祐一「っていうか、だいたい予想が付くけどな」
名雪「へえ〜、そうなんだ。びっくりしたでしょ祐一」
祐一「別に。こんなんでびっくりはしない」
名雪「そっか…もはや世界に広がってるんだね、この奇跡は」
祐一「奇跡？」
名雪「うん、そうだよ。これは“奇跡の代表格”という事なんだよ」
祐一「…なんでそうなる」
名雪「えっ？だって男の猫さんは子供生まないよね？」
祐一「そりゃそうだろ。生むのは雌の方だ」
名雪「ところがそんな常識を覆した奇跡の猫さんがいたんだよ」
祐一「いたのかよ…」
名雪「いたんだよ。でね、誰もが奇跡の猫さんだとたたえたそうだよ」
祐一「………」
名雪「こうなったら祐一も見習わないといけないね」
祐一「暴走するのは勝手だが俺を巻き込むな」
名雪「何言ってんの。猫さんに追いつかないといけないよ？」
祐一「何をするつもりだ…」
名雪「子供を産んでみてよ、是非」
祐一「無理だ」
名雪「やる前から諦めちゃだめだよ」
祐一「ふざけんな！俺には無理だっつーの！！」
名雪「わたしの理論的には１００％可能なんだよ」
祐一「そんな理論信用できるか！！」
名雪「う〜、ひどいよ祐一…って、どこ行くの？」
祐一「用事を思い出した（ほんとは逃げる）」
名雪「どんな用事？」
祐一「奇跡を起こすための用事だ」
名雪「ふ〜ん？」
祐一「じゃあな」
名雪「あっ、ちょっと待ってよ」
祐一「何だよ。俺はさっさと行きたいんだ」
名雪「行く前に子供産んでよ」
祐一「お前さっきから何言ってんだ」
名雪「奇跡を見せないと行く事は許さないよ」
祐一「…逃げる」
ダッ
名雪「ああっ！結局逃げるんだ！！」
祐一「うっ、バレてたのか…」
名雪「当たり前だよっ！祐一のお腹に逃げるって書いてあったよ！！」
祐一「嘘ばっか言ってんじゃないー！！」
………………
香里「結局何がしたいのかしら…。
『男猫が子を生む』これは“あるはずの無い事の例え”という事よ」
栞「結局祐一さん無事に逃げ切ったのかな…」
香里「どっちにしたって無理でしょ、相沢君が子供産むなんて」
栞「そりゃそうだけど…」
香里「代わりに栞が産んであげなさいよ」
栞「そ、そそそ、それが一体何の解決になるっていうの！？」
香里「別にそんな慌てなくても…ひょっとして産みたいの？」
栞「お姉ちゃん！！」
香里「冗談よ」
栞「うう〜……」
＜おしまいだよっ＞