小説「まもって守護月天!」
(虎賁の大きくなろう大作戦「その後」)


『翔子編』

瓠瓜を抱えて床に座る。
昼食前と同様に、キリュウがベッドに座って短天扇を構えているという状態だ。
なんだか不機嫌そうなキリュウにお構いなしに、あたしは次なる実験を訴える。
「さてキリュウ、今度は寿命だ。」
「じゅ、寿命?」
「そうだ。万象大乱によって、寿命も大きく、つまり長く出来るんじゃないか?って事だよ。」
「そんな無茶な・・・。第一、それを確かめる方法はどうするというんだ。」
ここで言われてハッと成る。でもまあ、今確かめる必要は無いかな。
「別にすぐ確かめなくたって、何年後かに分かるじゃないか。」
「しかし、元々の翔子殿の寿命がわからない以上それは無意味ではないか?」
「確かにそうだよな・・・。じゃあ止めてさっさと次の実験をやろうか。
なんといっても沢山やる事があるんだから。」
「た、沢山?」
「そうだよ。午前中は一つしか出来なかったからな。それで午後は沢山あるって訳だ。」
「翔子殿・・・」
「反論は受けつけないからな!だいたい、一つだけ大きくするなんて事は言わなかっただろ?」
にやっと笑うと、キリュウが呆然とした顔になる。
してやったり、こういう事に関してはキリュウは疎いからなあ。
ま、食事終わっていきなリ寿命がどうたら言い出した時点ですでに終わってるけど。
「それじゃあ次やるぞ。今度は美しさ!」
「う、美しさ?」
「そうだ。万象大乱でそれを上げれれば、真実の美しさってのはどんなものなのかがばっちりわかる!」
「いや、だからそういう抽象的過ぎるものは・・・。」
「つべこべ言わずさっさとやる!」
「分かった・・・。万象大乱。」
なんだか投げやりに唱えやがった。とりあえずあたしの顔にかけたみたいだけど・・・?
「なあキリュウ、変化はあったか?」
「別に・・・。」
「瓠瓜、どうだ?あたしの顔、何か変わったか?」
「ぐえ?」
どうやら変化無しのようだ。
別に美しくなろうなんて思っちゃいないけど、こういうのは是非やってみたい事柄だしな。
「よしキリュウ、もう一回だ。」
「翔子殿・・・」
「ほらぁ、もう一回!!これも試練だよ!!」
「し、しかし・・・。」
「頑張れ、耐えるんだキリュウ!」
「そんな勝手な・・・。」
しぶしぶながらもキリュウが再び万象大乱を唱える。
そこで再び尋ねてみたが、やはり変化無しだったようだ。
だめだめだなあ。こんなんじゃ実験になりゃしない。
だれていると、キリュウが短天扇をぱっと閉じて身を乗り出してきた。
「翔子殿。」
「なんだ?」
「実験もいいが、昨日の試練についてちょっと聞きたい事がある。
花織殿に避ける役をやってもらった時に生じた欠点とはなんだ?」
「あれ?まだ話してなかったっけ?」
「そうだ。」
「・・・別に気にしなくていいよ。」
「そういういいかげんなものでは困る。私は結構悩んでいるんだ。」
随分と気迫に満ちた顔だ。多分これは譲らないだろうな・・・。
「分かった、教えるよ。まず最初に、愛原が代わりに避ける事によって、
どういう風に避けるべきか、それとなんの為に避けているかっていう再認識。
これによって、どんな球でもどう避けるべきか見えてくる、って事だよな。」
「そうだ。」
「で、あたしが言う欠点ってのは、愛原がそれをやったって事。
別に愛原は七梨が試練を超える為にって事でやったけど、それじゃあ意味が無い。
試練を超える為だけに七梨は試練を受けてるわけじゃないからな。」
「なるほど?」
「だから、結果的にあの試練はクリアーしたものの、ちょっと目的が違ってきてた。
試練をクリアーする為に試練を受けたってなもんだからな。
ま、別にシャオとの仲が深まったようだからよしとしていいと思うよ。
だから気にしなくていいって事。」
「・・・分かった、ありがとう翔子殿。」
御礼を言ったかと思うとしきりにキリュウは考え出した。
次なる試練のやり方についてでも考えてるのかなあ。
・・・って、そんな事は今重要じゃない!!
