『好奇心が猫を殺す』だよっ


名雪「怒涛の最終兵器がやってきちゃったね」

真琴「へ、兵器なの?これ…」

名雪「だって殺しちゃうんだから。凶悪な殺戮兵器以外なにものでもないよ」

真琴「あぅーっ、なんか修飾部分が増えてるぅ」

名雪「わっ、真琴がらしくない言葉を喋ってるよ」

真琴「ちょっとぉ、それは失礼じゃないの!」

名雪「さて、猫さんを殺してしまうなんていう不届き千万なものとは何か…」

真琴「あぅ、無視された…」

名雪「手前に好奇心ってのがあるけど、これがキーワードなんだよ」

真琴「キーワードも何も、ばっちり言葉に入ってるじゃないのよぅ」

名雪「実はね、何でも好きになりすぎてしまうと…」

真琴「何でもってどういうこと?」

名雪「ああちょっと誤解しやすいね。一つのものに深く好きになりすぎてしまうと…」

真琴「うんうん…って、“何でも”じゃあないじゃない」

名雪「えい!」

どがっ!

真琴「あぅーっ!」

名雪「余計なつっこみは嫌いだよ」

真琴「うぅ…いきなり蹴りなんてかましてんじゃないわよぅ!」

名雪「なゆなゆきっくは真琴ぱんちより上だからね」

真琴「どういうことよぅ…」

名雪「さて、“何でも”ってのは“どんなものに対しても”って意味合いだからね」

真琴「だったら最初っからそう言えばいいのに…」

名雪「はっ!」

どかかっっ!

真琴「あぅーっ!!」

名雪「以上で、つながりが少し見えてきたと思うよ」

真琴「うぅ…どういうことよう…」

名雪「好きになりすぎてしまうことは罪、なんだよ」

真琴「罪、なの…?」

名雪「難しいんだけどね、何事もほどほどが一番だよ」

真琴「だったら名雪もほどほどにしない?」

名雪「何が?」

真琴「猫さんについて」

名雪「…それをやっちゃうと司会として失格なんだよ」

真琴「でも、いつも度が過ぎてると思わない?」

名雪「思わないことはないよ。けれど度を過ぎた方がいい場合もあるんだよ」

真琴「あぅーっ、なんか矛盾してる…」

名雪「せいっ!」

どかかかっっっ!!

真琴「あぅーっ!!」

名雪「微妙な路線がわかってないなんてダメだよ」

真琴「ぐ、う、う…」

名雪「ちゃんとほどほどに手加減したから大丈夫だよ」

真琴「だ、大丈夫じゃないわよぅ…」

名雪「さて、まとめの意味をいくね」

真琴「あぅ…」

名雪「“好きも度を過ぎると大切なものを失うという戒め”だよっ」

真琴「だ、だから名雪も…」

名雪「…真琴、最大級をくらいたいの?」

真琴「あぅ、最大級って、なによぅ…」

名雪「ずっと前に解説したよね。猫さんのランクの事を」

真琴「…ランク?」

名雪「覚えてないの?じゃあ仕方ないね…」

真琴「あぅーっ!待って待って待ってー!」

名雪「なに?思い出したの?」

真琴「そ、そうじゃなくって、その、次回は秋子さんのはずだし…」

名雪「だから?」

真琴「真琴の最後くらいは平和に終わりたいな、って…」

名雪「駄目だね。ここで容赦するとわたしは一生後悔するよ」

真琴「あぅーっ!そんな無茶苦茶よぅ!!」

名雪「はああああ…」

真琴「あぅーっ!?」



………………



香里「結局どうなったのかしら…。で、『好奇心が猫を殺す』っていうのは…

   “過ぎた好奇心は身を滅ぼしかねない。近付きすぎに用心せよ”ってとこかしら」

栞「名雪さんの意味が結構近い、ってこと?」

香里「あんた何言ってんのよ…」

栞「だって…」

香里「それより、今度こそ次回で終わりなのよね?」

栞「うん、そのはずだけど」

香里「ようやく終わるのね。近づきすぎた名雪によって巻き起こった騒動が…」

栞「何に近づいたの?」

香里「言うまでもないでしょ」

栞「うーん、そうなんだけど…」

香里「何?何かひねりがあったりするわけ?」

栞「あるよ」

香里「なるほど…で、何かしら?」

栞「猫さんそのものじゃなくって…」

香里「ふんふん」

栞「猫さんにまつわるすべてに近づきすぎたっていうか…」

香里「よくわかんないわねえ。もうちょっと具体的に言えない?」

栞「今回は猫さんの言葉、って事だよお姉ちゃん」

香里「?」

栞「えっと、うーん、これ以上は上手く言えない…」

香里「…あー、うんうん、わかった気がするわ」

栞「そう?よかった」

香里「つまりは真の意味に引っ掛けてたわけなんだ?」

栞「うん、そういうこと」

香里「栞も気をつけなさいね。本当に」

栞「う、うん…」


<おしまいだよっ>


後書き:しみじみと終わりを感じてます。
やっと終わらせられる…ってなもんで。
次回があるなら、もうちっと別な形でやりたいもんですな。

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