香里「よろしく頼むわ」

名雪「さてさて、香里は猫好き？」

香里「別に」

名雪「…香里、酷いよ。親友だと思ってたのに…」

香里「うるさいわね。あんたがどう暴走しようとあたしは屈しないからね」

名雪「…わかったよ、その件については後でね」

香里「言っとくけどあたしは解説が終わった途端逃げるからね」

名雪「う〜…」

香里「そんなことより解説するんでしょ？ほらほら、どういう意味なの？」

名雪「う、うん。えっとね、猫さんと杓子さんの共通点はなんだと思う？」

香里「…ぱっと言われるとわかんないわねえ」

名雪「やっぱりね。いくら香里でもこれはわかるわけないよ」

香里「もう、もったいぶってないで言ってよ。共通点って何なの？」

名雪「それはね、ご飯だよ」

香里「ご飯？」

名雪「猫さんはご飯食べるよね」

香里「そうね」

名雪「杓子はご飯すくうよね」

香里「そうね」

名雪「そういうことだよっ♪」

香里「………」

名雪「だからこれは“今日もご飯が美味い”ってことなんだよ」

香里「…意味がわかんないんだけど」

名雪「ええっ？じゃあもう一回言うね。“今日もご飯が美味い”だよっ」

香里「そうじゃなくて！どうしてあの言葉からそんな意味が出てくるのよ！」

名雪「共通点はご飯だって言ったじゃない。だからそういう事だよっ」

香里「…はあ、もういいわ。疲れたからあたし帰る」

名雪「あっ、香里…」

香里「何よ。言っておくけどあたしは今超が付くくらい不機嫌よ？」

名雪「う〜…えっとね…」

香里「何」

名雪「次回からアシスタントさんは祐一に戻るって伝えておいて」

香里「そうね、そうしてちょうだい」

名雪「う〜、香里が伝えるんだよ〜」

香里「冗談よ。わかった、絶対に伝えとくわ」

名雪「頼んだよ〜」

香里「心配無用よ」

………………

栞「…お姉ちゃん、自ら不機嫌な態度を取って難を逃れたみたいです。

　　　『猫も杓子（しゃくし）も』“誰も彼も同じようなことをすること”です」

祐一「そうか、俺もああいう態度を取ってれば大丈夫なわけだな」

栞「そうですね。猫についての文句もうやむやになってましたし」

祐一「よし！俺も名雪に屈さずにいく！！」

栞「多分お姉ちゃんじゃないと無理だと思いますけど…」

祐一「…そうだよな、はあ…」

栞「祐一さん」

祐一「なんだ？」

栞「ふぁいとっ、です♪」

祐一「うう…」

＜おしまいだよっ＞