「キリュウ、納得したんならさっさと続きやろうぜ。」
「・・・次は何を大きくするつもりだ。」
「時間。大きく、つまり長くできないかな?って。」
「無駄だと思うが・・・。」
「無駄かどうかはやってみてから決めろよ。
だいたい、唱える際にも投げやり過ぎるぞ。もう少し心込めろよ。」
「分かった・・・。万象大乱!!」
ノってくれたのか、さっきとはえらい違いだ。
しかし、周囲に変化が起きた様子は無い。うーん・・・。
「なあキリュウ、本当にかけたのか?」
「かけるも何も、時間にかけるという行為自体が無理矢理だと思うのだが。」
「そんな弱音は聞き飽きたよ。とりあえずは確かめないといけないな。
と言うわけで何かその方法を。」
「どんな方法だ?」
「・・・時計でも見てみようか。」
部屋をきょろきょろと見まわしてアッサリ時計を発見。
朝の目覚ましの際にキリュウが愛用している、声を出す目覚ましだ。
じいっと見てみる。けれども、針の動きも時計の文字盤も何ら普段と変わり無い。
「キリュウ、本当に大きくしたのか?」
「いや、そう言われても・・・。」
「もう一度やってみてくれ。時間の流れを大きく、つまりはや・・・じゃなくて、
時間の流れを小さく、つまり遅く!だ。」
「・・・万象大乱!」
言われてすぐに唱えられる万象大乱。
しかし、やはりというか時計に変化は見られない。
当然外の景色も、部屋の中も、あたし達も・・・。
「なあキリュウ、もうちっと気合入れろよ。」
「そういう問題か?私には無理な事柄なのだが・・・。」
「まあいいさ、次の実験いこう。
成長のスピードの変化!!丁度そこにベンジャミンがあるよな。」
部屋の隅っこを指差す。キリュウが鑑賞用にでも飾ってあるのか、ベンジャミンが。
いや、キリュウの趣味じゃなくて、もともとこの部屋にいた誰かの趣味かもな。
「あれの成長をものすごく早くしてみてくれ。」
「うーん、大きくするとかなら分かるが成長を早めるのは・・・。」
「枯れるから気が進まないってか?大丈夫、枯れたら時間を戻せばいいんだよ。」
あたしの得意げな言葉を聞いて、キリュウが呆れ顔に成った。
なんだかとても嫌そうな目つきだ。いや、さげすんでるのか?
「翔子殿、私は時間など操れないのだが・・・。」
「何言ってるんだよ。植物がこれまでに体験した時間。
その時間を縮めれば、その植物は過去の状態に戻るはずだぜ。」
「・・・ものすごい案だが、私にそんな芸当が出来ると思うか?
第一、さっき時間に万象大乱をかけて失敗してるではないか。」
「反論は受けつけない。ほらほら、さっさとやってみてよ。」
せかすあたしにため息をつき、キリュウが短天扇を構える。
まずは植物の成長度を増す実験だ。
「万象大乱!」
みるみるうちにベンジャミンに変化が!・・・現れない。
いたって元の状態のまま、開けてある窓から入ってくる風にそよそよと葉を揺らしているだけだ。
「だめかあ。じゃあ次は時間を。」
「・・・万象大乱!」
特に反論はせずに再び万象大乱を唱えるキリュウ。
そりゃまあ、アレだけ突っぱねてたら当然かな。
それでも結果は今まで通り。すなわち、変化無しって事だ。
「なんでダメなんだろうなあ?」
「翔子殿、だから私には無理だと言っているだろう。」
「何を言ってるんだ。スピードなんて物を変える事が出来たんだ。
他に色々と変えられても不思議は無いだろう?」
「それはそうだが・・・しかしなあ・・・。」
「しょうがない、別の物にしよう。次は硬度!」
つまりは物の硬さだ。これくらいなら大丈夫だろう。
ぱぱっと本を一冊取り出す。そしてそれを手に持って構えた。
「な、何をするんだ翔子殿。」
「硬くなったかどうかをキリュウが身をもって確かめるんだ。まずは使用前。」
ごんっ!
