き:初耳ですね、こういうのがあったなんて。
しっかし何のひねりもねえなあ(苦笑)

戻る