真琴「あぅーっ、真琴頑張るから」
名雪「しっかり頼んだよ」
真琴「任せといて。祐一とは違うって事をばっちり見せつけてあげるわよぅ」
名雪「さて、ここに一枚の皿があるよ」
真琴「くんくん…ああっ!肉まんの匂い!!」
名雪「えっ?ああそうだね。さっきちょっと小腹が空いたから…」
真琴「ズルイズルイ名雪!真琴も欲しかったのにぃ!!」
名雪「ご、ゴメン、後で祐一から奢ってもらうから」
真琴「…それならいいけど。で、その皿がどうしたの?」
名雪「実はこの皿には悲しい過去があるんだよ」
真琴「悲しい過去?」
名雪「そうだよ。ある一匹の猫さんが、このお皿を嘗めちゃったんだけどね」
真琴「ふんふん」
名雪「実はそれには、主人を殺そうとしてた執事さんが毒を塗っていたの!!」
真琴「うわあっ!」
名雪「可哀相に、その猫さんは死んでしまったのでした…」
真琴「あぅーっ、可哀相…」
名雪「でもそのおかげで執事さんは殺人計画がバレて捕まりました」
真琴「あぅーっ…」
名雪「でもその一方で、猫さんの主人は泣いて猫さんをお墓に入れたのでした」
真琴「あぅーっ…」
名雪「“ありがとう、お前のおかげで助かった”って…」
真琴「…猫さん、命がけで主人を守ったんだね」
名雪「そうだよ、そうなんだよ…」
真琴「あぅーっ、エライね…」
名雪「うん…“命を賭して犯罪を暴こうとする様”だよ」
真琴「あぅーっ、それは悲しすぎるよ」
名雪「そうだよね。結果的に猫さんが犠牲になったんだからね」
真琴「…そうか!科を負うって、犠牲になるってことなんだね」
名雪「うんそうだよ。さすが真琴、わかってるね」
真琴「えへへ。でも…猫さん可哀相…」
名雪「うん…」
真琴「こんな哀しい事件は絶対起こらないようにしなくちゃいけないわよう!」
名雪「そうだよ!うんうん」
………………
香里「なんか知らないけど意気投合しちゃったわね。
『皿嘗めた猫が科を負う』正確な意味は、
“魚を食べた猫が逃げてしまって、その後で皿を嘗めただけの猫が捕まる様に、
主犯の大物が捕まらず小物ばかりが捕まる”という事よ」
祐一「なんで俺が奢る事になったんだ…」
香里「いいじゃないの、別に」
祐一「よくない!!」
香里「そんなことより相沢君、アシスタントは真琴ちゃんに任せれば?」
祐一「そりゃあ、たしかにあいつだと問題なく進行しそうだが…」
香里「それに相沢君みたいに疲労はためないと思うわよ」
祐一「だよなあ…検討してみる」
香里「検討の余地なんて無いと思うんだけど…」
祐一「もう他の奴ら全員に呼びかけたんだ、今更外せるか」
香里「ほんっと後先考えてないわね…」
<おしまいだよっ>