言うが早いかあたしは本での攻撃をキリュウに繰り出した。
鈍い音がしたものの頭を叩いたわけじゃない。足だ。
「・・・つう。」
「さ、唱えてみてくれ。」
「翔子殿、何故私が実験台にならなければならないんだ!」
「痛かった?後でマッサージでもしてやるから。」
「まったく・・・万象大乱!」
ここで本の大きさが変わろうものなら更なる追撃を食らわしていた所だ。
しかし本の大きさは変わらず。よし、試してみよう。
「いくぞキリュウ。」
「ちょ、ちょっと待った翔子殿!」
ごんっ!
「くうう!!」
「音は変わらなかったけど・・・どうだ、硬くなったか?」
「自分で指ではじくなり確かめればいいではないか!!痛い・・・。」
痛そうに足を押さえながら反論するキリュウにハッとなった。
言われてみればそうだ。何もキリュウをぶったたく必要なんて無いじゃないか。
「いやあ、一本取られたよ。」
「取られたのはこっちだ。まったく・・・。」
厳しい目つきのキリュウ。とりあえずは硬くなったかどうかを答えて欲しいんだけど。
まあいい、自分で試す事にしよう。ぴんと指ではじいてみると・・・
キンッ!
「おっ?硬い?」
「その通りだ。どうやら今回は成功だな。」
「へええ、なるほどなあ。よし、それじゃあマッサージをやってやろう。」
感心しながら本を傍に置くとキリュウの目が丸くなった。
「本気だったのか?」
「冗談であんな事言うかよ。ほらほら、うつ伏せになりなって。」
「・・・すまない。」
照れた顔をしながらもキリュウがベッドに寝っ転がる。
短天扇を別の場所に置き、ゆったりした状態だ。
それを確認した後、あたしもベッドの上に乗る。瓠瓜も一緒だ。
「さて、どこをマッサージして欲しい?」
「どこでも。」
「・・・そういう消極的な返事は感心出来ないな。それじゃあ遠慮なく。」
どしん
「!!??しょ、翔子殿、背中に乗られると重いのだが。」
「まあまあ。ここからだと良く分かるからさ。それじゃあ瓠瓜は足のほう頼むよ。」
「ぐえっ。」
とてとてと瓠瓜はキリュウの足の上を歩いて行った。
「す、少しくすぐったいのだが・・・。」
「試練だ、我慢しろ。」
「しかしだな・・・。」
「じゃあとりあえずはくすぐったいのに耐える試練からだな。」
「な、なんだと?」
あたしはすかさずキリュウのわき腹を掴んだ。そしてこちょこちょこちょ・・・
「ぐっ・・・ぶはははははは!!や、止めてくれ翔子殿!!」
「やめろといわれて正直に止めるなんて事はしないよ。瓠瓜も頑張れよ〜。」
「な、なにっ?」
後ろを降り返って合図すると、瓠瓜もくすぐり出した。
はねのついたペンで(いつの間に用意したんだ?)足の裏をこちょこちょと。
「あははは!!や、やめ、ぷはははは!!く、くすぐ、はははは!!!」
「なんだ、随分と楽しそうだなあ。」
「た、楽しくなんか、ひははは、ない!」
「でも笑ってるじゃんか。」
「そういう問題じゃ無いー!!!!」
ついにはじたばたと暴れ出した。けれども、笑い過ぎて力が抜けているのかそんなに激しくない。
ゆれてる船に乗ってるって感覚だ。瓠瓜も瓠瓜でそんな状態を楽しんでるし。
「そーれこちょこちょこちょ〜。」
「ぐえっ。」
