月天小説 生まれ変わりたちの生きる時

第I話『周りの人々』

「x+2y=5のxに対する答えを、円堂(えんどう)くん」
「はい。x=5-・・・って陽子先生、今は歴史じゃなかったんですか?」
「ああ、そうだったわね」
 この人は天野陽子(あまのようこ)先生。たまにずれたことをする面白い先生なんだよね〜。
「じゃあ、一番古い猿人は?」
「それは去年の教科書ですよ」
「え?ああ、そういえばあなたたちは2年だったわね」
 こういう人だけど結構人気があるの。

○放課後○
「魂くん、一くん、また明日〜」
「じゃあな」
「またね」
 私たちは魂くんたちと別れていつもの場所に向かいます。
「よう、琉姫(るき)」
「元気?」
「どのくらい待った?」
「ほんの、30分くらい前だな。まあ、今日なにをするか考えていたので暇ではなかった」
 この子は天地琉姫(あまちるき)ちゃん。翔くんの従兄妹で、小学5年生。
「ところでなにをするんだ?」
「短距離走だ」
「つまりかけっこってことか」
 琉姫ちゃんは体育会系で、スポーツ万能。その上勉強もそれなりにこなしている。いわゆる優等生ってかんじの子。
「負けたらいつもどおりに、腹筋と腕立て伏せだからな」
 訂正、優等生って言うほど慕われてないかもしれない。

○翌日○
「天、早く起きなさい」
「あれ、お姉ちゃん?よかった、織姫(おりひめ)ちゃんに追いかけられてる夢見ちゃったよ」
「あ〜、あの子?可愛かったじゃない。まあ、付き合う気はないんでしょうけど」
「うん。それになんだかあの子きらい」

「天く〜ん。今日こそ、あたしの思いを受け取って〜」
 学校に来るといきなり女子が飛んできた。この子が花園織姫(はなぞのおりひめ)ちゃん。まあ、説明は特に必要ないだろうけど、とりあえず、料理は下手、運動能力は平均値、勉強はテストで常に欠点を取るといった、いわゆる落ちこぼれ。ちなみに、よく妄想の世界に突入する。
「あ〜、もう。天くんったらい・け・ず」
 すかさず私と天のツープラトンが決まったのは言うまでもない。

○日曜日○
「ねえ、みんなで宮内神社に行かない?」
 いきなり織姫ちゃんが切り出したのは、伝説の生徒にも関係する場所である、宮内神社に行こうということであった。
「よ〜し、その計画乗った!!あそこは縁結びの神様だし、お願いすれば俺の恋も」
「伝説の生徒さんたちがいたときの神主さんは完膚なきまでにふられったて聞いたけど」

 この騒がしくしているのが、炎魂(ほむらこん)くん、そして、そこへダメージを与えたのが円堂一(えんどうはじめ)くん。まあ、正確等については説明する必要が無いかな?
「俺はパス。あそこの神主顔見知りでさあ。まあ、ナナと天が行くならついてくけどな」

 このやる気なしな男の子が、親友兼幼馴染兼クラスメートの山辺翔(やまのべしょう)くん。
「私はもちろん行くよ」
「僕も」
 私が行くと言うと天がそれに続いた。
「でもさ、いい加減私たちの家を集合場所にするのやめてくれない?」
「なにを言う!伝説の生徒たちが住んでいて、いつも集まってた家だぞ。ここ以外に集まるのに相応しい場所がどこにある!?」
「学校、公園、喫茶店、駅前、広場・・・」

○宮内神社○
「あなたのような女性がどのような恋のお悩みをお持ちなのですか?私でよろしければお話をお伺いしますよ」
「いえ、友達の付き添いなので結構です。それに町一番の軟派師に恋の相談なんかしません」
「はう」
 私の言葉で石化したこの男の人は宮内出雲(みやうちいずも)さん。伝説の生徒たちのときの神主さんと同じ名前なんだって。
 バシン
「掃除さぼってなにやってんだ。ほら、裏の掃除をして来い」
 箒で宮内さんを叩いたこの女の人は宮内那奈(みやうちなな)さん。私と名前が似てるな〜。町で有名なアバウトな人。この前買い物帰りに公園で話したこともあったかな。
「お、七奈じゃねえか。久しぶり」
「お久しぶりです。那奈さん」
 ちなみにこの前暑中見舞いでは、私の名前は戸籍上でナナとなっているのだが、名奈と書かれて送られてきて少し途惑た。
「言うのを忘れてましたが、私の名前は片仮名なんです」
「お、そうだったのか、ごめん。でも届いたんだろならいいじゃないか」
「そうですね」

☆あとがき☆
ほのぼの路線ですけど、宝玉とちがって・・・混乱する人いるだろうな〜。
星神たちも戻ってくる予定です。
プロローグにはあとがきをつけませんでした。
もうすぐ大問題が発生する予定です。
ちなみに設定は30世紀。
一度文明が滅びかけ、新たな世界を創っていっているというぐらいの時間設定です。
遊園地はありません。
科学技術も廃れています。
その代わりに、昔に失われたものがいくつか甦っています。
恋愛はあまり期待できません。
設定上あれですし、私は太助とシャオのカップルが好きなので。


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