『女の寒いと猫のひだるいは手の業』だよっ


名雪「この言葉には三つの意味合いが含まれてるね」

真琴「うん」

名雪「まず女の寒いってのは…」

真琴「うんうん」

名雪「女性は寒く凍えるような時でも強く生きるってことだよ」

真琴「…そうなの?」

名雪「体脂肪率を考えるとそうなるんだって。やったね真琴」

真琴「う、うん…」

名雪「次に猫さんがひだるいってのは…」

真琴「うんうん」

名雪「猫さんにも、だるくてくてーっとなる時があるってことだよ」

真琴「普通生き物ってそういうもんじゃないの?」

名雪「まあそうだけどね。いくら猫さんでも疲れはたまるし」

真琴「真琴もそうだし。名雪だってそうでしょ?」

名雪「なるのは事実だね。でも猫さんのためならそうも言ってられないよ」

真琴「あ、あははは…」

名雪「さて、手の業って部分だけど…」

真琴「うんうん」

名雪「手で物をつかんだりするくらいに当たり前ってことだよ」

真琴「へえ、なるほど…」

名雪「つまりは三つを合わせて…」

真琴「うん」

名雪「“裏の常識も時に従えない常識も普通の常識も知っておけ”ってことだよ」

真琴「…どういうこと?」

名雪「わたしに例えると、イチゴ好きなのとけろぴー抱えてるのと朝弱いのとは承知してねってことだよ」

真琴「あぅ、さっぱりわかんない…」

名雪「真琴にたとえると…何かな?」

真琴「真琴が分かってないのにそんなの答えられないじゃないのよぅ」

名雪「肉まんと漫画とお昼寝ってことかな」

真琴「あぅ、よくわかんないけどそれは違うと思う…」

名雪「贅沢だよ真琴」

真琴「そう言われても…」



………………



香里「栞の場合、アイスと風邪とストールってとこかしら」

栞「お姉ちゃん無理に名雪さんの真似しなくても…」

香里「さて『女の寒いと猫のひだるいは手の業』ってのは、

   “一般に女性が寒がるのと、猫がお腹が空いているように見せるのは

   いつものことだ”っていうことね」

栞「ひだるいって、お腹がすいてるように見えるってことなんだね」

香里「栞で言えばどういうことかしらねえ」

栞「お腹すいてるように見せてないもん」

香里「そうじゃなくてね…そうそう、拗ねて見せるってとこかしら」

栞「…どういうこと?」

香里「そのまんまよ」

栞「???」

香里「わざとそうやってるのが可愛くもあるのよね」

栞「えっ、えっ?」

香里「あんまりやると、相手は気を悪くするかもしれないけど」

栞「………」

香里「ま、あえてチャームポイントを壊す必要もないわ。栞はそのままでね」

栞「う、うん…」


<おしまいだよっ>


後書き:三つの方は混乱するかもしれないですね。
ああそれにしても…女性と絡めた言葉がやけに多い気が。

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