「#$%♪○&!”*+〜?∞/♀=☆¥♯!!!????」
ついには意味不明な言葉をしゃべり出した。いや、叫び出した。
さすがに限界かな・・・。
「瓠瓜、もう終わりにしよう。」
「ぐえっ。」
ぴょいっとそこから飛びのいて床に座る。
ベッドの上のキリュウは、やはりというかうつ伏せになったままぐったりしている。
「ひ・・・ふ・・・う・・・。」
息がかなり苦しそうだ。まだくすぐりの後遺症があるらしい。
「キリュウ、大丈夫かー?」
「・・・・・・。」
呼びかけてみても返事はない。やっぱりやりすぎたか。
仕方がないので復活するまでしばらく待ってみるとしよう。

待つ事約一時間・・・も経ってないけどあたしにはそう感じた。
そこでようやくキリュウは喋れるようになったようだ。いくらなんでも復活遅すぎるぞ。
「翔子殿・・・。」
「何?」
「一体なんのつもりだ!!私を殺すつもりか!!?」
「大袈裟な・・・。思いっきり笑わせてやっただけじゃないか。」
「だからそれが死にそうになったんだ!!」
「何を言っているんだ。これは試練だと言ったじゃないか。
というわけで今度七梨に与える試練としてこれを実行しようぜ。」
「なるほど、試練の提案か・・・って、そんな事では誤魔化されないからな!!」
説得できたと思いきや、全然それは甘かったようだ。
体を起こし、みるからも恐ろしい形相でありったけの文句をぶつけてくる。
いいかげんそれがすんだ辺りで、あたしはすらっと口を開いた。
「キリュウ、そんなに怒っていると美人がだいなしだぞ。」
「なっ・・・。そんな事では誤魔化されないと言っているだろう!」
「第一、あたしがなんの為にあれだけ笑わせたかわかっていないようだな。」
「なに?」
ここでぴたっとキリュウの文句が止まった。
してやったり。早速あたしは言葉を続けた。
「笑う角には福来るっていうだろ?あれにはちゃんと科学的な根拠が示されているんだ。」
「どういうことだ?」
「つまりだ、思いっきり死ぬほど笑う事によって頭の、身体の、つまりは全身。
血の流れが活性化されて身体全体に素早く養分が運ばれるようになる。血はそういうもんだからな。」
「ふむふむ。」
「それによって調子が良くなる事はもちろん、頭だって冴えてくる。
だから!これからの実験の効果が大いに期待できるって訳だ。」
「なるほど、そうだったのか・・・。」
よほど納得できたのか、キリュウはうんうんと頷いている。
ふう、なんとか上手く丸め込めたようだな。適当に知識を並べ立ててよく誤魔化せたもんだ。
わずかな冷や汗を拭っていると、キリュウが再び顔を上げた。
「・・・ところで翔子殿、まだ実験をするのか?」
「当たり前じゃん。今度は重さね。」
「・・・まあやってみるとしよう。」
すんなりと実験へ話が飛んで行ってくれた。らっきー。
早速さっきの本を取り出して、宙に持ち上げる。そして落とす。
ひゅ〜・・・ぱさっ
「よし、まあこんなもんだろ。」
「ではいくぞ・・・万象大乱!!」
おおっ?なんか今までと気合がちがくねーか?さっきの説明が効いたのかな。
まあ細かい事は抜きだ、とりあえずやってみよう。
そして本を持ち上げる。空中に持って行ったそれをぱっと離すと・・・
ひゅ〜・・・ドシーン!
「え!!?」
かなり大きな音がした。それこそ部屋が揺れたくらいに。
「キリュウ、重くし過ぎだぞ。」
「いや、そんなに重くしたつもりは無いのだが・・・。
第一、持つだけでそういうことは分かるのではないか?」
「あっ、そうだっけ。」
言われてみればそうだよ、なにも落とす必要は無いんだ。
おかしいなあ、なんでこんな簡単な事に気付かなかったんだろ。
「翔子殿。」
「何さ。」
「くすぐってやるぞ。思いきり笑えば頭の働きも良くなるのだろう?」
「えっ・・・。」
何やら目がすわっている。さっきの仕返しをしたいに違いない。
なるほど、大袈裟に言ったことが裏目に出ちゃったか。
「え、遠慮しとくよ。別にあたしは・・・。」
「しかし、こんな簡単な事にも気付かなかったではないか。是非やるべきだ!」
「ま、待てキリュウ、先に実験を終わらせてから。」
「頭が働いていない状態で実験をしても仕方あるまい?さあ!」
「お、おい、待てって!!」
いきなりキリュウが飛びかかってきた。紙一重であたしはそれを交わす。
「なるほど、運動力はまだ衰えていないのだな。ならば後は頭だ!」
「だからそれはいいって!うわあー!!!」
どったんばったんとせまい部屋の中で追いかけっこ。
しかし途中で、瓠瓜を床に置いたままだと気付き、それに気を取られてしまった。
キリュウはそんなあたしの隙を見逃さずにばたっと押さえこむ。
「くっ。は、はなせ〜。」
「翔子殿、これも試練だ。」
「や、やめろ〜!!」
じたばたじたばたと懸命に暴れる。すると・・・
「ぐえっ」
「「え?」」
一鳴きした瓠瓜が大きく口を開けた。そして、
ぐおおおおおお
「「うわあ!?」」
あっという間にあたし達二人は瓠瓜に飲みこまれてしまった!
そして数分。瓠瓜はぺっとあたし達を吐き出した。
べたんと床に放り出されるあたしとキリュウ。
何も言えないまま二人で瓠瓜を見ると、
「ぐえっ!!」
と、とても怒っているのが見てとれた。
どうやらあたしとキリュウのやりとりに業を煮やしたようだ。
「・・・悪かったよ、瓠瓜。ふざけすぎちゃった。」
「私もムキになりすぎたな。すまない。」
「ぐえっ♪」
二人して謝ると瓠瓜は笑顔を見せてくれた。
ううっ、かわいー。やっぱり笑顔ってのが一番だよな。
「そんじゃまあ、実験はもういいや。」
「ん?もう終わりなのか?」
「ああ、たっぷり試させてもらったし。だからこれからマッサージでも。」
「しょ、翔子殿!?」
ずざざっと後ずさるキリュウだったが、あたしは笑って答えた。
「警戒するなって。今度こそ本当にちゃんとしたものだからさ。」
「本当か?」
「ああ、本当。」
「そうか、なら頼むとしようか・・・。」
警戒を解き、キリュウがベッドに座る。
まああれだけやった後だししょうがないかな。
と其の時。
コンコン
ドアを誰かがノックする音が聞こえてきた。
「あれっ、シャオかな。キリュウ、後にしてくれ。」
「分かった。」
そろそろ夕飯についての打ち合わせに来たのかな。
けれどもそれにしては少し早いような・・・。
「はい、何?」
「翔子さん、あの・・・。」
姿を現したのはやっぱりシャオで、何やら深刻そうな表情。
そしてとんでもない事を言ってきたのだった。
申し訳なさそうに出した両手のひらに三つの小さなものが乗っていた。
シャオの説明を聞いてキリュウも慌てて傍に寄ってくる。それは・・・
「ええっ?野村達!?そういえば忘れてたっけなあ・・・。」
「言われてみれば確かにそうだ。小さくしてそれっきりだった。」
三人を元に戻した時のキリュウとこいつらの顔といったらなかったな。
瓠瓜を抱いたまま、あたしは知らん振りをしてシャオの手伝いに向かったのだった。

『夕食編』に続く。


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